ガス会社社員の仕事内容・企業の種類

ガス会社社員の仕事とは

ガス会社はガスを製造し、安全・安心な方法で家庭やお店、工場などに提供する会社です。

ガスは社会生活を形成するうえで欠かせないエネルギーであり、社会的にも重要な役割をになっています。

ガス会社で働く社員の役割は、当然、ガスを安定提供することにあります。

その役割を果たすための職種を分類すると「営業系」「技術系」「管理・企画系」の3種類です。

営業系は家庭用営業、業務用営業などがあり、効率的なガス利用を促進するためニーズに応じた提案をしています。

技術系はガス製造を行うプラントに関わったり、ガスを供給するためのパイプラインの管理・建設に関わったりします。

管理・企画系職種は会社にとって不可欠な仕事で、一般事務やガス料金の管理、人事や総務広報などです。

ガス会社の種類・分類

ガス会社は大きく分けると「都市ガス」と「LPガス」を提供する会社があります。

「都市ガス」は導管という管を利用してガスが提供されます。

都市ガスの大手は東京ガス(関東地方)、東邦ガス(東海地方)、大阪ガス(関西地方)、西部ガス(九州北部)の4社です。

ほかにも国内には約200もの都市ガス供給事業者が存在しており、中には仙台市ガス局(宮城県)のように、地方公営企業の形態を取るケースもあります。

「LPガス」はガスが充填されたボンベを運ぶ、もしくは建物に備え付けているタンクにガスを充填することでガスが提供されます。

地域によっては都市ガスが引かれていません。

そうした地域はLPガスが主流となるため、事業者は全国で約1万7千社もあります。

参考:経済産業省 2019年(2019年12月末)時点の全国の販売事業者数・保安機関数等

ガス会社社員の業務内容

「営業」「技術」「管理・企画」をはじめ、さまざまな職種と業務で成り立っているのがガス会社の特長です。

それぞれの業務について詳しく紹介していきます。

原料調達

都市ガスの主原料は液化天然ガスで、LPガスの主原料は液化石油ガスです。

いずれも大部分を海外からの輸入に頼っているのが現在の状況です。

調達先が多様化し、同時に契約内容も多様化している昨今、ガスの安定供給をするために原料調達を担当する社員の役割はより大きくなっています。

生産

輸入されたガスの原料はそのまま使用できないので、一度基地に貯蔵しなければなりません。

そのあと家庭や工場などで使えるように製造します。

将来的なガス需要をふまえ、ガス製造プラントの拡張計画をたてるほか、安定供給を実現するためにガス基地のメンテナンスやトラブル対処も行います。

供給

供給業務は、製造されたガスを顧客に届けるためのパイプライン建設やメンテナンスです。

より効率的に、より安全にガスを供給するため、会社によっては設備や工事に関する技術開発を行う部門もあります。

営業

営業の仕事は大きく分けて、家庭用営業と業務用営業です。

家庭用営業は、一般家庭の顧客に対して暮らしを快適にするガス機器の提案や普及させるためのマーケティング戦略を立案します。

ハウスメーカーやマンションデベロッパーに自社製品の提案を行う場合もあります。

業務用営業はの対象は工場や病院、学校、ビル、飲食店です。

自社製品の提案はもちろん、エネルギーコストなどの悩みを解決する提案も行います。

業種は多岐にわたりニーズも多様なため、顧客に寄り添った柔軟な提案力が求められるでしょう。

技術開発

会社によっては自社に研究開発部門を設けている場合もあります。

ガスの分析、耐震性評価、金属・高分子材料分析、家庭用ガス機器開発、スマートエネルギーネットワークの構築など、さまざまな分野の研究開発を行っています。

管理・企画

管理・企画の業務は、一般事務やガス料金の管理・請求、人事や総務、財務や経理などで、会社運営に欠かせないものばかりです。

顧客と会社をつなげるための仕事も多く、広報やマーケティングをになうケースもあります。

ガス会社の役割

ガス会社が社会に果たしている役割は、何と言ってもライフラインの確保と供給です。

水や電気と並び、ガスは社会生活を成り立たせるために重要なエネルギーです。

豊かで、便利な生活を続けるためにガス会社がになう役割と責任は大きいといえるでしょう。

ガスの供給だけにとどまらず、エネルギーを効率的に使用し、CO2削減を実現するシステムを構築するなど、より広い視点で研究開発を行っている会社もあります。

ほかにもシェールガスに代表されるような新しい資源の確保を行い、ガス供給のみならず、価格の面でも安定供給をはかっています。

とくに大手ガス会社は、広い視点や将来的な展望を見すえた取り組みが求められるでしょう。

ガス会社特有の職種

原料調達

都市ガスにしろ、LPガスにしろ、現在の日本において原料のほとんどは海外からの輸入に頼っています。

そこで重要な役割を果たすのが原料調達をまかされている社員です。

世界中の産地が仕事の舞台となり、業務内容は新規LNG売買契約の検討や維持管理、原料費用の予算策定・執行管理など専門的な知識が必要です。

ガスを安定供給するために産地の確保は大事ですが、企業である以上、利益も追求しなければいけません。

特に原価を抑えるための苦労は大きいですが、会社の利益を左右するためやりがいも大きいようです。

タンク設計

輸入された原料は一度プラントにあるタンクに貯蔵されます。

安全な貯蔵はもちろん、安定供給を果たすためにタンクはガス会社にとっての生命線ともいえます。

タンクと聞くと単純な貯蔵庫をイメージしますが、実際の業務は複雑かつ高度な知識が求められます。

タンクそのものの温度や圧力管理、原料受入・送出時に必要になる計装設計、そしてタンクを運用するために不可欠な制御システムの設計など、どれも専門的な知識が必要です。

しかし、形として残りますし、数十年にわたり人々の生活を支える礎になるため達成感は大きいです。

ガス会社の有名な企業

都市ガスを扱う企業で有名なのは大手と呼ばれる東京ガス、東邦ガス、大阪ガス、西部ガスの4社です。

特にトップ3である東京ガス、大阪ガス、東邦ガスだけでシェアの約8割を占めていることから、規模の大きさが分かるでしょう。

供給規模がほかの地域とは違うため、おのずと導管延長、販売量、売上高、従業員数などの規模も突出しているようです。

次にLPガスですが、流通は「元売」「卸売」「小売」の3つに分かれています。

「元売」はアストモスエネルギーや伊藤忠商事、「卸売」は伊丹産業や岩谷産業などが有名な企業です。

「小売」に関しては全国に約2万近くあるといわれており、有名な企業といえば「元売」から「小売」まで一貫して行っている企業、例えばアストモスや伊藤忠系列の会社です。

ただし、LPガスに関しては地域密着で行っている会社も多く、地元の商店なども取り扱っています。

そうした地域や家庭では、配達してくれる事業者の方がおなじみといえます。

ガス会社の仕事の流れ

ここではLNG(液化天然ガス)のタンク建設にたずさわった際の流れを紹介していきます。

ガスの安定供給を使命としているガス会社にとってタンクの建設は会社の将来を左右しかねない重要なプロジェクトです。

プロジェクトスタート

仕入れ価格の変動を最小限に抑える、災害時でも安定した供給をする、施設老朽化など、タンクを建設する目的はさまざまです。

いずれにせよ、顧客の利益を第一に考え、他者との競争力を高めるための仕事といえます。

工事着工

タンクは土木工事と機械工事に分けられます。

土木工事がある程度進めばタンクの運営に必要な計装設計、制御システム設計もスタートします。

工事はあらゆる工程が同時進行します。

電気・計装や機械など、担当する業務によって関わる工事は変わりますが、安全性を高めるためにも、心を一つにして取り組む姿勢が問われるでしょう。

最終確認

タンクが完成すれば最終確認を行います。

配管に漏れはないか、ケーブルの接続ミスはないか1本1本確認するなどチェックを入念に行います。

すべての機器や計器の動作確認検査を終えればLNGを受け入れを行い、ガスの送出も無事に終われば完成です。