公認会計士の需要・現状と将来性

公認会計士の現状

公認会計士というと、医者や弁護士に並ぶ3大難関国家資格といわれており、「資格さえとってしまえば安定した収入と就職先を得ることができる」というのが一般的なイメージでしょう。

実際に、公認会計士の試験に合格した人たちのほとんどが監査法人に就職できており、その後もコンサルティング業界に進出したり会計事務所を開業したりして活躍する人が大勢いました。

ただし、平成22年から23年にかけて金融庁が公認会計士試験の合格者を対象に調査したところによると、公認会計士の代表的な就職先である監査法人に内定している人の割合が、56%という低い数字だったことがわかっています。

この頃はリーマンショックの影響により監査法人が採用数を減らしたことと、試験制度の変更により合格者が増えていた影響で、需要を供給にミスマッチが起こったことが大きな要因でした。

しかし、現状では景気の回復によって監査法人の採用人数が増え、さらに試験の難易度を上げることで公認会計士の合格者を減らす対策も行われていることから、就職率は上昇傾向にあります。

公認会計士の需要

上場企業では、決算公開前に監査をすることが義務付けられているため、企業の監査ができる唯一の職業である公認会計士の仕事は独占状態です。

また、新規上場を目指すベンチャー企業では、会計基準を上場企業に合わせるために公認会計士と契約して監査対応を依頼するなど、上場企業以外にもニーズがあります。

他にも、公認会計士は会計に関するあらゆる知識を持っていることから、監査対応などで一般企業の経理部や財務部からも重宝される人材となるため、公認会計士を辞めてからも活躍の場は十分にあります。

公認会計士試験の合格率は約10%とひじょうに低いことと、監査行為は公認会計士しかできないという2点から、公認会計士の需要は高いといえるでしょう。

公認会計士の将来性

公認会計士試験の難易度が上がったことにより、1年あたりの合格者数は減っています。

また、景気の回復から監査法人の求人数が増えていることを背景に、需要と供給のミスマッチは回復しています。

また、監査業務の厳格化により、公認会計士の工数も増えることになるので、逆に人手不足の売り手市場になっていくともいわれています。

しかし、IT技術の発達とAIの登場により、AIの監査業務が本格的に実用化されれば、ルーティン業務の多い公認会計士の仕事は効率化され、工数が減るリスクは考慮しなくてはならないでしょう。

ただし、監査業務のすべてをAIに業務を任せることは現実的ではありませんし、企業としては公認会計士と直接相談しながら仕事を進めたほうが安心できるという声も多く聞かれ、極端に公認会計士の将来を脅かすものではないといえそうです。

公認会計士の今後の活躍の場

公認会計士は監査法人または個人事務所で監査業務を行うことが主流ですが、公認会計士としての経験を積み上げた後に一般企業で働くという人も増えています。

企業側としては、公認会計士の知識・スキルを持つ人に監査担当として専門的な業務を任せ、スムーズに監査業務を進められることはメリットが大きいといえます。

それ以外にも、会計の幅広い知識を持った人材を採用することは、自社の会計に対する不安が減ることにつながります。

なかには、新規上場を目指すベンチャー企業にCFOとして採用され、上場準備を経営者と共に行う人もいます。

このように、公認会計士は監査法人に所属するだけではなく、公認会計士として身に付けた知識を生かして一般企業で働く選択肢もあります。