大学職員のつらいこと・大変なこと・苦労
大学職員のつらいこと・大変なこと
学生や教員への対応に苦心
大学職員の仕事には、学生の相談に乗ったり、学生や教員の要望を聞いたりすることも含まれます。
窓口を訪れる学生や教員にはさまざまな考え方の人がいて、大学職員は、ときに大学に関するクレームを受けたり、部活動の予算や学祭のことに関して無茶な要望を聞かなくてはならなかったりすることもあります。
また、研究者(大学教員)も、研究の設備の購入のことや研究室のスペース拡大についてのことや、予算のことなど、さまざまな要望をしてくる場合があります。
こういった学生や研究者からのあれこれに対して、面倒でも真正面から向き合わなければいけないのが「裏方」である大学職員の役目です。
ときには理不尽な思いをすることや、大学、事務方との板挟みになることもありますが、根気強く向き合い続けることで双方が納得する解決の道を探ることが大切です。
学生の獲得にむけての施策が大変
近年では、少子化や私立大学の乱立の影響を受けて、多くの大学が学生を集めるのに必死になっています。
その「学生集め」に最前線で携わっていくのも、大学職員です。
志願者数の減少は大学の存続に関わります。
こうした競争の激化を受けて、入試担当の大学職員は、受験生を獲得するために苦労をして知恵を絞っているのが現状です。
全国に赴いて説明会を開くのはもちろん、地方からオープンキャンパスに来てくれる高校生のために宿泊費を負担したりバスを出したりするサービスを行うことも珍しくありません。
大学の多くは、自校の特色を出したり実績をアピールしたりしながら、受験生に選ばれる大学になるよう模索しています。
現代はもはや、待っているだけで学生が来る時代ではありません。
学生獲得のために必死に努力して成果を上げなくてはならないというプレッシャーや、ストレスを感じることもあるでしょう。
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大学職員の悩み
職場環境や人間関係
大学という職場は、上下の序列が重視される縦社会の要素が強く残っています。
上司や役職のついた職員に対してなかなか意見を言いづらく、学長や理事などのトップの一声で振り回されることもしばしばです。
また、研究活動に没頭してきた教授はコミュニケーションが得意でない人も多く、なかには大学職員を見下してムリな要求をしてくる人もいます。
このような閉鎖的な職場環境や人間関係にストレスを感じる大学職員もいます。
待遇面のギャップ
大学職員は採用方法や雇用形態によって給与体系が異なり、時間給契約や非常勤、アルバイト採用などの場合は、給与が低めである場合も少なくありません。
また、雇用形態が異なる職員が、同じ職場で一緒に勤務することもあります。
そのため、まったく同じ仕事をしているのに隣のデスクの人と給与に大きな差があるといったことが起こり得ます。
それらがこのままここでずっと働いていていいのだろうか、などといったモチベーションの悩みに繋がることもあります。
大学職員を辞める理由で多いものは?
大学職員は一般的に安定している職種で、離職率は低めといわれています。
しかしながら、なかにはさまざまな理由で辞めてしまう人もいるのが実情です。
ここでは、大学職員を辞める理由としてよく聞かれるものを紹介します。
毎日同じ仕事の繰り返し
民間企業とは違い、大学職員には一般的に競争やノルマがなく、非効率と思われる仕事もまだまだあるといわれています。
パソコンに向かってデータ入力をしたり、書類を作成したりといった単調な事務作業を毎日淡々と繰り返すこともあります。
ルーティンワークに仕事のやりがいや自分の成長を感じられず、辞めることを考える人もいます。
専門性が身につきにくい
大学には学生課、広報課、財務課などさまざまな部署があり、大学職員は数年ごとに他の部署に異動することが一般的です。
これは、幅広い実務経験を積み、事務全般に精通できる能力を養うために行われます。
しかし、一つの部署でスキルが完全に身につく前に、まったく業務内容の違う部署に異動になることもあり、専門性が身につきにくいともいえます。
専門的なスキルを身につけ、キャリアアップを図るために転職を検討する人もいます。
将来への不安
昨今の日本では、少子高齢化が叫ばれています。
大学に入学する年齢である18歳の人口も年々減少しており、2031年には100万人を切るという予測もあります。
この影響で、学生数が確保できず閉校に追い込まれる私立大学が全国的に後を絶たない状況です。
とくに地方の私立大学では、首都圏の大学に学生を取られてしまうため、定員割れを起こしているケースも多く見受けられます。
そのため将来に不安を覚え、他業界に転職をする大学職員もいます。