理学療法士の転職理由・転職の状況・離職率は高い?

理学療法士が今の職場を辞める理由で多いものは?

理学療法士の職場環境は、各施設によってかなりばらつきがあるのが実情です。

もちろんすべての施設がそうというわけではありませんが、なかには、明らかに給料が低いところ、仕事量が極端に多いところ、サービス残業が常態化しているところ、人間関係が険悪なところもあります。

理学療法士が現在の職場を辞めるのは、こうした職場環境に嫌気がさしたというケースが多いようです。

なお、一概にはいえませんが、こうした職場環境のばらつきは、医療施設よりも介護施設のほうがよく見受けられます。

理学療法士協会が発表した統計をみても、医療施設勤務の理学療法士の離職率は約10%である一方、介護施設に勤務する理学療法士の離職率は19%程もあり、2倍近い開きがあります。

厚生労働省の調査によれば、正社員全体の離職率が約15%ですので、介護施設で働く理学療法士の離職率がいかに高いかがわかります。

理学療法士のつらいこと・大変なこと・苦労

理学療法士の転職で気をつけるべきこと

理学療法士の転職で最も気を付けなければならないのは、上記に挙げたような環境の悪い職場を避けるということです。

一部の不当労働を強いる施設が、多くの退職者を補うためにまた採用を行い、その理学療法士がまた早期離職するという負の循環を生むことによって、職業全体の離職率を大きく引き上げてしまっています。

環境の悪い職場を注意深く見分けることで、自分自身が長く勤められるだけでなく、理学療法士という職業のイメージアップにもつながります。

そのためには、ホームページやパンフレットなどで情報を集めるだけでなく、実際に施設に足を運んで、職場の雰囲気を肌で感じてみることが大切です。

就職希望者向けに見学を許可している施設もありますので、積極的に申し込み、そこで働いているスタッフの表情や仕事ぶりを観察してみることをおすすめします。

理学療法士の職務経歴書の書き方のポイント

ひとくちにリハビリといっても、その手法も対象となる患者もさまざまであり、理学療法士はそれまでのキャリアによってできること・できないことが異なります。

また、スポーツ選手を対象としたスポーツリハビリや、高齢者を対象とした緩和ケア、子どもを対象とした発達領域リハなど、一部の患者に特化した専門領域のリハビリもあります。

このため、職務経歴書については、勤務先や診療科目などに留まるのではなく、できる限り詳細に記載するべきです。

これまでに担当した症例の種類や件数、得意とする療法、保有する知識などを、A4用紙1~2枚程度の分量にまとめるとよいでしょう。

細かい職務経歴書を作成することで、知識やスキルをアピールできるだけでなく、施設側が求める人材像とのミスマッチを防ぐことにもつながります。

他の業界への転職はある?

理学療法士の転職で比較的よくみられるのは、医療業界から介護業界へ転職するパターン、およびその逆のパターンです。

医療保険・介護保険という適用の違い以上に、リハビリの目的やリハビリ内容そのものが大きく異なりますので、環境を変えてみたいと転職する人も少なくありません。

また、フィットネスジムやスポーツクラブなど、スポーツ業界への転職も一定数みられます。

リハビリを手掛けるというよりは、理学療法士としての身体構造に関する知識を生かして、筋力強化や健康づくりのために、トレーニング方法を指導する仕事がおもになります。

なかには、プロチームと専属契約を結び、チームに帯同してスポーツトレーナーとして活躍する理学療法士もいます。

転職先はどのように探せばいい?

現状、理学療法士の求人数はかなり豊富にあり、一般的な転職サイトやハローワークなどでは、さまざま求人情報が掲載されています。

ある程度の実務経験があれば、それほど転職先に困るということはないでしょう。

ただ、理学療法士の就職先は多岐にわたりますので、自分がどの職場に向いているかわからないという場合は、転職エージェントに登録して、保有スキルなどにふさわしい職場を紹介してもらう方法もあります。