女性の建設会社社員のキャリアパス・結婚後の生活

女性の建設会社社員の現状

建設業界というと「男社会」というイメージがつきまといます。

国土交通省が全国の建設業者に実施したアンケートをみても、女性社員の割合は全体の1割程度に留まっています。

ただし、女性の採用比率は年々高まっており、ほかの多くの業界と同じように、徐々に男女の雇用均等化が進んでいるのが現状です。

本社で働く事務系の社員だけでなく、設計や施工管理などの技術系職種として、工事現場で働いている女性社員もいます。

建設会社の仕事はかなりハードであり、時期によっては徹夜が続くなど、体力勝負となることもあります。

大工左官などの職人、土木作業員の大半は男性であり、そこに混じって働くことに、やりにくさや恐怖を感じる人も多いかもしれません。

しかし、やる気と覚悟さえあれば、女性でも建設会社社員として活躍することも十分に可能です。

参考:国土交通省 建設業における女性の活躍推進に関する取組実態調査

女性の建設会社社員の強み・弱み

建設会社社員は、自社、クライアント、外部の業者など、立場の異なるさまざまな人たちを相手に立ち回ることが求められます。

そこでは、女性ならではの柔らかい物腰や細やかな気遣い、相手の立場に立ってものごとを考える共感力などが、非常に役に立つでしょう。

殺伐としやすい現場をうまく取りまわす、いうなれば「緩衝材」としての調整能力に期待して、女性社員を重用しているケースも見受けられます。

反対に、女性社員の弱みとしては、体力的にどうしても男性社員に劣るということに加えて、現場には女性専用の更衣室やトイレ、シャワールームなどがないという、仕事のやりにくさが挙げられます。

予算やスペースなどの問題もあって、男女別々の設備を整えられる現場は限られています。

たとえばトイレのたびに近くのコンビニに駆けこまなければならないというのは、女性社員だけが抱えるデメリットのひとつです。

結婚後の働き方

ほかの職業と同じように、結婚を機に仕事を辞めるという女性社員は非常に少なくなっています。

家事などは配偶者と協力し合いながら結婚後も同じように仕事を続けて、夫婦共働きで生計を立てるという人が大半です。

ただ、建設会社で働く場合、避けて通れないのが転勤の問題です。

ゼネコンなどの中堅以上の企業では、全国各地で工事を請け負っており、支店や営業所もあちこちにあります。

男女関係なく、数年単位で全国転勤を繰り返すケースが一般的なので、自分とパートナーのどちらかが仕事を辞めるか、あるいは別居するという苦しい選択を迫られる可能性も十分にあります。

そうなった際にどうするのか、あらかじめパートナーと話し合っておくことが必要になるでしょう。

なお、建設会社によっては、「拠点別採用」や「エリア採用」など、あらかじめ勤務地を限定した職種を募集しているところもあります。

給料は若干低くなりますが、結婚後もずっと働き続けたいなら、そういった職種も視野に入れておくとよいでしょう。

建設会社は子育てしながら働ける?

建設会社で子育てしながら働けるかどうかは、企業の福利厚生しだいです。

ゼネコンなどの大企業では、出産休暇や育児休暇などの制度が整っているのはもちろん、託児所が設置されていたり、ベビーシッターの補助金が出るなど、手厚いケースが目立ちます。

子どもが急に熱を出したときには「看護休暇」が認められるところもあるようです。

しかし福利厚生が充実している企業はまだまだごく一部であり、出産前までには辞めざるを得ないという人が多いのが実情です。

子育てがひと段落した後、経験や資格を生かして再就職するという道もありますが、キャリアを途切れさせたくないなら、できる限り福利厚生の整った大手への就職を目指さなければならないでしょう。

建設会社は女性が一生働ける仕事?

昨今は労働人口が減少していくなかで、建設業界も深刻な人手不足に悩まされています。

人手不足の状況を改善するためには、女性社員の活躍が不可欠です。

建設会社としても、どうにか女性社員の離職を食い止めるため、急ピッチでさまざまな制度づくりを進めています。

女性社員のための制度を上手に活用していけば、結婚や出産といったライフイベントの多い女性でも、建設会社の仕事を一生続けていくことも可能です。

ただ、女性が働きやすい環境づくりへの取り組み状況は、企業によって差があります。

就職する際には、そのあたりの見極めが非常に重要になるでしょう。

女性社員も働きやすい環境つくりに積極的な建設会社が、今後も人材を確保し生き残っていくことができる企業だといえるでしょう。