【2021年版】飲食店社員の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「飲食店社員」とは

レストランやカフェなどの飲食店に勤務し、調理やサービス、マネジメントなどに携わる。

飲食店の社員は、一定期間を店員として現場で過ごした後、店長などの役職で働くことが多い仕事です。

店長を経て、エリアマネージャーとして複数の店舗と本社の橋渡しをしたり、本社に勤務し会社全体の戦略を練ったりするなど、飲食店経営の中核を担う仕事を担当します。

飲食店業界で働く際には、学歴、資格は一切不要であり、未経験者でも挑戦しやすいことが特徴です。

もちろん経験者、有資格者は即戦力として優遇され、店長などの管理職に登用される可能性も高いです。

人手不足が慢性化しており、求人倍率は常に高い状態なので選択肢が豊富なのも特徴的です。

大手の場合は店長クラスで月収25万円前後、年収に換算すると300~350万ほどとなり、

中小規模の場合は売り上げ次第といえますが、人気店の場合、高収入も望めます。

ただし、賞与は大手を除くとほぼ支給されず、仕事の割に給料が低いと感じる人も多いです。

競争が厳しく、新陳代謝の激しい業界であるため、社員として、また店長や本部スタッフとしてキャリアを築いていくには相応の努力と覚悟が求められます。

「飲食店社員」の仕事紹介

飲食店社員の仕事内容

店舗現場での経験がキャリアのベースとなる

店長やエリアマネージャー、本社で働く

飲食店社員の仕事は、概ね次の3つに分かれます。

1.店長として、実際の店舗で働く
2.エリアマネージャーとして複数の店舗と本社の橋渡しを担う
3.本社に勤務し会社全体の戦略を練る。

店長は現場の動きを熟知する現場の責任者で、シフトの調整やアルバイトの教育、食材等の発注といった店舗マネジメント業務、クレーム処理などが主な業務です。

エリアマネージャーは、担当する店舗を定期的に巡回し、運営方針の伝達、商品構成や店内のレイアウト、在庫管理等の指導、店長の教育を行います。

本社に配属されると会社としての戦略を練ったり、商品やオペレーションを開発したり、各種企画を立案したりと経営の根幹に関わります。

未経験から店長になれるケースは稀で、通常は店長になる前に、一定期間を店員として現場で過ごすことが求められ、店舗現場での経験がキャリアのベースとなります。

お客さまと店をつなぎ、売上を確保する

飲食店社員の役割は、お客さまと店をつなぐことです。

社員は、店舗で働くスタッフをリーダーとして束ね、店を円滑に運営し、お客さまに飲食を提供します。

お客さまに対しどのように接していくのか、トラブルがあった際にどのように対応するのかを考えることも重要な役割です。

また、売り上げの確保は社員にかかっていると言っても過言ではありません。

とくにチェーン店の場合は、ある程度方向性が決められており、ノルマや売り上げ目標があることも多いため、どのように売り上げを上げていくのかを考えることは重要な仕事です。

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飲食店社員になるには

現場で経験を積んで店長やマネージャーになる

アルバイトから正社員になる人も多い

飲食店業界の社員として働くには、採用試験を受け正社員として勤務することが一般的な方法です。

飲食店業界は、学歴や資格が求められない世界です。

まず求められるのは現場経験であり、店舗での接客や調理といったノウハウをどれだけ積めるかがその後のキャリアに影響します。

「何はなくとも現場」という、非常に公平でシンプルな世界が飲食店という業界なのです。

そのため、アルバイトから正社員に登用される人が非常に多いのが特徴です。

学生時代にアルバイト店員として勤務していた人が、その仕事ぶりを認められ、正社員にスカウトされそのまま就職するというケースも珍しくありません。

飲食店の社員を目指す人は、まずアルバイトから初めて実績を積むというのも一つの方法でしょう。

独立を目指す人も多い

飲食店社員の多くは、将来的に自身の店を持つことを目標としています。

現在勤めている会社で上手く出世コースに乗れた場合、本社勤務を目指していくことになりますが、それはほんの一握りの人に限られたキャリアプランであるというのが正直なところです。

多くは独立のための資金を貯めながら、経営のノウハウを学ぶという姿勢で働いているのが現状です。

食店の求人を見てみると、独立を応援するといったような文言も目立ちます。

会社側も社員が将来的に独立をしていくことを認めており、会社の中には暖簾分けという形で独立を促すところもあります。

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飲食店社員の学校・学費

学歴が問われることはほとんどない

飲食店で働く際に、特別な学歴や資格は不要です。

高卒など若いうちに就職すれば早くにベテランとなり、他職種の同年代に比べて責任ある仕事を任せてもらえるでしょう。

ただし、企業によっては店長などの管理職は大卒の学歴がある人に限定しています。

将来店長などを目指す場合は、大学卒の学歴はあるに越したことはありません。

大卒で就職した場合、それほど時間をかけずに店長となることができ、より上の役職へのステップアップも目指せます。

飲食業界は、試験の際に学部や研究内容はそれほど問われることはないため、文系でも理系でも就職しやすい業界です。

飲食店社員の資格・試験の難易度

調理師免許や食品衛生責任者があると有利に

調理の専門学校等を卒業し、調理師免許を持っている場合、その資格を生かして即戦力として現場で活躍することが可能です。

もちろん、責任ある立場につくのも早いといえるでしょう。

こうした資格を取得していると、新規オープンの店舗や、売り上げに伸び悩む店舗など、力のあるスタッフが必要とされる店舗に配置されることも少なくありません。

また、飲食店には必ず「食品衛生責任者」の資格を有する人を置かなければなりません

飲食店の社員で出世を考えるならば、遅かれ早かれ取得することになる資格であり、転職や独立の際にも必須の資格であるため、飲食業界で働くのであれば、一番に取得を目指したい資格です。

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飲食店社員の給料・年収

一般的なサラリーマンと同程度

大手チェーンと中小では給料に差があることも

飲食店社員は、大手チェーン店の場合、平均月収は22〜30万円の間で、役職ごとの差を設けて給与額を定めています。

店長クラスで平均給与は25万円前後で、年収に換算すると300〜350万円ほどになります。

また、昇給は役職が上がらない限り、大きくは望めません。

なお、アルバイトとして働く場合は、地域によって時給が異なることは珍しくありませんが、社員の場合は給料の地域差はほとんどありません。

一方で、中小規模の飲食店のケースだと、大手のように段階的な役職の振り分けが定められていないことが多いです。

したがって給料も利益率で決まっていくことになり、月の売上から諸費用を引き、残った額が給料となるパターンが多いといえます。

給料アップのために独立する人も多い

飲食店社員は一人当たりの責任や役割が大きく、長時間労働や残業なども多いため、それに見合った給料ではないと考える人も多くいます。

飲食店に勤めた場合、同規模の会社間であれば、給料に大きな差はなく、よほどの大企業でなければ、転職したとしても給料はさほど変わりません。

昇給をのぞむのであれば、役職が上がるように実力をつけ努力することが大切です。

ただし、昇級しキャリアを築いていけるのは、ごく一部の優秀な人のみであるため、独立して自分の店舗を構えるという人が多くなっています。

自分の店舗を持てば、上げた利益がすべて自分の手元にのこる一方、経営や営業についても考えなくてはならないため、仕事の負担はより増えることを覚悟しておきましょう。

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飲食店社員の現状と将来性・今後の見通し

競争が激しく入れ替わりも多い業界

飲食店社員の仕事には、長時間の業務をこなすことのできる体力と精神的なタフネスが必要とされます。

また何より、お客さまに喜んでいただきたいというおもてなしの心が不可欠です。

プレイヤーの多い業界であるため、どうしても競争が厳しく、新陳代謝の激しい業界であることは間違いないでしょう。

そのような環境の中で社員として、また店長や本部スタッフとしてキャリアを築いていくには相応の努力と覚悟が求められます。

逆にいえば、続けていくことができればノウハウと経験を得ることができ、会社やオーナー、またお客さまからの信頼も獲得できるため、活躍の可能性が広がっていくともいえます。

賑やかな業界であるものの、地道に目の前の業務をこなしていくことが成功の秘訣といえるでしょう。

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飲食店社員の就職先・活躍の場

就職先は多く形態も多種多様

飲食店社員が活躍するのは、基本的に飲食店の現場になります。

しかし飲食店といってもその形態は多様です。

チェーン店や個人店といった店の規模の違い、ターゲットとする層や営業時間の違い、あるいは和食・中華・イタリアンやフレンチなどメニューによって多数のバリエーションがあります。

自分がどのような企業・店舗で働きたいのかをしっかりと考えておきましょう。

また、現場を離れて本社社員として働くケースもあります。

本社で働く社員は、会社としての戦略を練ったり、商品やオペレーションを開発したり、各種企画を立案したりと経営の根幹を成す仕事です

このように多岐にわたる職場が存在するのが、飲食店業界の特徴といえます。

飲食店社員の1日

営業時間に合わせて働き、長時間労働になることも多い

飲食店社員の働き方は営業時間やピークタイム、役職によって変わってきます。

正社員はアルバイトやパートなどをまとめ、店舗の統括をする役割であることから、どうしても長時間労働となりがちです。

<大手チェーン店で働く店長職の1日>

10:00 出勤
10:40 アルバイトと朝礼・ミーティング
11:00 開店
12:00 ランチタイム・接客フォロー
14:00 夕方の準備
15:00 交代で休憩・食事
15:30 一時閉店・午後の準備
16:45 夕礼・ミーティング
17:00 開店
19:00 ディナータイム・接客フォロー
21:30 ラッシュ終了・片付けや翌日の準備
23:00 閉店・レジ閉めや日報作成など
24:00 退勤

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飲食店社員のやりがい、楽しさ

お客さまからの感謝の言葉が支えに

飲食店業界は、お客さまあっての仕事です。

とくに「ごちそうさま」「おいしかった」等の感謝の言葉は全ての飲食店社員の心の支えになっています。

もちろんクレームのようなネガティブな反応を受けることもゼロではありませんが、お客さまの嬉しそうな笑顔をみれば、そうした苦労も吹き飛んでしまうでしょう。

また、飲食店の社員は、アルバイトを始めとする従業員を教育していく立場にあり、人を育てる喜びをやりがいにしている人も少なくありません。

人材が育っていくことで、店舗を軌道に乗せ成長させることは、社員の自信や誇りとなり、仕事をやる上でのモチベーションにつながります。

さらに、リーダーシップを発揮して従業員を統率し、店舗を動かす立場にあることも飲食店社員の大きな魅力です。

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飲食店社員のつらいこと、大変なこと

長時間労働になりがちで、心身共にハードな仕事

飲食店業界では、お客さまに楽しんでいただくために常に明るく笑顔でいることが求められます。

たとえば個人的な事情で何か嫌なことがあって気分が塞いでいても、店に出たら笑顔で接客をしなければなりません。

どんな理由があっても笑顔でお客さまに接しなければならないことは、決して楽なものではないでしょう。

また、飲食店ではシフト制の勤務が一般的で、パートやアルバイトであれば定時に出退勤することができますが社員はそうではありません。

多くの場合、朝から晩まで店に立つことになり、長時間労働となってしまいがちな、体力的にハードな仕事であるといえます。

24時間営業の店舗の場合、早朝から入ることもあれば深夜に入ることもあるなど、どうしても生活リズムが乱れがちになります。

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飲食店社員に向いている人・適性

接客が好きでビジネスセンスのある人

飲食店の主な仕事は何といっても接客であり、お客さまをもてなすことにやりがいを感じられる人に向いている仕事といえます。

笑顔や愛想といった分かりやすい要素はもちろん、お客さまごとの状況に即した気配りやサービスのような高度なコミュニケーション能力が求められるため、対人スキルの高い人も適性があるでしょう。

また、飲食店社員の場合にはアルバイトスタッフをまとめる役割でもありますので、スタッフを励ましたり教育したりといったリーダーシップも重要になります。

一方で、過酷な競争に直面する飲食業界では、ただ明るいだけで活躍することは簡単ではありません。

お客さまの回転率向上やコストカット、売上の拡大など、ビジネス的なセンスも今後はますます必要となるでしょう。

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飲食店社員志望動機・目指すきっかけ

お客として実際に利用したことがきっかけになりやすい

飲食店を目指すきっかけで多いものは「お店を利用したことがある」「アルバイトをしたことがある」など、自分の生活に身近なものであったというものです。

採用担当者にとっては「自社を知ってもらえている」という安心材料になります。

また、さまざまなお店を見ていくうちに飲食店社員として働くことを志すといったケースもあるでしょう。

もし志望している飲食店を利用したことがない場合は、面接前に足を運んでおくようにしましょう。

その際、客としてその飲食店にどのような魅力を感じたのか、またより店を発展させるにはどうしたらよいか、そのために自分はどのような貢献ができるのかといったことを考えておくことが大切です。

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飲食店社員の雇用形態・働き方

アルバイトやパートが多く正社員は少ない

飲食店は、正社員・派遣社員・パート・アルバイトとさまざまな雇用形態が存在する業界です。

人材不足から未経験者にも比較的門戸を開いていますが、その場合にはいきなり正社員というケースよりも、まずアルバイトとして現場に加わることが多いようです。

現場で接客や調理をはじめあらゆる業務を経験したうえで、正社員として雇用され、現場リーダーや副店長を経て、晴れて店長のポジションを任されるというのが一般的です。

そのため、実際の現場で働いている正社員は非常に少なく、店舗にいる正社員は店長一人のみというところも多いです。

なお、新卒で正社員として採用された場合は、現場を数年経験すると店長やマネージャー職などに起用されます。

飲食店社員の勤務時間・休日・生活

ハードな環境だが改善の傾向もある

飲食店業界では、店長やリーダーといった社員の勤務条件は総じてハードなことが多いといえます。

アルバイトが足りない場合などは、朝から晩まで、しかも休日返上で連続勤務となるケースも珍しくありません。

現場はアルバイトに任せて、マネジメントやバックオフィスの仕事に集中できればベストですが、慢性的な人不足に悩む飲食業界では、それはなかなか難しいものです。

結果的に長時間労働・休みなしという状況に陥りがちのため、飲食業界は激務だとのイメージがついてしまっているのが現状です。

しかし近年、いわゆるブラック企業の環境改善に向けた取り組みが政府主導でなされるなど改善の兆しも見せており、これから飲食店で働く人にとって、労働環境は少しずつよくなっていくといえるでしょう。

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飲食店社員の求人・就職状況・需要

人材不足から求人は常に多く出されている

飲食店は世の中に溢れており、今後も急激に需要が落ち込むことは考えにくいでしょう。

飲食業界は若手でも比較的活躍しやすいことや、未経験からの転職もしやすいことから、労働条件がよくなかったり、環境が悪かったりすれば簡単にやめてしまう人が多いのです。

人が定着しないため、従業員一人あたりの仕事量が増え、慢性的な人手不足状態となっているところも多く、常に新しい人材が求められ、働き口には困らない環境であるともいえます。

一方で、長時間労働や立ち仕事、クレーム対応などストレスも少なくない労働環境であり、長く働き続けることが決して簡単でない業界でもあります。

仕事を見つけること以上に、いかに持続性のある働き方をするか、さらにその中でどのようにキャリアアップを果たしていくかが重要であるといえます。

飲食店社員の転職状況・未経験採用

日本だけでなく世界で活躍することもできる

飲食店は日本中に無数に存在するだけでなく、外食産業は世界中に根付いています。

そのため、場所を選ばなければ勤め先は世界全体に広がるともいえます。

特別な資格や技能も求められないため、身ひとつで現場に飛び込み、叩き上げでキャリアを積み、ゆくゆくは独立開業して自分の店を持つといったサクセスストーリーも現実のものとして狙える世界です。

一方、体力・気力ともにハードなことから離職率が高く、長く続けていくことが他業界に比べて簡単ではない現実もあります。

現場での接客や調理、マネジメント経験があれば転職には困ることはないでしょう。

ただし長期間にわたって業界で活躍するには、スキルやノウハウの習得はもちろん、しっかりした健康管理も重要です。

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