【2023年版】臨床工学技士国家試験の難易度・合格率

臨床工学技士の資格とは

臨床工学技士として業務をするためには、必ず「臨床工学技士」の国家資格を取得していなければなりません。

国家資格には「業務独占資格」と「名称独占資格」があり、臨床工学技士は名称独占資格に当たります。

名称独占資格とは、その名称を名乗って業務をする場合には国家資格が必要となるもののことです。

臨床工学技士のおこなう医療機器の操作や管理、透析患者さんへの穿刺などは、医師看護師もおこなうことがあります。

臨床工学技士は医療機器のエキスパートではありますが、上記のように臨床工学技士でなければ業務をおこなえないわけではないため、名称独占資格となります。

また、臨床工学技士の国家資格は一度取得すると有効期限はなく、一生臨床工学技士として働けます。

ただし、結婚などで姓が変わった場合は更新の手続きが必要となりますので注意しましょう。

臨床工学技士になるには? 資格は必要?

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臨床工学技士の受験資格

臨床工学技士の国家試験を受けるためには、高校卒業後、臨床工学技士の養成課程がある専門学校か短期大学(3年)もしくは大学(4年)を修了することが必要です。

臨床検査技師」「診療放射線技師」「看護師」のどれかの資格を所持している場合は、1年間の専門課程を修了することにより受験資格を得ることができます。

そのため、臨床工学技士は他の医療資格とのダブルライセンスを所持している人が比較的多い職業といえるでしょう。

臨床工学技士の難易度・勉強時間

臨床工学技士の国家試験は、毎年新卒者・既卒者合わせて約8割前後の合格率となっており、そこまで難易度の高い国家試験ではないといえます。

学校の養成課程における授業をしっかりと理解しておけば、おおむね資格取得が望めます。

しかし新卒者の合格率が毎年9割に迫る勢いであるのに対し、既卒者では合格率がぐんと下がり、2割前後となってしまいます。

合格率の低下が、学校を卒業して授業時間分の学習をしなくなったことに起因すると考えると、平日は4時間~5時間半の勉強時間が必要でしょう。

専門学校の場合、45分の授業を4~5コマおこない、さらに自習やレポート作成の時間を1~2時間と考えると、だいたいその程度の勉強時間となります。

時間にすると多いように思われるかもしれませんが、高校時代の授業に比べると狭く深い科目が多く、お互いに関連し合っている授業も多いので、まじめに授業を受けていれば大丈夫です。

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臨床工学技士の合格率

臨床工学技士国家試験を受験するためには、まず特定の学校で勉強をして受験資格を得る必要があります。

臨床工学技士養成課程がある4年制の大学、3年制の短大または専門学校で所定の課程を修了することによって、受験資格を得ることができます。

このほか、「臨床検査技師」「診療放射線技師」「看護師」の養成校を卒業している場合には、1年間専門科に通うことで受験資格を取得することが可能です。

このように、臨床工学技士は誰でも思い立ったらすぐに受験できるという試験ではありませんが、受験者全体で見た合格率はさほど低くありません。

たとえば、第36回試験(令和5年実施)の場合、受験者数2,706名に対して、合格者数が2,311名、合格率は85.4%となっています。

他の年度の結果を見ても、だいたい合格率は80%前後を推移しており、学校できちんと勉強し、国家試験対策をしていれば合格はさほど難しくない難易度です。

大学などによっては、国家試験の合格率100%をはじき出しているところもあります。

検定試験の種類

臨床工学技士国家資格のほか、臨床工学技士に関連する検定試験として以下のものがあります。

  • 第1種ME技術実力検定試験
  • 第2種ME技術実力検定試験

「ME」とはメディカルエンジニアリングの略で、医療機器を扱う技術に関する資格となっています。

第2種は受験資格がありませんが、第1種は第2種の合格者もしくは臨床工学技士免許取得者のみ受験できる、難易度の高いものとなっています。

また、臨床工学技士の認定制度としては以下のものがあります。

  • 臨床ME専門認定士:保守点検業務、安全管理業務
  • 透析技術認定士:血液浄化業務
  • 体外循環技術認定士:人工心肺業務
  • 3学会合同呼吸療法認定士:呼吸療法業務
  • 臨床高気圧治療技師:高気圧治療業務

このように、臨床工学技士にはいくつかの試験や認定制度がありますが、あくまでも国家資格は国家試験にパスして得られるもの一つだけであり、この国家資格を持っていなければ、臨床工学技士と名乗って仕事をすることはできません。

臨床工学技士国家試験の受験者数・合格率

臨床検査技師国家試験受験者数の推移

臨床工学技士国家試験の受験者数は近年2,800人前後を推移し、令和4年度は2,706人となっています。

臨床工学技士国家試験受験者数_令4

臨床検査技師国家試験合格率の推移

臨床工学技士国家試験の合格率は、70%〜85%の間を推移しています。令和4年度の合格率は85.4%となっています。

臨床工学技士国家試験合格率_令4

令和4年度 臨床工学技士国家試験の概要

試験日 令和5年3月5日(日曜日)
試験地 北海道、東京都、大阪府及び福岡県
受験資格 文部科学大臣が指定した学校又は都道府県知事が指定した臨床工学技士養成所において、3年以上、臨床工学技士として必要な知識及び技能を修得したもの(令和5年3月13日(月曜日)までに修業し、又は卒業する見込みの者を含む。)など
受験手続き 受験に関する書類は、令和4年12月1日(木曜日)から同年12月20日(火曜日)までに公益財団法人医療機器センターに提出すること。
試験科目 医学概論(公衆衛生学、人の構造及び機能、病理学概論及び関係法規を含む。)、臨床医学総論(臨床生理学、臨床生化学、臨床免疫学及び臨床薬理学を含む。)、医用電気電子工学(情報処理工学を含む。)、医用機械工学、生体物性材料工学、生体機能代行装置学、医用治療機器学、生体計測装置学及び医用機器安全管理学
合格率 85.4%(令和4年度)
合格発表 令和5年3月24日(金曜日)午後2時に、厚生労働省ホームページの資格・試験情報のページ及び公益財団法人医療機器センターホームページに、受験地及び受験番号を掲載して発表
受験料 30,800円
詳細情報 厚生労働省 臨床工学技士国家試験