「国税専門官」とは

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税金のスペシャリストとして、企業や個人に対し税金に関する指導・徴収・調査を行う。

国税専門官とは、国税庁や税務署に所属し、税金のスペシャリストとして、税金に関する調査や指導を行う仕事です。

国税専門官の職種は、個人や企業を訪問し、適正な税金の申告がされているか調査する「国税調査官」、税金の催促や財産差し押さえなどの滞納処分を行う「国税徴収官」、脱税を見つけ検察官に告発する「国税査察官」の3つに分かれています。

国税専門官になるためには、国税専門官採用試験に合格することが必要となります。

受験者は大卒以上が多数を占め、高卒の場合は税務署職員採用試験を受験するケースが一般的です。

近年応募者が増えており、採用倍率は10倍前後となっています。

勤務地は各都道府県にある税務署となりますが、全国で12地域に分かれている国税局の地域内で、3〜5年に1回転勤があります。

「国税専門官」の仕事紹介

国税専門官の仕事内容

税金のスペシャリストとして国を支える

国税専門官とは、税金に関する調査や指導を行う専門家のことです。

個人や企業を訪問し、適正な税金の申告がされているか調査する「国税調査官」、税金の催促や財産差し押さえなどの滞納処分を行う「国税徴収官」、脱税を見つけ検察官に告発する「国税査察官」の3つに分かれます。

主に国税庁や税務署に勤務しながら、税金・法律・会計に対する知識を身に付け、税金のスペシャリストとして国の財政基盤を支えています。

毎年のように税金に関する法律は変わるので、日々情報をアップデートしながら仕事をする必要があります。

また、国税専門官として働くと税理士試験の科目免除が受けられる恩恵があり、23年勤務すれば税理士として登録することができるのが特徴です。

国税専門官の就職先・活躍の場

採用された国税局の管轄内で働く

国税専門官は、全国に12ある国税局毎に採用がされ、基本的にはその管轄内の税務署で働くことになります。

例えば東京国税局で採用された場合は、管轄が東京、千葉、神奈川、山梨となりその中での異動はありますが、いきなり九州に配属になるということはほとんどありません。

また、アメリカ、イギリス、フランス、オーストラリアなどに各国の税務事情の情報収集のために赴任される可能性もあり、派遣人数は少ないですがグローバルな働き方もできます。

国税専門官の1日

確定申告時は残業が増える

各職種によって1日のスケジュールは異なりますが、納税がきちんと行われているか各企業に出向いて行う国税調査官の1日を紹介します。

8:30 出勤
書類の整理やメールチェックを行う

9:00 朝礼
部署内で情報共有を行う

9:30 上司とミーティング
その日に税務調査訪問予定の企業の納税に関わるチェック事項を上司と最終打ち合わせ

10:30 企業訪問・税務調査
担当者と面談後、資料のチェックを行う。

12:00 昼休憩
昼食に出かけます。

13:00 税務調査続き
資料で気になる部分は担当者を呼び出し確認。

15:00 税務調査終了
後日結果を伝える旨担当者に報告し調査終了。

16:00 報告書作成
税務調査における報告書を作成。

17:00 帰宅
急ぎの仕事がなければ定時で帰宅します。

国税専門官になるには

21歳以上30歳未満で採用試験を受ける

国税専門官になるには、年1回募集がある国家試験の「国税専門官採用試験」を受けて合格する必要があります。

試験受験にあたっては「21歳以上30歳未満」という年齢制限があり、大卒であることが必須条件で、会計学や商法の専門知識が必要となるため、大学の法学部や経済学部出身者が多いといわれています。

試験合格後は研修を受け、配属先の税務署で実務経験と再び研修を受けたのち、国税専門官として各都道府県の国税局や税務署で勤務します。

国税専門官の学校・学費

学部は関係ないが大卒が必須

国税専門官は大卒であることが必須条件となります。

高卒の場合は高校卒業後3年以内であれば、似た職種である税務職員として働くことができます。

仕事上、税金や法律について詳しくなる必要があり、筆記試験でも問われる内容のため、法学部や経済学部出身者が多い傾向にあります。

ただし、理系からの採用実績もあるので試験を突破できる知識さえあれば学歴や学部などは関係ないです。

また、国税局では大学生を対象にインターンシップを開催しているので、国税専門官の仕事内容を体験した上で採用試験の面談に臨むと有利に自己PRができるでしょう。

国税専門官の資格・試験の難易度

合格率は約2割

2017年における国税専門官の合格率は20.7%でした。

その年の応募人数や各国税局によってばらつきはありますが、大体約2割の合格率なので難易度が高い採用試験の内容といえます。

1次試験では、公務員の基礎的な能力を図る基礎能力試験、マークシートの専門試験、記述式の専門試験の3つが行われます。

専門試験の内容は多岐にわたり、必須教科は民法・商法、会計学(簿記を含む)で、選択教科は経済学、財政学、憲法・行政法、英語、情報工学などの中から自分で選んで試験を受けます。

2次試験では個別面談と身体検査があり、こちらを通過できれば合格です。

国税専門官の給料・年収

基本的に毎年昇給していく

国税専門官の初任給は平成28年度東京都特別区勤務の場合245,160円と一般企業のサラリーマンと比べると高い水準といえます。

国家公務員の給与が適応されるので、勤務年数や役職によって給料は異なりますが、基本的には毎年昇給していきます。

なお、平均給与額は手当を含めて43歳で44万円強と発表されています。

手当に関しては、期末・勤勉手当(ボーナス)のほか、扶養手当、地域手当、住居手当など他の公務員同様のものが適用され、休日・休暇等も含めた待遇面はかなり充実しています。

国税専門官のやりがい、楽しさ

国を支える仕事ができる

税金は国の貴重な収入源のため、正しい税金の徴収が必要になりますが、脱税や知識不足からの納税の漏れや延滞などなどさまざまな問題があります。

国税専門官の仕事はそのような事態から正しく税金を国民や企業にしてもらうようことがミッションとなり、国を支える仕事ができると実感できるのがやりがいです。

また、税金は毎年のように法律が変わることもあり、一般の人にとっては敬遠されがちですが、相談に乗った相手から「説明を受けてよく理解ができた」などという言葉をかけられると仕事が楽しいと思えます。

国税専門官のつらいこと、大変なこと

常に勉強をし続けること

国税専門官の仕事は法律や税制などの専門知識が必要になるため、採用後は税務大学校と呼ばれる施設で研修を受けることになりますし、その後も若手のうちは税務署での勤務を挟みながら研修が続きます。

また、税金に関する法律は毎年のように改正されるので、研修期間が終了しても常にアップデートしていく必要があります。

法律に関することなのでしっかり細部まで内容を理解する必要がありますし、ミスも許されないので責任感を持って学習し続けなければいけません。

国税専門官に向いている人・適性

公正な判断力がある人

国税専門官の仕事は、正しく納税が行われているかをチェックし、万が一正しく納税がされていない場合は国民や企業から正しい金額で徴収します。

そのため、税務調査では顧客が作成した資料や領収書などに目を光らせ、間違った方法の税金の計算がされていないか、脱税がされていないかを公正に判断しなくてはいけません。

国の財政を支える税金を正しく徴収するために働いているという強い責任感の元、日々働いたり、学習したりできる人に向いています。

国税専門官志望動機・目指すきっかけ

知識を生かして働きたい

国税調査官の仕事は法律や税務、会計学などの知識が必要になりますが、そのような分野の学習することが好きな人にとっては実務として生かすことができる仕事なので、目指すきっかけになります。

また、国家公務員である以上、景気に左右されてのリストラなどもなく、昇給は毎年あり、安定して働くことができるのも魅力です。

国を支えるという責任のある役割で自分の知識を生かしたいという思いと、安定した働き方をしたい人に向いている職業です。

国税専門官の雇用形態・働き方

国家公務員として働く

国税専門官は国家公務員として採用され、男女による差はなくキャリアを積み上げることができる職業です。

採用後は研修や配属、異動などすべて平等に行われますが、研修での試験結果や仕事内容が評価されれば女性でも出世しやすい環境といえます。

また、国家公務員なので有給や財形・貸付制度手当などが手厚いのも特徴で、女性の場合は産休・育休が取れますし、子育てをしながら働き続けることにも周りからの理解があり働きやすいです。

国税専門官の勤務時間・休日・生活

1日7時間45分勤務

国税調査官は国家公務員であるため一日の勤務時間は7時間45分と決められており、基本的には土日祝は休みとなります。

有給休暇も年に20日付与されるので、オンとオフを区別しやすい仕事といえるでしょう。

ただし、2月から3月の確定申告の時期は1年の中で最も忙しい時期なので残業は増えます。

また、通称マルサと呼ばれる国税査察官の場合は、朝一で対象先の企業にガサ入れに行くこともあり、定時に関係なく働くこともあります。

国税専門官の求人・就職状況・需要

毎年採用試験がある

国税調査官の採用試験は毎年行われており、一定数の募集があります。

地域によって募集人数は異なり、一般的には地方になるほど採用人数が少ないので倍率も高くなります。

国の貴重な財源となる税金の徴収ということがミッションになるため、景気に左右されにくく、今後も国税専門官の需要は減るということは考えにくいです。

海外の税務情報収集のために海外赴任をする国税調査官もいるので、英語が流暢に使える人は今後重宝されていくと予想できます。

国税専門官の転職状況・未経験採用

30歳未満なら資格がある

一般企業のような転職の形とは異なりますが、国税専門官の試験は30歳未満なら受けることができるので、一般企業で一旦働いた後でも採用試験にさえ合格できれば転職することができます。

ただし、合格率約2割と非常に難易度の高い採用試験のため、本気で受かりたいと思っているのなら試験対策の準備はしっかり行う必要があるでしょう。

一般企業に勤めながら試験対策が難しい場合は、専門学校などに入りしっかり試験内容の勉強をしてから採用試験に挑むのも手です。

国税専門官の現状と将来性・今後の見通し

景気に左右されない安定した職業

税金が国の収入源となる一方で、税金の滞納や脱税は長年の社会問題となっているため、適切な租税納付を監察する国税専門官は、国を支える大切な役割としていつの時代も必要とされる存在です。

特に、脱税は景気の良し悪しに関わらず発生する問題であるため、今後もこの仕事の需要が減るということは考えにくいでしょう。

高齢化社会を迎える日本では、相続税に関する脱税対策が急務となっており、国税専門官が果たすべき役割はさらに大きなものになっていくことが予想されます。