「公認会計士」の仕事とは

公認会計士の仕事内容

企業の決算書類を監査する会計の専門家

公認会計士は、会計処理に関する専門家として、おもに一定規模以上の大企業・組織が作成する決算書類を法律に基づいて監査し、間違いがないかどうか証明する仕事です。

企業の収入や支出を記録した財務書類を調べ上げて、その内容に誤りがないかどうかを徹底的にチェックします。

このように独立した第三者の立場から企業の経営状態をチェックすることで、企業が決算書にウソの数字を書く「粉飾決算」を防ぎます。

公認会計士は、この「監査証明業務」以外に、税理士と同じような「税務関連業務」を行う人や、企業の経営や会計に関する「コンサルティング」を行う人もいます。

会計の専門知識を生かし、日本の経済活動を陰で支える重要な役割を担っています。

公認会計士の就職先・活躍の場

監査法人や一般企業などで活躍する

公認会計士の代表的な活躍の場が、監査法人です。

監査法人とは、大企業が法律にのっとった経営をしているかどうかをチェックするための「監査」を専門に行う特殊法人のことをいいます。

そのほか、一般企業で経営戦略やコストの削減や合併(M&A)について提案をする「コンサルティング」業務に携わったり、経理部や財務部で、予算の編成や調整などを担当する人もいます。

さらに、個人の会計事務所に就職し、財務書類の作成、税務やコンサルティングに関する業務を行うことで取引先企業のサポートにあたる人もいます。

公認会計士1日

取引先で1日中監査業務を行う日も

公認会計士の代表的な就職先である監査法人では、おもに平日の朝から夕方頃にかけて働き、企業の経営状況をチェックする監査業務にあたります。

監査を行う担当取引先で1日を過ごすこともあるのが特徴です。

9:00 勤務開始
取引先企業のオフィスへ直行します。

10:00 ミーティング
取引先の経理担当者と監査の進め方についてミーティングを行います。

11:00 監査業務
財務書類を集め、内容を確認していきます。

12:00 休憩
近くの飲食店で昼食をとります。

13:00 書類作成
監査の内容に関する書類をまとめていきます。

15:00 オフィスへ戻る
この日は早めに取引先を後にし、自分が所属する監査法人のオフィスへ戻って仕事を整理します。

17:00 翌日の準備
翌日必要な書類などをまとめます。

18:00 退勤
繁忙期以外は定時で上がれることも

公認会計士になるには

難関の公認会計士試験合格を目指す

公認会計士になるには、公認会計士試験に合格し、国家資格を取得する必要があります。

この試験の受験資格には年齢や学歴などの制限がないため、誰でも受験することができますが、司法試験に次いで難しいとされています。

公認会計士試験の一次試験、二次試験に合格すると、一定期間現場での業務補助や実務に携わり、修了考査を受けて合格することで公認会計士として登録できます。

公認会計士の資格取得後は、多くの人が監査法人に就職します。

公認会計士の学校・学費

公認会計士試験対策のための学校に通う人が多い

公認会計士試験には学歴の定めがないため、特別な大学などで学んでいなくても、公認会計士を目指すことが可能です。

しかし、この試験は難易度が高いため、実際には大学の経済学部や商学部などで会計を学んでいる人が受験する例が多いようです。

「会計職専門大学院(会計大学院)」という、会計のプロフェッショナルを養成するための大学院に進む人もいます。

一方、公認会計士試験に合格するために、外部の予備校や専門学校、講座を利用する人もいます。

どのように学ぶかによって、費用は数十万円程度から数百万円程度まで幅が出てきます。

公認会計士の資格・試験の難易度

最難関といわれるが、難易度は年によって変動も

公認会計士は、公認会計士の国家資格を持っている人だけが就くことができる職業です。

公認会計士資格を得るための試験は、数ある国家試験の中でも最難関の部類に入る試験です。

受験者の多くが民間の専門学校や大学などで簿記や会計について勉強してから試験に挑みますが、それでも受験者の9割ほどが不合格となっています。

ただし、ここ最近では合格者を減らす動きが強まったり、試験の難易度に変化が出たりしているため、現在と同じ状況がずっと続くとも限りません。

公認会計士の給料・年収

実力次第で大きな収入が手に入る

公認会計士は、その仕事の専門性の高さから、他職種の正社員よりも収入が高いことで知られています。

公認会計士の平均年収は800万円以上ともいわれており、大手監査法人では初任給の時点で年収500万円以上を得られることがあるようです。

また、個人の専門性やスキルが出やすい実力勝負の世界であるため、自分次第でさらなる成功を目指すこともできます。

大手監査法人で昇進したり、独立して個人の会計事務所を開いたり、コンサルティング業界に進出したりして活躍することで、より高い収入を手にすることができるでしょう。

公認会計士のやりがい、楽しさ

企業の経営戦略や世の中の経済状況に触れられる

公認会計士の仕事では、企業の財務状況を正確に把握していこうとするため、さまざまな企業の舞台裏を自分の目で確かめることができ、日本の経済社会の現状をより深く知ることができます。

こうしたところに面白さや仕事の醍醐味を感じている公認会計士は多いようです。

また、公認会計士は難関の国家資格であるため、取得すれば社会的な評価も上がりますし、一般の会社員よりも大きな収入が期待できます。

頑張った分だけたくさんのお金が手に入ることも、この仕事の魅力といえるでしょう。

公認会計士のつらいこと、大変なこと

独立性を保ち、間違いは指摘し続ける覚悟が必要

公認会計士は、あくまでも第三者の立場から冷静に、企業の経営状態や決算書をチェックしなければいけません。

公認会計士は、そうした「独立性を保つこと」が何よりも重視される仕事ですが、客観的な視点で厳しく間違いの指摘を続けることは、想像以上のプレッシャーになります。

決算期のような忙しい時期には、朝から晩までこうした仕事が続くうえに休日もなかなかとれないことがあります。

指摘した企業側からはときに嫌な顔をされることもあるなか、強い使命感と責任感を持って、仕事に向き合い続けなくてはなりません。

公認会計士に向いている人・適性

数字を苦にせず、正義感や使命感が強い人

公認会計士の仕事では、膨大な財務書類を見ながら、その数字を細かくチェックしていきます。

そのため、数字を見ることを苦にしない人、また電卓をたたくのが好きだったり計算することが得意といったような人は、公認会計士の適性があるでしょう。

また、もし財務書類に誤りが発覚すれば、どんな場合でも指摘しなくてはなりません。

間違っていることを相手にズバっと言うのは少し気が引けるかもしれませんが、それでも毅然とした態度で仕事をやり遂げるために、強い意志や正義感、使命感を持てる人が公認会計士には向いているといえます。

公認会計士志望動機・目指すきっかけ

会計のスキルを身につけ、多様に活躍したい

公認会計士の志望動機にはさまざまなものがありますが、「もともと経済や会計に興味があった」「自分のスキルになる難しい資格を取得したい」「手に職をつけられる仕事がしたい」といった考えを持つ人が多いようです。

公認会計士は難易度の高い国家資格であり、活躍できるフィールドが広いことも特徴です。

監査はもちろん、株式上場のM&Aのコンサルティング、税務業務などさまざまな仕事ができ、専門性を身につけて多種多様に活躍したいという思いが、公認会計士を志すきっかけになっている人もいるようです。

公認会計士の雇用形態・働き方

正社員以外の求人も出されている

公認会計士は、監査法人や一般企業などに正社員として就職する人が多くいますが、非正規雇用で働くことも可能です。

とくに、決算期などの繁忙期には監査業務が増え、多くの監査法人で人手が足りなくなるため、公認会計士の資格保持者に対する派遣やアルバイト・パートの募集が多く出ます。

公認会計士資格保持者は、たとえ正社員でなかったとしても、他の職種よりも待遇がよく、高額な給料(時給)が望みやすいため、結婚・出産後の女性がパートで働き続けるケースもあるようです。

公認会計士の勤務時間・休日・生活

時期によって忙しさには波が出やすい仕事

公認会計士の勤務時間や休日は、就職先によって変わります。

監査法人では、平日の朝9時~18時頃までが勤務時間となる場合が多く、取引先企業での監査業務やミーティング、書類作成などの業務をメインで行います。

なお、監査法人は1年を通して仕事の忙しさに波があり、一般的には、企業の決算期が一番の山場になります。

日本の企業は3月決算の会社が多いため、3月~5月頃にかけて一気に忙しくなり、この時期は休みを使って仕事をしたり、夜遅くまで残業することもあるようです。

公認会計士の求人・就職状況・需要

就職は以前よりも厳しい状況だが、多様な就職先がある

公認会計士の就職状況は、ひと昔前に比べると厳しくなっているといわれます。

需要を供給が上回った状態になり、最近では、国家資格取得後も監査法人などへの就職が決まらない人もいるようです。

ただし、公認会計士は高度な会計の専門性が強みとなるため、一般企業の経理部やコンサルティング業界での活躍など、就職先の選択肢はいくつも考えられます。

また、実力や人脈を得れば独立開業することもできるため、最初から給料や待遇にこだわりせず、まずは地道に実務経験を積める場を探し、コツコツと努力していくことが重要になるでしょう。

公認会計士の転職状況・未経験採用

社会人から転職を目指す人も多い

公認会計士という仕事は、専門性があり、年齢を重ねてからでも活躍しやすいため、社会人経験を積みながら公認会計士への転職を目指す例も珍しくないようです。

とくに一般企業で会計や監査の仕事をしてきた人が、公認会計士へ転職という話はよく聞かれます。

公認会計士の国家資格は簡単に取得できるわけではありませんが、一度資格をとってしまえば大きな強みとなります。

なお、公認会計士の資格を取得すると、同時に税理士としての道も開けるため、多彩なキャリアパスも考えられます。

公認会計士の現状と将来性・今後の見通し

どのように活躍していきたいかをよく考える

公認会計士は、就職状況がやや厳しくなっていることにより、かつてのように資格さえとってしまえば必ず安定した収入が得られるという仕事ではなくなりつつあります。

しかし、最近ではベンチャー企業や外資系企業に就職してコンサルティングの仕事をする人も少しずつ増えてきており、監査法人以外でも、会計に関する深く、幅広い知識が求められる場はたくさんあります。

公認会計士が社会的信用度の高い資格であることは間違いありません。

自分の努力や目指す方向性によっては、さまざまなチャンスを手にできることは十分に可能だといえるでしょう。