建設会社の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介

建設会社社員の仕事とは

建設会社は、マンションや病院、学校、橋や道路、上下水道といったインフラ設備など、さまざまな建築工事・土木工事を行う企業です。

建設会社で働く社員は、工事の前段階となる企画や設計から、工事現場の監督、完工後の品質管理、建築確認申請などの事務処理まで、工事に関する業務を広く手掛けます。

建築士や設計士といった各種専門家、大工や鳶(とび)といった現場で働く職人など、社内外を問わず、数多くの人と協力しながら仕事を進めることになります。

建築や土木に関する専門知識はもちろん、交渉力や調整力など、ハイレベルなコミュニケーションスキルが求められる難しい仕事です。

しかし、自身の手掛けた建築物が後世にわたって残り続けるなど、大きなやりがいがあり、また社会的な貢献度も非常に高いといえるでしょう。

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建設会社の種類・分類

建設会社とは、一般的に「建設業許可」を受けた企業を指します。

建設業許可は営業種目ごとに全部で30区分近くもあり、実際の事業内容は企業によってバラバラです。

ただ、大きく分けると「一式工事」を行う企業と、「専門工事」を行う企業の2つに分類されます。

一式工事は、さらに「建築一式工事」と「土木一式工事」の2種類に分かれ、前者は住宅やビルなどの建物を、後者はトンネルやダムなどのインフラを、それぞれ総合的に企画・設計し、建設する工事です。

こうした一式工事を請け負う企業は「ゼネコン」と呼ばれ、下請けの工事業者を取りまとめて、工事全体を指揮することがおもな仕事になります。

これに対し、専門工事は、「大工工事」「左官工事」「電気工事」「塗装工事」「造園工事」などがあり、専門工事業者はゼネコンなどの指示のもと、工事全体の一部分を請け負います。

建設会社全体でみれば、専門工事業者が多数を占めています。

建設会社社員の業務内容

技術系業務

建設会社社員の業務内容は、「技術系」の仕事と「事務系」の仕事に大別することができます。

技術系業務としては、設計、調査、施工管理、生産管理、技術開発・研究、数理解析などが挙げられます。

いずれも高度な理系知識を駆使する特殊な仕事ばかりであり、専門性の高さが技術系業務の最大の特徴です。

業務ごとにまったく異なるスキルが求められるので、建築デザイン設計、建築構造設計、土木設計、設備設計といったように、職務は細分化されています。

それぞれの業務につくためには、該当する分野を大学または大学院で修めることが条件となっているケースが一般的です。

事務系業務

建設会社の事務系業務は、開発企画、経営企画、営業、不動産、総務、人事、経理、財務などがあります。

たとえば新しい工事を受注するために得意先に営業をかけたり、新しいビルを建造するための用地を取得したり、工事に必要な人員を確保したりします。

建設会社というと、上記に挙げた技術系職種のような、現場でヘルメットを被り、工事全体を指揮する姿をイメージする人も多いかもしれません。

しかし、建設会社が現場で工事を行うためには、これら事務系のサポートが不可欠であり、建設会社は、技術系・事務系の両輪によって成り立っています。

技術系と違って、事務系の業務につくにあたって専門的な知識は不要であり、文系・理系問わず幅広い人材が採用されます。

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建設会社の役割

建設会社の役割は、自社の手掛けた建物やインフラが将来にわたって問題なく利用できるように、安全・安心な工事を行うことです。

建築工事において、もしも設計に不備があったり、工事内容や手順に欠陥があれば、施主(せしゅ)である建物の所有者はもちろん、建物の入居者や利用者など、数多くの人に多大な迷惑がかかります。

構造計算をミスした結果、建物の強度が規定に足りず、新築すぐ取壊しになった事例もあります。

土木工事においても同じで、施工計画が不十分だと、土砂崩れや地盤沈下などの大事故を招くこともあるかもしれません。

建設会社の仕事は規模が大きいだけに、周辺住民や周辺環境に与える影響力も非常に強く、ひとつひとつの仕事に重い責任がのしかかります。

建設会社社員は、課せられた社会的役割の大きさを自覚し、日々の業務にのぞむことが求められます。

建設会社に特有の職種

建設会社に特有の職種としては、土木、建築、設備、機械の4種類があり、すべて上で述べた「技術系」の職種に該当します。

土木は、土木工事における設計や施工、土壌汚染調査などのエンジニアリング、新しい技術の研究開発などを行う職種です。

建築、設備、機械も、土木と同じく、それぞれの分野における設計や施工などを手掛ける職種です。

建設会社社員の業務は、こうした職種を縦軸に、設計や施工管理といった担当業務を横軸に並べた表を頭に思い浮かべると、役割分担を理解しやすいでしょう。

建設会社の採用においては、一般企業のように職種を問わない「総合職」として採用されるのではなく、こうした職種ごとに個別採用されるケースがほとんどです。

土木職種で入社した社員は、建築や設備といった他分野に移ることはなく、土木設計や土木工事施工管理などの業務を経験しながら、土木分野のスペシャリストとしてキャリアを歩んでいくことになります。

建設会社の有名な企業

建設会社の有名企業としては、まず大林組、鹿島建設、大成建設、清水建設、竹中工務店の5大ゼネコンが挙げられます。

これら5社はいずれも売上高1兆円を超え、国内・海外問わず幅広い事業を展開する大企業であり、「スーパーゼネコン」と呼ばれています。

それに次ぐのが、マンション開発で有名な長谷工コーポレーション、海洋関係の工事を得意とする「マリコン」と呼ばれる五洋建設、インフラ工事に強みをもつ前田建設工業などの「準大手ゼネコン」です。

また、積水ハウス、大和ハウス、住友林業などのハウスメーカーも、世間一般の知名度が非常に高く、建設業界を代表する企業といえます。

建設会社の仕事の流れ

建設会社の仕事は、まず事務系の営業職社員が案件を受注してくるところからスタートします。

施主から工事内容をヒアリングし、技術系の社員が設計プランや工期スケジュールを立て、それに基づいて見積もりを作成し、施主にプレゼンします。

無事に内諾が得られたら、工事請負契約書を締結し、資材の発注や人材の確保を行って、実際の工事へと進みます。

工事中、建設会社社員は現場に足を運び、進捗状況を確認したりします。

職人に指示を出したりトラブルに対処したりと、工事監理者は工事作業全体を統率します。

すべての工事を終え、品質管理を実施した後に施主に引き渡すと、一連の仕事は完了です。