公務員への転職・中途採用で入るには?

公務員への転職状況は?

民間での転職活動が活発に行われているのと同じように、公務員の世界でも転職をすることは決して珍しいことではありません。

公務員へ転職するケースはさまざまあります。

たとえば、民間企業の正社員から公務員になるケース、フリーターから公務員を目指すケース、あるいは起業経験後に公務員を目指すケースなどもあります。

また、すでに公務員として働いている人が、地方公務員から国家公務員になったり、別の職種の公務員を目指す人もいます。

公務員試験はいろいろな種類のものがあり、試験によっては転職者が受験することも可能です。

たいていの試験では年齢制限が設けられていますが、20代後半や30歳を超えて、場合によっては40代や50代でも受験できるものもあります。

最近では、公務員の世界でも社会人経験者を積極的に採用する動きが強まっているため、社会人経験のある転職希望者には追い風だといえます。

公務員への転職の志望動機で多いものは?

民間から公務員へ転職する人の志望動機で多いのは、「公共性が高く、社会や人の役に立つと感じられる仕事がしたい」といった内容です。

公務員の仕事内容は職種によってさまざまですが、国や地方公共団体に所属して、人々が安心して生活できる社会をつくり、日々の暮らしを支える仕事に従事します。

営利を追求する民間企業で働くうちに、こうした公務員としての役割に魅力を感じるようになり、転職を考える人は多いようです。

また、民間よりも経済動向の影響を受けにくい立場で、長期的な視点でじっくりと仕事に取り組みたいと考えて公務員への転職を目指すケースもあります。

ただし、実際に志望動機を考えるときは、もう少し先まで踏み込む必要があります。

もちろん公務員の仕事は公共性が高く、社会貢献している実感が味わいやすいですが、民間でも同様の仕事はありますので、明確に「公務員でなければならない理由」を持っておくことが大事になってきます。

公務員の志望動機の考え方・面接対策とよくある質問

未経験・社会人から公務員になるには

公務員への転職・中途採用は、一般的に「経験者採用」と呼ばれています。

大きく分けると、国家公務員と地方公務員では転職する方法が変わってきますので、それぞれについて紹介します。

国家公務員への転職を目指す場合

国家公務員の「経験者採用試験」もしくは「社会人試験」を受験するのが一般的です。

経験者採用試験は、基本的に募集がある府省等ごとに種類別に行われており、応募資格や求める人材像がそれぞれ異なります。

基本的に職務経験年数が要件となり、難易度は大卒レベルで「総合職」に相当する試験となっています。

もうひとつ、社会人が受験できる国家公務員試験に「社会人試験」があります。

こちらは40歳未満を対象とした高卒レベルの試験で、身分は「一般職」に相当します。

こちらには年齢制限がありません。

地方公務員を目指す場合

「地方公務員大卒程度試験」もしくは「経験者採用試験」のどちらかを受験するのが一般的です。

大卒程度試験は、年齢要件にあてはまっていれば受験することができ、おもに事務を担当する行政職志望の場合、こちらの試験を受験する人も多いです。

この試験では職務経歴が求められないので、新卒の人もライバルになってきます。

一方、経験者採用試験では、民間企業における一定年数以上の勤務経験が求められてきます。

このほか、試験によっては「大学や大学院を卒業していること」などの学歴要件が課されているケースもあります。

自治体や、試験の種類によって受験資格が異なるので、よく確認しておくことが重要です。

公務員への転職に必要な資格・有利な資格

公務員への転職に、必須とされる資格はありません。

ただし、以下のような「資格免許職」を目指す場合には、特別な資格・免許を持っている必要があります。

看護師
保健師
薬剤師
獣医師
管理栄養士栄養士、学校栄養士
幼稚園教諭保育士
・教員
司書
社会福祉士
学芸員
臨床心理士
精神保健福祉士
・衛生監視員
助産師
作業療法士
理学療法士
臨床検査技師

資格免許職以外を目指す場合でも、社会人から公務員になる場合、さまざまな資格を持っていることで特別な知識・スキルがあるとみなされ、プラスに評価される可能性はあります。

公務員への転職に役立つ職務経験は?

基本的に公務員の社会人経験採用で外部から採用される人は、特定の専門分野を持っていたり、高度な実務能力が求められたりする傾向にあるようです。

公務員の職場でも民間企業の経験・スキルを取り入れることで、業務活性化を目指しています。

一般行政職であれば、とくに事務、パソコン、語学、簿記、マーケティングなどのスキルは役立ちますし、営業やサービス業などで身につけたコミュニケーションスキルも生かせます。

その他、専門職を目指すのであれば、各分野に応じた専門的な知識やスキル、経験をおおいに役立たせることができます。

もし公務員への転職を考えるのであれば、自分の持っている知識・スキルを、公務員としてどう生かせるのかをしっかりと見極める必要があります。

公務員への転職面接で気をつけるべきことは?

公務員の転職面接では、いくつかのポイントに気をつける必要があります。

まず、それまで民間で働いていた場合、なぜ民間から公務員に移りたいと思うのかについての思いは明確にしておきましょう。

「公務員=公共性のある仕事ができる」とざっくりとした考えだけではなく、自分がやりたい仕事が公務員でなくてはできない理由を伝えることが重要です。

そして、職務経歴、仕事を通じて身につけたこと、学んだこと、成果なども簡潔に伝えられるようにします。

もし前職に不満があって辞める場合にも、前職の職場についてネガティブな表現はしないように心がけましょう。

最近では、公務員試験も人物重視の傾向が強まっていますので、面接対策はぬかりなくおこなって、面接で公務員としての適性があることを伝える意識が必要です。

公務員に転職可能な年齢は何歳くらいまで?

国家公務員の場合

国家公務員を目指せる年齢は、どの種類の試験を受験するのかによって変わってきます。

一般職に該当する「社会人試験」では40歳未満であることが要件となりますが、総合職に該当する「経験者採用試験」では年齢制限はありません。

もし40歳を超えて国家公務員に転職したいと考えた場合には、必然的に経験者採用試験を受験することになります。

地方公務員の場合

地方公務員を目指せる年齢は、自治体や試験の種類によって異なります。

事務などを担当する一般行政職であれば、30歳前後が年齢の上限とする自治体が多いですが、それ以上の年齢で受験できる自治体もあります。

最近は地方公務員試験の年齢要件が緩和される傾向にあるので、自治体や試験の種類によっては、40歳以上で受験することも可能です。

公務員への転職での志望動機

公務員への転職を希望するのであれば、公務員の役割をよく理解し、自分がなぜ公務員になりたいのかきちんと伝えることが必要です。

「長期的視点に立って社会全体のために仕事がしたい」といった考えを持つ人は多いですが、そう思うにいたったきっかけや出来事、前職でのエピソードなど、具体例を取り入れながら志望動機を考えていきましょう。

とくに民間からの転職で公務員になろうとする場合、民間と公務員の違いをきちんと理解していることは必須事項といえます。

同時に、志望先の政策や取り組みについての理解を深めておくことも必要です。

自分がどのような経験・知識・スキルを持っているのかを把握し、それを公務員としてどう生かしていきたいのか伝えられるような志望動機を練り上げましょう。