建設会社で働くには(大学学部・学歴)

建設会社社員になるまでの道のり

建設会社に就職するためには、基本的に大卒以上の学歴が必要です。

とくに事務系以外の仕事、たとえば設計や施工管理といった建設会社ならではの技術系の仕事がしたいなら、職務に関連した学部・学科をピンポイントで選択しなければなりません。

建設会社社員になるまでの道のりは、高校時点の文系・理系選択からすでに始まっているといえるでしょう。

希望する職種についての専門知識を学び、無事に大学卒業見込となったら、各企業の採用選考にエントリーし、試験を受けます。

エントリーシートや筆記試験などの書類選考、面接などをすべてクリアし、内定を得られたら、翌年の春に晴れて建設会社社員になることができます。

なお、建設会社の技術系職種では、一般採用とは別枠で、推薦によって就職が決まるケースもよくあります。

推薦を狙うなら、大学ごと、研究室ごとの採用実績を調べてみるとよいでしょう。

建設会社社員になるまでのルート

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建設会社の求人の状況

建設会社の求人は、現状かなり豊富にあります。

大手ゼネコンでは毎年100名単位の新卒採用が行われていますし、業界トップの大林組にいたっては、例年300人前後という大量採用が実施されています。

工務店や設備会社といった中小以下の企業でも、業界全体で慢性的な人手不足が続いていることもあり、採用については非常に積極的です。

「売り手市場」であることは間違いありませんので、業務内容や待遇面、勤務地、労働環境などを、比較検討しながら就職先を探すことができるでしょう。

ただし、スーパーゼネコンや準大手ゼネコンといった有名企業は、採用人数も多い反面、就職希望者も非常に多いため、厳しいな競争となることを覚悟しておくべきです。

建設会社で働くための学部・学歴

建設会社で働くためには、職種に応じた学部・学科の学歴が必要です。

職種の名称は企業によって多少のばらつきがありますが、「土木」「建築」「機械」「設備」「事務」などの区分が代表的です。

土木職種であれば土木学科や土木環境学科、建築職種であれば建築学科、機械職種であれば機械学科や電気・電子学科といったように、それぞれエントリーするための学歴が異なります。

学部としては工学部が多くなるものの、「数理解析」のように理学部が対象となる職種もあります。

理系ではなく、法学部や経済学部などの文系学部の出身者については、事務系職種が選択肢となるでしょう。

企業によっては、大卒・院卒だけでなく、専門学校卒や高専卒で当該科目を履修した人も採用対象としているところもあります。

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建設会社社員になるのに有利な資格はある?

建設会社で仕事をするうえでは、「施工管理技士」や「技術士」をはじめ、取得しなければならない資格は複数あります。

それらの資格は、受験するためには現場における実務経験を積むことが条件となっており、学生では取得できないものがほとんどです。

したがって、建設会社の採用試験を受ける時点で、有利になる資格は基本的にありません。

例外的に「二級建築士」資格については、建築系の大学や専門学校に通うことで、卒業と同時に受験資格が得られますので、選考時点では未取得であるものの、入社までに取得しておくことは可能です。

設計業務を担当したい場合は、「二級建築士資格取得予定」であることをエントリーシートに記載しておくと、プラス評価の材料となるでしょう。

建設会社の土木系職種に有利な資格・スキル

土木系職種で最も代表的といえる資格は、「土木施工管理技士」です。

施工管理技士は、工事の計画を立てたり、職人に対して指示するなど、工事現場で責任者を務めるための国家資格であり、工事現場ごとに資格保有者を配置することが法律で義務付けられています。

土木以外にも、建築や建築設備、電気工事など、全部で7種類です。

7種類それぞれに、扱うことのできる工事規模の違う1級と2級があります。

資格を取得するためには、実技試験と筆記試験の両方に合格することが必要ですが、このうちの実技試験を受けるには、学歴に応じた数年単位の実務経験を積むことが条件となっています。

取得難易度は高めですが、現場監督をつとめられる土木施工管理技士の保有者は、どこの企業でも非常に優遇されるでしょう。

一般財団法人全国建設研修センター 技術検定試験

土木施工管理技士の仕事

建設会社の建築系職種に有利な資格・スキル

建築系職種におすすめの資格としては、施工管理技士のなかの「建築施工管理技士」に加えて、「建築士」が挙げられます。

参考:一般財団法人建設業振興基金 施工管理技術検定

建築士は、建物の設計業務と工事現場における監督業務を手掛けられる資格です。

資格には、1級、2級、木造の3種類があり、施工管理技士と同じように、扱える建物規模や構造が異なります。

2級と木造の資格については、大学や専門学校の建築科に通って指定された科目を履修した人については、卒業と同時に受験資格が得られます。

参考:公益財団法人建築技術教育普及センター 資格試験

入社時点で受験資格を満たせば、1年目から建築士資格を生かして活躍することも可能なので、キャリア形成上、大きなアドバンテージとなるでしょう。

また、建築士資格までは難しくても、コンピュータで図面を作成するためのCAD(設計製図支援ソフト)に関するスキルがあれば、非常に有利となります。

建築士の仕事

建設会社の事務系職種に有利な資格・スキル

事務系職種を目指す場合、「宅地建物取引士(宅建)」「衛生管理者」「建設業経理検定」といった資格があると有利です。

参考:一般財団法人不動産適正取引推進機構 宅建試験
参考:厚生労働省 衛生管理者について教えて下さい。
参考:一般財団法人建設業振興基金 建設業経理検定

宅建士の仕事

建設会社の事務系はかなり幅広い職種があります。

用地取得などの不動産関連であれば宅建、労務であれば衛生管理者など、目指すべき資格も変わります。

宅建と建設業経理検定については、実務経験は不要であり学生でも受験可能です。

将来やりたい仕事が明確に定まっているという人については、就職前にチャレンジするとよいでしょう。

建設会社社員に向いている人

建設会社の仕事は、体力的にかなりハードです。

たとえば施工管理の仕事では、けがをする危険性の高い工事現場に頻繁に通うことになります。

納期直前になれば、連日徹夜が続くなど、体力勝負となる状況もあります。

体力的に無理が効くという、身体が丈夫なタイプの人が、建設会社社員に向いているでしょう。

また、監督として現場を取り仕切る職種の場合、さまざまな職人や外部の業者に的確な指示を出し、現場をまわしていくことのできるリーダーシップが求められます。

学級委員長や生徒会役員、部活動のキャプテンなど、組織を率いた経験のある人は、建設会社社員の適性があるでしょう。

建設会社社員に向いている人・適性

建設会社社員のキャリアプラン・キャリアパス

ある程度大きな建設会社では、一般的に「ジョブローテーション」という制度が採用されており、さまざまな業務を経験しながらキャリアを築いていくことになります。

ただし、建設会社の仕事は部署ごとに異なる専門知識が必要となりますので、異動はあくまで入社時点の職種の範囲内に限定されます。

たとえば土木職種で入社した人は、土木施工管理から土木設計に担当替えとなることはあっても、建築設計や機械施工管理、あるいは事務系の営業や経理を担当することは基本的にありません。

土木なら土木、設備なら設備と、スペシャリストとしてのキャリアを歩んでいくことになります。

一概にはいえませんが、若いうちは、支店や営業所に所属して現場の第一線でバリバリ働き、年齢を重ねると、本社に所属して管理業務にたずさわるようになるのが一般的です。

建設会社社員は高卒から目指せる?

中小以下の建設会社、たとえば電気工事や通信工事の専門工事会社や設計会社、工務店などでは、高卒でも採用するというところもあります。

ただし、高卒者の場合は、学歴の代わりに、募集職種に応じた資格、たとえば監理技術者や建築士といった資格か、あるいは実務経験が求められるケースが一般的です。

高卒未経験で資格がない場合、専門スキルの必要な技術系職種につくのは相当難しいでしょう。

4年制大学か専門学校に進学し、ひと通りの知識や資格を身につけなければなりません。

しかし、営業など、事務系の職種ならば、高卒でも採用される可能性はあります。

また、現場で働く職人として親方の元で働くなら学歴は不要です。

建設会社への転職を検討するなら、転職エージェントに相談してみよう

未経験や中途で建設会社を目指す場合には、転職エージェントに登録しておくのもおすすめです。

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まだ転職するか迷っている、そもそも建設会社が自分に合っているか不安という段階でも、専門家のアドバイスを聞くことでキャリア選択の幅を広げることができます。

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