理学療法士の志望動機と例文・面接で気をつけるべきことは?

理学療法士を目指すきっかけで多いものは?

理学療法士を目指すのは、自分自身や身の回りの家族・友人などが病気やけがをした際に、理学療法士の仕事を近くで見たり、理学療法士のお世話になったりしたことがきっかけである人が多いようです。

部活動や地域のスポーツクラブなどに所属し、熱心に競技に取り組んでいたものの、故障を抱えてしまうという人は少なくありません。

そうした際に、理学療法士のおかげで体が元通り動くようになった、競技に復帰できたという経験をした人が、大きくなってから自分も同じ職業に就きたいと思うことは自然といえます。

同じように、家族や友人のリハビリ・社会復帰を支援してくれた理学療法士の姿をみて、自分も誰かの役に立ちたいと同じ道を志す人も多くいます。

事情はさまざまですが、「あのとき助けてもらった」という感謝の気持ちが、職業への憧れにつながり、やがて理学療法士を目指す原動力になるようです。

理学療法士の志望動機の考え方

理学療法士の資格取得者は近年増加傾向にあり、とくに病院をはじめとする医療施設の人気は高く、数多くの学生が殺到する職場も散見されます。

一方、理学療法士の業務はリハビリ領域に特化していることもあって、志望動機は皆似たような内容になりがちです。

従って、内定を勝ち取るためには、志望動機において他者との差別化を図ることが重要であり、自分自身の実体験に基づいた独自性を感じられる内容にするべきです。

個人的に理学療法士のお世話になった人は少ないかもしれませんが、養成校の最高年次においては必ず臨床現場での実習を経験しますので、どんな人でもある程度の実体験はもっているはずです。

また、学生時代の経験やアルバイト経験などから、理学療法士の仕事に関連付けることもできるでしょう。

自分が見聞きしたことや感じたこと、そしてそこから考えたことを志望動機とすれば、多少粗削りでも、コピーしたものにはない、自然なオリジナリティと説得力が生まれます。

理学療法士の志望動機の例文

総合病院を志望する場合の例文

「私は、病院実習において、5名の脳梗塞の患者様を担当しました。

学校において治療方法などの知識は十分に積んだつもりでしたが、実際の現場における脳性麻痺からの回復の難しさをあらためて痛感しました。

しかし同時に、それぞれの患者様の年齢や体力、性格などに合わせて、独自のリハビリ計画を練るという仕事に大きなやりがいも感じました。

さまざまな病気をもつ患者さんを広く受け入れている貴院で働くことで、多様な経験を積み、どんな症状にも対応できる理学療法士になりたいと考えています。」

回復期リハビリテーション病院を志望する場合の例文

「私が貴院を志望するのは、身体機能だけでなく、精神的なケアも重視するというリハビリ方針に強く惹かれたためです。

私は専門学校時代を通してずっとレストランでのアルバイトに従事し、単に注文を取ったりするだけでなく、お客様をよく観察して、個々にあったサービスを提供することが重要であると学びました。

患者様の回復度合いも、リハビリのゴールも人それぞれですので、これまで培ってきた接客業での経験を生かして、各患者様の心に寄り添った治療を行っていければと思っています。」

整形外科クリニックを志望する場合の例文

「私は少年野球、リトルリーグと、幼い頃からずっと野球に打ち込んできましたが、中学三年生の最後の大会で肩を壊し、一時は腕を持ち上げることさえできなくなりました。

しかし、理学療法士のお兄さんが辛抱強く治療してくれたおかげで、再びボールを投げられるまでに回復し、高校でも野球を続けることができました。

スポーツリハビリに力を入れている貴院で働くことで、かつての自分と同じように故障で苦しい思いをしている人たちの力になって、あのときの恩返しをしたいと考えています。」

理学療法士の面接で聞かれること・注意点

理学療法士として就職するためには、事実上国家資格取得が必須条件となっているため、就職時点における各自の知識やスキルにはほとんど差がありません。

このため、面接の出来が採用を左右するケースも多く、入念な対策が必要といえます。

とくに、どうしてその業界を選んだのか、どうしてその施設を選んだのかという理由については、明確に答えられるようにしておくべきです。

理学療法士には医療、介護、福祉、スポーツなど、さまざまな分野の就職先がありますし、たとえば同じ医療業界でも病院とクリニックでは違いがありますし、病院のなかでも急性期と回復期では異なります。

事前に施設の特徴や運営方針などを調べておき、「どうしてもこの施設でなければならない」という必然性が感じられる回答にすることが望ましいでしょう。

自力での面接対策や志望動機作成に今ひとつ自信がもてないという場合は、理学療法士専門の求人サイトにサポートしてもらうという方法もあります。

マイナビコメディカルは、専門のキャリアアドバイザーが丁寧に志望動機の添削をしてくれるため、まずは気軽に利用してみるとよいでしょう。

理学療法士の自己PRのポイント

リハビリは、通常数か月~数年という長い月日をかけて少しずつ行っていくものであり、理学療法士には各患者と良好な人間関係を築いていくことが求められます。

また、効率的にリハビリを行っていくためには、医師看護師作業療法士といったほかの医療スタッフとも連携して治療に当たることが必要です。

従って、理学療法士の採用面接においては、年齢や性別、立場などに関係なく、誰とでも仲良くなれるコミュニケーション能力があることをアピールするとよいといえます。

コミュニケーション能力の高さが感じられる、学生生活や私生活における具体的なエピソードを挙げられると尚よいでしょう。

また、明るい表情やはきはきとした喋り方を心掛け、親しみやすい人物であるという印象を持ってもらえるように気を配ることも大切です。

理学療法士の履歴書で気をつけるべきことは?

理学療法士は、カルテの記載や退院時の「情報提供書」の作成など、デスクワークも多い仕事であり、カルテをみれば理学療法士としての腕がわかるともいわれています。

履歴書についても、第三者の目線を意識して、読みやすい字で書き、長所・短所欄や志望動機欄については、わかりやすい文体で簡潔にまとめましょう。

たとえ文字を書くことが苦手であっても、ガイドラインを引くなどして、時間をかけて丁寧に書けば、面接官から評価してもらえるでしょう。