理学療法士は公務員として働ける?

理学療法士は公務員として働ける?

理学療法士の勤務先としては、病院やクリニックなどの医療施設が代表的ですが、それらのなかには、個人または法人が経営する民間病院もあれば、国や都道府県、市町村が運営する公立病院もあります。

このうち、県立病院や市立病院に勤務する理学療法士については、その身分は地方公務員となり、国立病院に勤務する場合でも、国家公務員という身分ではないものの、待遇は国家公務員に準じるものになります。

また、医療施設以外でも、市役所の介護保険課や高齢福祉課などに勤める行政職員、あるいは保健センターの職員として、理学療法士の求人が行われるケースもあります。

理学療法士が行うリハビリの目的は、端的にいえば患者が送る生活の質を高めることであり、そのためには行政サービスとの連携が欠かせません。

このため、地域全体で医療や介護を支援する仕組みづくりを行ったり、施設間での連携を高めたりと、公務員としての立場から地域リハビリテーションに取り組む理学療法士もいます。

このように、理学療法士には公的な勤務先も複数あり、理学療法士が公務員として働くことは十分に可能です。

以下では、公務員として働く理学療法士について、そのメリット・デメリットをご紹介します。

公務員理学療法士のメリット

雇用が安定している

民間経営の医療施設に勤務する場合、業績次第ではリストラや給与カットなどが行われる可能性もあり、業績不振が続けば、医療施設自体が潰れてしまうこともあり得ます。

とくに、個人経営のクリニックの場合、競合が厳しくなって廃業するケースは珍しくありませんし、辞めることになっても満足に退職金が支給されない可能性もあります。

しかし、公立病院については、営利目的ではなく、地域住民に対して医療サービスを提供することが目的ですので、赤字となった場合でも税金による埋め合わせが行われ、基本的に潰れることはありません。

したがって、解雇される心配が少ないうえ、給与や退職金などの待遇面についても安定しているといえます。

さらに、公務員には俸給表に基づいた定期昇給制度があり、勤続年数に応じて給料が増えていくことが約束されています。

安定性という点においては、公立病院は非常に恵まれているといえるでしょう。

ワークライフバランスを取りやすい

理学療法士の勤務体系は職場によって大きく異なりますが、週休2日制のシフト勤務であるケースが一般的です。

しかし、民間の医療施設の場合は、病床稼働率が高い反面、スタッフが充足していないところも多く、思うように休みが取れなかったり、勤務が連続することもあり、それが離職理由につながることもあります。

これに対し、公立病院では、1週間の休日や年間休日日数などが明確に定められているうえ、年末年始やお盆などの長期休暇もまとまって取得しやすいようです。

さらに、有給休暇、出産・育児休暇などの福利厚生制度も充実しており、ワークライフバランスを取りやすい点が大きなメリットといえます。

公務員理学療法士のデメリット

公務員試験を受けなければならない

理学療法士が公務員として働くためには、通常の就職活動における履歴書の提出や面接などに加えて、公務員試験も受けなければなりません。

公務員試験は、理学療法士としての知識を問われる「専門試験」と、ほかの行政職などと共通の、数的処理や文章理解などの「一般教養試験」の2段階選抜で実施されます。

公務員を志望する人は多い一方、採用枠は数人程度であり、採用倍率は高くなりがちですので、できる限り優秀な成績を収められるよう、事前に入念な試験勉強を行う必要があるでしょう。

理学療法士の場合、専門試験よりも一般教養試験の対策に苦労する人が多いようです。

受験者のなかには、公務員試験対策を実施している民間の予備校に通って試験勉強に励む人もいます。

能力に応じた給料をもらえないこともある

上述したように、公務員の給料は勤続年数に応じた年功序列で昇給していきます。

このため、実力があったり、人より努力したとしても、それに見合った給料が得られるとは限りません。

理学療法士の個人スキルには大きな幅があり、資格取得後も継続的に勉強していくことが必要ですが、人によっては、向上心や、仕事に対するモチベーションを失ってしまうこともあるかもしれません。