検事の給与・年収

検事の平均年収・給料の統計データ

検事は逮捕された被疑者の取り調べや起訴の判断、裁判所で事件の立証などを行う国家公務員です。

ちなみに検事は検察庁に属する「検察官」というくくりの中の区分で、検事の上は検事長、次長検事、検事総長という役職があります。

国家公務員ではありますが通常の職種とは異なり、「検察官の俸給等に関する法律」で定められた俸給表が採用されます。

検事の平均年収・月収・ボーナス

「検察官の俸給等に関する法律」によると検事の俸給(基本給)の号(いわゆる等級)は1~20号まであり、一番高い1号だと1,175,000円、一番低い20号だと234,900円と公表されています。

一般的なボーナスにあたる期末手当の支給額は年度によって変わりますが、おおむね年間で約4.5カ月分が支給されます。

検事の平均給与は公表されていないため、俸給表から参考年収を推測すると、20号検事の年収は約380万円、1号の検事の年収は約1,900万円です。

最初こそ高くはありませんが、俸給の号が上がれば相当高い年収を得られるのが分かります。

ちなみに俸給の号の真ん中にあたる10号になれば俸給は387,800円で、年収にすると約630万円です。

国税庁が実施した「平成30年分民間給与実態統計調査」の結果によると民間企業の平均年収は約440万円であるため、10号の検事の年収でも相当高いといえます。

なおここで挙げた検事の給与やボーナスの金額に諸手当は含まれていないため、実際に支給される金額はもう少し上がるでしょう。

参考:人事院 平成31年国家公務員給与等実態調査の結果

検事の初任給はどれくらい?

「検察官の俸給等に関する法律」で定められた通り、一番低い俸給の20号であれば234,900円が俸給となり、これに諸手当が加わり初任給になります。

しかし内閣官房が令和元年7月に公表している「検察官在職状況統計表」によると、一番低い検事の号は17号と記載されています。

このことから採用時は俸給表の17号が適用され、俸給256,300円+諸手当が初任給になっていると考えられます。

厚生労働省が行った「令和元年賃金構造基本統計調査(初任給)」によると、大学院修士課程修了者の初任給平均は約23.8万円、大卒の初任給平均は約21万円という結果から、検事の初任給は高めといって過言ではありません。

参考:裁判所 検察官在職状況統計表

参考:厚生労働省 令和元年賃金構造基本統計調査(初任給)

検事の福利厚生の特徴は?

国家公務員として扱われるため、以下のように手厚い福利厚生を受けられます。

・扶養手当:配偶者の場合は最高で月6,500円、子10,000円支給
・住居手当:借家に居住する場合など最高で月28,000円支給
・地域手当:民間賃金の高い地域に勤務する場合、1級地の東京都特別区で支給割合は俸給などの20%、一番低い7級地(札幌市、前橋市など)で3%支給
・広域異動手当:広域的な異動を行った場合、距離などに応じて最長3年間支給

その他、仕事と家庭の両立支援として、

・妊娠中の時差通勤制度
・妊産婦検診のための職務専念義務免除の制度
・出産に関わる入退院の付添いができる配偶者出産休暇や育児参加休暇
・育児短時間勤務、保育時間、早出遅出勤務、超過勤務制限

などの制度もあるため女性検事も安心して働ける環境が整っています。

参考:人事院 国家公務員の諸手当の概要

参考:人事院 両立支援ハンドブック

20代で正社員への就職・転職

20代で正社員への就職を目指す(PR)

「Re就活エージェント」は、第二新卒・既卒・フリーター・ニート向けサービス。20代未経験OKの求人が多数。

20代登録比率No.1

検事の給料・年収の特徴

国家公務員の中でも給与は高め

検事はほかの国家公務員に比べ給与は高めです。

難関の司法試験を合格した法曹である上に、国家の治安をつかさどるため、当然といえば当然かもしれません。

検事は起訴権限をはじめ、大きな権限を持ち、新任であっても管理職扱いとなるため、高めの俸給表が適用されています。

適用されない諸手当もある

検事は業務の特殊性から多忙を極め、時間外勤務や休日出勤も頻繁に行う傾向にあります。

しかし、新任検事であっても管理職扱いとなるため、特別調整額、超過勤務手当、休日給、夜勤手当および宿日直手当は支給されません。

それをカバーするため最初から高い俸給が適用されており、順調に俸給の号を上げていけばかなり高収入を得ることができます。

検事が収入を上げるためには?

検事の給与は「検察官の俸給等に関する法律」で定められているので、収入を上げるには昇格して俸給の号を上げるしかありません。

冒頭で紹介したように一番高い1号になると1,175,000円の俸給を得られるほか、これに諸手当も加わるので一般的に考えれば相当高い給与となるでしょう。

さらに収入アップを目指すのであれば検事より上の職位になる必要があります。

検事の上は検事長、次長検事、検事総長という順に職位が上がり、検事長の俸給は120万円、東京高等検察庁検事長の俸給は約130万円、次長検事の俸給は約120万円、検事総長の俸給は約146万円です。

かなり高い給与を得られますが、令和元年7月公表の「検察官在職状況統計表」によると検事長は7人、東京高等検察庁検事長は1人、次長検事は1人、そして当然ながら検事総長も1人で、ごくわずかな人しか就けない職位といえます。