【2021年版】作業療法士の年収・給料はどれくらい? 初任給やボーナス、統計データも解説

作業療法士の平均年収・給料の統計データ

作業療法士の給料は、勤務する施設の種類によって多少の差があるものの、平均値としては一般的なサラリーマンを若干下回る水準であり、そこまで高給が期待できる職業とはいえません。

ただし、各種手当や育休・産休などの福利厚生制度がしっかりと整っていたり、日々の労働時間が一定でワークライフバランスが取りやすいなど、作業療法士ならではの利点もあります。

このため、基本給などの額面はそれほどでなくても、生活面は安定しやすく、待遇に関しては満足している人が多いようです。

作業療法士の平均年収・月収・ボーナス

賃金構造基本統計調査

厚生労働省の令和2年度賃金構造基本統計調査によると、理学療法士・作業療法士の平均年収は、33.9歳で419万円ほどとなっています。

・平均年齢: 33.9歳
・勤続年数: 6.5年
・労働時間/月: 163時間/月
・超過労働: 4時間/月
・月額給与:290,600円
・年間賞与:702,200円
・平均年収:4,189,400円

作業療法士は比較的新しい職業であるため、平均年齢が30代半ばと、かなり若くなっている点は着目すべきポイントといえるでしょう。

作業療法士の平均年収がそれほど高くないのは、キャリアの浅い人が多くを占めているという事情も少なからず影響していますので、今後、徐々に統計上の数値は上昇していくものと考えられます。

出典:厚生労働省「令和2年度 賃金構造基本統計調査」

※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。

求人サービス各社の統計データ

職業・出典 平均年収 年収詳細
作業療法士(OT)
転職会議)
394万円 20代前半:364万円
20代後半:395万円
30代:391万円
40代以上:750万円
作業療法士
indeed)
3,298,183円 時給 1,157円
日給 14,418円
月給 233,517円
作業療法士
求人ボックス)
352万円 月給 29万円

各社のデータをみると、作業療法士の平均年収は、厚生労働省の統計とほぼ同じ400万円前後が実態であると思われます。

なお、現状の統計は、上述の通りかなり若い世代に偏っているため、着実にキャリアを積んでいけば、比較的早期のうちに平均年収を上回る給料が得られると想定されます。

作業療法士の手取りの平均月収・年収・ボーナスは

作業療法士の平均年収を400万円とすると、厚生労働省の統計調査からボーナスは月収の約2ヵ月分と推定され、平均月収は約29万円、ボーナスは約57万円という計算になります。

そこから住民税や所得税、社会保険料などを差し引いた手取りは、独身の場合月収が22万円~24万円、ボーナスが46万円~47万円です。

一般的な職業と比べて、ボーナスの支給額はやや少なめですが、生活していくぶんには何ら問題はないでしょう。

作業療法士の初任給はどれくらい?

作業療法士の初任給は、短大卒または3年制専門学校卒で19万円前後、4年制大卒で20万円前後が相場とされています。

しかし、就職先によってかなり開きがあるのが実状で、公立病院や国立大学病院などの公的機関は平均より1万円弱低いところが多い一方、医療法人などが経営する民間病院は、平均より1万円程度高い傾向にあります。

また、介護老人保健施設や訪問介護事業所などの介護施設では、現状なり手が不足していることもあって、平均よりも大幅に高い26万円~27万円前後となっています。

作業療法士の勤務先の年齢別の年収(令和2年度)

令和2年度賃金構造基本統計調査によると、作業療法士は、年齢の上昇にしたがって、年収も上がっています。最も年収が高い世代は、50~54歳の574万円です。

全年代の平均年収は419万円となっています。

上記グラフの基タイトルは「理学療法士,作業療法士,言語聴覚士視能訓練士」で理学療法士、言語聴覚士、視能訓練士など他職業を含むデータです。

作業療法士の勤務先の規模別の年収(令和2年度)

作業療法士の年収は、勤務先の規模によってあまり変化がありません。

10〜99人規模の事業所に勤める理学療法士の平均年収は409万円、100〜999人規模は415万円、1,000人以上規模は437万円、10人以上規模平均は419万円となっています。

上記グラフの基タイトルは「理学療法士,作業療法士,言語聴覚士,視能訓練士」で理学療法士、言語聴覚士、視能訓練士など他職業を含むデータです。

賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。

作業療法士の福利厚生の特徴は?

作業療法士の福利厚生は、医療施設を中心として、資格手当や通勤手当、扶養手当、住居手当などの各種制度が整っているなど、かなり手厚いケースが目立ちます。

また、看護師をはじめ、医療スタッフのなかには女性が多く、家事や子育てに対して理解のある職場も珍しくありませんので、出産休暇や育児休暇なども取得しやすく、サポート態勢も充実しているといえます。

そうした傾向は国立や公立の病院ほど強く、なかには施設内に職員専用の保育所を設置しているところもあります。

公的機関は、民間より給料が低いケースも多いですが、福利厚生面まで含めて総合的な待遇を考えると、民間施設と公立施設、どちらが恵まれているかは一概に比較できません。

額面だけで就職先を決めるは早計といえますので、さまざまな諸条件をしっかりと吟味することが大切です。

作業療法士の給料・年収の特徴

昇給率が低い

作業療法士の給料は、おおむねどこの施設でも年1回昇給する機会が設けられており、勤続年数に応じて着実に毎年給料はアップしていくものの、その上昇幅がかなり小さいという点が特徴的です。

40代と働き盛りの年齢になっても、平均年収は500万円台に届いておらず、この給料の伸びの悪さが、職業全体の平均年収を大きく押し下げる主因となっています。

年収を上げるためには、作業療法士としてのスキルレベルの向上に励むだけでなく、同時にリーダーシップや指導力なども養って、役職者への昇進を目指す必要があるでしょう。

月給とボーナスの割合にばらつきがある

もうひとつの作業療法士の給料の大きな特徴として、勤務先によって給料とボーナスの割合がまちまちで、一定でないということが挙げられます。

たとえば、介護施設の平均月収が医療施設よりかなり高いのは上述の通りですが、その代わりにボーナスが低かったり、あるいはまったく支給されないというケースもあります。

このため、一般的な職業とはやや事情が異なり、厚生労働省の統計にある「作業療法士のボーナスは月収の約2ヵ月分」というのは、あくまで目安にすぎないということになります。

各勤務先の収入を比較する際は、月収ベースではなく、年収ベースで計算したほうが正確といえるでしょう。

残業代の占める割合が少ない

作業療法士は、医師や看護師などのほかの医療スタッフとは違って、急患に対応することはほぼなく、定められたスケジュールに則って、各患者へのリハビリを行います。

このため、職場によって多少の違いはあるものの、作業療法士が残業する機会は、総じてかなり少ないといえます。

残業が少ないことは、日々の生活リズムが整いやすく、プライベートも充実させやすいため、メリットともいえますが、経済的にみれば、残業代がほぼ支給されないというデメリットとなります。

夜勤なども発生しませんので、こうした勤務体系も、看護師よりも作業療法士のほうが収入面で劣る大きな理由のひとつといえるでしょう。

なお、勤務時間後には勉強会やカンファレンスなどが開催されることもありますが、そうした業務が残業とみなされるかどうかも施設によって異なりますので、気になるなら就職前に確認しておくべきです。

施設別に見る給料・年収

医療施設勤務の作業療法士の給料・年収

病院やクリニックなどの医療施設は、作業療法士の就職先として最もメジャーであり、作業療法士協会の統計によると、休職者を除いた全体の約7割が勤務しています。

このため、医療施設で働く作業療法士の給料は、職業全体の平均とほぼ同じ年収350万円~450万円が相場です。

ただ、部長や施設長などの管理職に昇進すると、大きく相場を超えて年収600万円や700万円ほどに達するケースもあります。

介護施設勤務の作業療法士の給料・年収

介護施設勤務の作業療法士の給料は、全体的に医療施設よりも高水準であり、施設によっては非役職者のままで年収500万円前後に達することもあります。

介護業界は、仕事が厳しい、つらいといったイメージが強く、業界全体で慢性的な人手不足に陥っていますので、人を集めるために待遇面を手厚くしている施設が目立ちます。

とくに訪問介護ステーションや訪問リハビリテーション事業所などは、体力的な負担が重い反面、介護業界のなかでもとくに高待遇となっていますので、収入面を重視する人にとってはおすすめの就職先といえます。

福祉施設勤務の作業療法士の給料・年収

障がい者福祉施設や児童福祉施設などの福祉施設に勤務する作業療法士の給料は、年収250万円~400万円前後が相場であり、医療施設や介護施設よりも下回る水準です。

福祉業界はそもそも営利目的ではありませんし、また日本の財政状況がひっ迫している影響もあって、国や自治体から得られる補助金も決して十分ではありません。

構造的に利益を上げにくいため、どうしても福祉施設スタッフの給料は低くなりがちです。
しかし、仕事には大きな社会的意義がありますし、介護業界とは対照的に体力的負担は軽めで、経済面以外でのメリットは複数あります。

作業療法士が収入を上げるためには?

作業療法士が収入を大きく上げる方法はおおまかに2つあり、ひとつは同じ職場に勤め続けて役職者になる方法、もうひとつは腕を磨いてより条件のいいところに転職する方法です。

作業療法士の需要は、東京などの都市部を中心としてかなり多く、現状は売り手市場にありますが、作業療法士のほとんどは、実務未経験者か、あるいはキャリアの浅い人です。

このため、経験豊かで即戦力となれる人材については、どこでも歓迎される風潮にあり、スキル次第で高待遇の就職先を見つけることも十分に可能です。

作業療法士は年功序列の色合いが強く、また上述の通り昇給ペースも緩慢ですので、自身の腕前に収入が見合っていないと感じるなら、転職することで数段飛ばしの給料アップを狙うという選択もあります。