電子工学とは? 大学で学ぶことや就職先は?
電子工学の概要・理念
電子工学は、電子の運動による現象を研究し、その応用について探求する学問です。
よく知られている研究成果としては半導体や磁性体が挙げられますが、こうした科学技術の基礎研究から応用研究までの幅広い研究領域が扱われています。
電子工学の研究成果は、古くはラジオやテレビ、オーディオ装置などに活用され、近年においてもコンピュータや通信機に使われています。
ハイテク産業への応用研究にも貢献する学問であり、光デバイスやロボット開発についても深い関わりを持っています。
さらには、マイクロ波技術によるレーザーの開発など、量子エレクトロニクスに関する研究も担っています。
このように、電子工学は現代社会において欠かせない存在となっているエレクトロニクスについて研究する学問です。
今後の社会において大きく発展していくと見込まれているIoTやブロックチェーンといった分野に関する研究においても、注目を集めている研究領域といえます。
電子工学で学ぶこと
電子工学では、基礎知識として微分積分や線形代数といった数学の力が求められます。
物理学の知識も必要になることから、まずは数学・物理学を学ぶことになります。
また、電子工学の基礎として電気・電圧とは何か、あるいは電子の特性といった知識から習得していきます。
年次が進むにつれて、半導体やロボット制御、通信、信号処理といった専門的な研究にも取り組みます。
近年注目を集めている機械学習やAR、VRといった最先端の技術を活用する研究に取り組んでいる研究室もあります。
とくに大学4年次以降は研究室で制作・開発に取り組み、実際にプログラムを書いたり電子機器を作ったりしながら実験や検証を繰り返し、卒業研究へとつなげます。
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電子工学の大学での授業科目の例
電子回路
ダイオードやトランジスタなどで構成される、小さな電力で動く回路(弱電)の構造や仕組みを学びます。
ディジタル回路
ディジタル回路を扱う上で必要な、ブール代数、ロジックゲートなどの知識を習得します。
計算機工学
コンピュータ工学とも呼ばれ、コンピュータの実現に必要な工学分野を総合的に学びます。
プログラミング
プログラムを書いて電子機器を制御する際に必要となる、プログラミングの基礎を習得します。
量子エレクトロニクス
電子と光子の振る舞いにおける量子力学の効果について研究し、電磁波を発振・増幅するメーザーやレーザー技術に応用します。
電子工学のレポート・テーマの例
電子工学においては、理論に留まらず実際に電子機器を制作し検証も含めてレポートにまとめるケースが少なくありません。
どのような電子機器を制作するのかについては、具体的なテーマが与えられる場合もあれば、自身で考案する場合もあります。
- ・ラズベリーパイを用いた音声入力翻訳機器
- ・高演色LED光源の設計にについて
- ・ブロックチェーンを用いたクラウド内のアクセスコントロール管理
- ・IoTデバイスのためのLIBとLICの併用
- ・加速度センサを用いた連続行動認識
電子工学と関連する学問
電子工学は、電気工学、通信工学、情報工学とそれぞれ深い関わりを持っています。
電気工学では強い電流を扱う、いわゆる強電について研究し、電子工学では弱電を扱うという区別がありますが、実際には電子電気工学としてまとめられている場合もあり、境界が明確でないことも少なくありません。
また、通信工学では通信技術を、情報工学ではコンピュータシステムを研究する学問領域ですが、いずれも電子工学が基礎として位置づけられます。
電子工学を学んで就職に有利な業界・仕事
電子工学で身につけた知識・技能は、ほぼあらゆる産業・業界において活用できる可能性があります。
あらゆるメーカーにおける生産・製造・設計・開発に関する知識の基礎を持っているため、メーカーからの期待は非常に高いケースが少なくありません。
また、基幹部品や半導体、電子部品といった分野に関わって働く道も考えられます。
職種としては、電子回路技術者、電機設備設計、電気工事施工管理、サービスエンジニア、プラントエンジニア、ITエンジニアといった仕事が想定されます。
あるいは、地方公務員においても技術職を募集しているケースがありますので、公務員を目指す方法もあります。
近年では、機械学習の専門知識を持つ学生を大手企業やグローバル企業が破格の初任給で採用する事例も出てくるなど、高い技術力や専門知識を持つ人材を確保しようという企業の動きが活発化しています。
こうした面からも、電子工学を学んだ経験が就職やその後のキャリアにおいて役立つ可能性は十分にあるといえるでしょう。
電子工学の知識は人生でどう役立つ?
現代においては、機械学習やブロックチェーンといった最先端の技術を実用化する段階に入りつつあります。
また、IoTに代表されるように、これまでデジタルとは無縁だったあらゆるものが電子機器と深い関わりを持つようになっていきます。
それらがどのような仕組みで制御されているのか、基礎的な知識を持つことは暮らしに直接的に関わる一種の教養のようになっていくことでしょう。
テクノロジーの進歩とともに、私たちの暮らしがこれからますます電子工学に関わりのある機器に囲まれるようになるのはほぼ確実と予想されます。
電子工学で学んだ知識は、新しい時代の技術やその活用方法について考える上で欠かせない教養となっていくことでしょう。
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