【2022年版】公認会計士資格試験の難易度・合格率

企業の会計や監査に関するスペシャリスト「公認会計士」は、高い知名度を誇る国家資格です。

医師」や「弁護士」と並ぶ「三大国家資格」に位置づけられ、難易度が高い資格試験としてもよく知られています。

この記事では、そんな公認会計士資格試験の難易度・合格率や、勉強方法、資格取得のメリットなどについて詳しく解説しています。

自分に合う方法で十分な試験対策をして、ぜひ最短での合格を目指してください。

この記事のポイント

・公認会計士試験合格のためには平均3000時間の学習が必要
・年齢や学歴不問で受験できるが、合格率は10%前後の難関試験
・独学での試験対策は難しく、スクール・予備校や通信講座を活用する人が多い

公認会計士資格とは

公認会計士とはどんな資格?

公認会計士の資格は、会計・監査のプロフェッショナルである「公認会計士」として働くために必要なもので、国の法律に基づいて与えられる国家資格です。

国家資格を持たずに公認会計士の仕事をすると法律違反になります。

公認会計士の資格は、「医師」「弁護士」と並ぶ「日本の三大国家資格」の一つとしてよく知られています。

20代を中心に、10代~60代以上まで幅広い年代の人がこの資格取得を目指しています。

公認会計士資格取得のメリットは?

公認会計士のような国家資格を取得すれば、専門性の高い知識や技術を身につけていることを証明でき、社会的な信用につながります。

また、公認会計士資格を有する人は「会計の高度な専門知識を有する人材」としてみなされ、公認会計士の主要な勤務先となる監査法人のほか、さまざまな一般企業でもニーズがあります。

大手監査法人で経験を積めば、年収1000万円以上の収入が望めます。

また、将来的には独立し、自分の事務所を立ち上げて会計コンサルティング業務などに従事する人もいます。

自分の腕で稼ぎたい人、独立志向の強い人にもメリットが大きいと感じられる資格といえるでしょう。

さらに、公認会計士試験は年齢・学歴など一切関係なく、誰でも受験することが可能なため、早ければ10代のうちに資格取得をして、将来に備えた準備ができることもメリットです。

公認会計士試験の出題内容・形式

公認会計士の国家資格をとるためには、3つのステップを踏まなければいけません。

1.筆記試験(短答式試験、論文式試験)

公認会計士になる第1段階は、毎年行われている公認会計士の筆記試験に合格することです。

試験の内容は「短答式」と呼ばれるマークシート形式のもの(1次試験)と、「論文式」と呼ばれる記述形式のもの(2次試験)があります。

「短答式」試験に合格できた人だけが、後日「論文式」の試験を受験することができます。

この筆記試験で問われるのは、会計に関するさまざまな分野の知識です。

必ず受験しなければいけないのは「会計学」「監査論」「企業法」「租税法」の4科目で、この他に「経営学」「経済学」「民放」「統計学」のなかから1科目を選択して受験します。

2.業務補佐経験

筆記試験に受かったら、第2段階として、2年以上の現場での業務補助経験が必要となります。

監査法人や会計を専門的に行っている企業に就職して、実際の仕事を通して公認会計士としての実践的な知識や技術を身につけます。

なお、補助業務経験を積むことは、国家試験の前後問われません。

3.修了考査

補助業務が終われば、実務補習所で必要な単位を取得して(原則として3年間)、いよいよ日本公認会計士協会が行う修了考査(筆記試験)を受けることになります。

この修了考査に合格したら、ようやく公認会計士の資格取得者として登録することができます。

3つのステップを完了させるまでに最低でも5年は必要だといわれています。

公認会計士試験の受験資格は?

公認会計士試験は、受験に際して年齢や学歴の制限がありません。

また、実務経験も問われないため、学生のうちから挑戦できる資格試験です。

公認会計士試験の最年少合格者は2021年時点で「16歳」となっており、他にも、これまでには20歳までに合格を勝ち取っている人が複数います。

合格率は毎年10%以下で決して簡単な試験とは言えないものの、十分に勉強をして知識を身につければ、どのような人でも合格できる可能性があります。

公認会計士試験の難易度は高い?

公認会計士試験の難易度・合格率_n

公認会計士試験の合格率は10%前後

公認会計士試験の合格率は、平成26年から令和3年までは10%前後を推移しています。

令和3年試験の合格率は9.6%でした。

さらに昔まで振り返ってみると、平成24年は7.5%、平成25年は8.9%となっており、それらに比較すると、近年はやや合格率が上がっているといえます。

なお、短答式試験の合格率は20~25%、論文式試験の合格率は35~40%程度を推移しています。

公認会計士試験の合格率が低い理由は?

公認会計士試験の合格率が低い理由は、まず筆記試験そのものが難しいことです。

具体的には、以下のような理由が挙げられます。

  • 試験範囲が幅広く(6科目)、各科目で専門的な内容を身につける必要がある
  • 一度に全科目受験し、合格しなくてはならない
  • 長期的なモチベーション維持が必要

とくに1次試験である「短答式試験」の出題傾向は「広く浅く」が特徴で、細かなところまでまんべんなく理解していないと、合格するのが難しいものとなっています。

さらに、公認会計士試験では、原則として短答式試験、論文式試験ともに、すべてを一度に受験しなくてはなりません。(※一度合格した科目の免除制度もありますが、免除になる期間は2年間のみです)

これは科目ごとの合格が恒久的に認められている税理士試験とは異なる点で、ここにも大変さがあるといえます。

また、公認会計士試験に向けては最低でも2年ほどかけて勉強を続ける人が多く、長期にわたって高いモチベーションを保ち続ける難しさもあります。

公認会計士試験の勉強時間・勉強方法

公認会計士の勉強方法

公認会計士試験の勉強方法の種類

公認会計士試験の主な勉強方法として、以下の3種類が挙げられます。

  • 資格スクール・予備校
  • 通信講座
  • 独学

資格スクール・予備校

公認会計士は人気の国家資格であり、多くのスクール・予備校が試験対策講座を開講しています。

有名なスクール・予備校として、「大原」「TAC」「LEC」「CPA」があります。

価格は30万円~80万円ほどと幅広く、選択するコースや内容によっても異なります。

各社のWebサイトやパンフレットなどで合格率や合格者数などが公開されているので、調べてみるとよいでしょう。

価格やテキスト、サポート体制、また通学できる範囲に校舎があるかどうかも含めて、各スクール・予備校の特色を比較して選ぶことが大事です。

通信講座

公認会計士試験に向けた学習は、通信講座で行うことも可能です。

上記で紹介したスクール・予備校でも、通学制の講座とは別に通信講座を用意しています。

そのほか、通信講座のみを開講している講座としては、長年の歴史がある「クレアール」が有名です。

通信講座は、通学制の講座のように時間や場所の制限なく、自分で自由に勉強できることがメリットです。

しかしながら、通学制のスクール・予備校と比べると、自主的に勉強を進める意思や計画性が求められてきます。

独学

独学で公認会計士の勉強をする人もいます。

市販されている公認会計士のテキストや問題集を活用しつつ、インターネットで情報を集めて学習していくとよいでしょう。

ただ、2次試験(論文式試験)のテキスト・問題集はほとんど出ていないため、独学での対策が難しくなっています。

最近はネットオークションなどで資格スクール・予備校のテキストが出品されていることもありますが、それらは内容が古く、法改正に対応していない場合があるため注意が必要です。

公認会計士試験の勉強時間は約3000時間・勉強期間は2年〜3年

公認会計士試験は、ほんのちょっとの勉強で太刀打ちできるものではありません。

合格までに必要とされる勉強時間は平均3000時間程度、最低でも2,000時間ほどはかかり、人によっては4000時間~5000時間ほど費やしています。

もし1年で合格したいのであれば、少なくとも1日に5~6時間ほどは勉強を続けなくてはならないことになります。

社会人などで1日に確保できる勉強時間がもっと少ない場合や、学んだ内容を理解するのに時間がかかる人だと、2~3年以上かけて合格を目指すことを考えていかなくてはならないでしょう。

公認会計士試験合格は独学で可能?

公認会計士は独学での合格が難しく、集中して勉強ができる環境で2~3年の勉強時間が必要といわれています。

資格スクール・予備校に通ったり、忙しくて時間がない人は通信講座を利用したりしながら、効率よく勉強を進めていかないと、合格はなかなか難しいのが現実です。

ただし、独学で合格している人がまったくいないわけではありません。

もともと独学が得意な人であれば、市販のテキストや問題集を活用して勉強を勧めていくことができるでしょう。

とはいえ、大半の人がスクール・予備校などに通っており、独学では相当な覚悟や意思が求められるのも事実です。

公認会計士試験で出題される企業法や租税法などの科目では法改正も頻繁に行われており、それらの最新情報を確実に入手するのはなかなか大変です。

また、2次試験のテキストや問題集はほとんど市販されておらず、対策が難しくなっています。

独学にあまり自信がない人や、できるだけ最短で効率的に勉強したいと考えている人は、スクール・予備校・講座を検討してみることをおすすめします。

令和3年度公認会計士試験の出願者数・合格率

公認会計士試験出願者数の推移

公認会計士試験の出願者数は、平成22年度をピークに減少傾向にありましたが、平成28年度より年々増加しております。

令和3年度の願書提出者数は前年度より若干増加し、14,192人となりました。

公認会計士試験出願者数_令3

公認会計士試験合格率の推移

公認会計士試験の合格率は、ここ数年10%前後を推移しております。令和3年度試験の合格率は9.6%になっています。

公認会計士試験合格率_令3

令和3年度 公認会計士試験年代別出願者数

令和3年度試験の年代別の出願者数は例年と同じく、20代が圧倒的に多くなっています。20代は合格率も高いため、公認会計士試験合格者数の合格者構成比率は20代が約60%を占めています。

令和3年度会計士試験年代別出願者数_令3

令和3年度 公認会計士試験年代別合格率

令和3年度試験の年代別の合格率は、20〜25歳未満が13.6%と最も高く、次いで25〜30歳未満の9.7%となります。20代の合格率が高く、40歳以上の合格率は低い状況です。

令和3年度会計士試験年代別合格率_令3

令和3年度 公認会計士試験学歴別出願者数

学歴別に出願者を見ると、大学卒業後の出願者数が6,374人と最も多くなっています。次いで多いのは大学在学中の4,415人です。

令和3年度会計士試験学歴別出願者数_令3

令和3年度 公認会計士試験学歴別合格率

学歴別に合格率を見ると、大学在学が13.7%と高い合格率となっています。次に高いのは大学院在学の11.3%、大学卒業の8.9%です。

令和3年度会計士試験学歴別合格率_令3

令和3年度 公認会計士試験職業別出願者数

職業別の出願者は、学生が最も多く6,122人、次いで会社員の2,529人、無職の2,319人、専修学校・各種学校受講生の1,234人となっています。

令和3年度会計士試験職業別出願者数_令3

令和3年度 公認会計士試験職業別合格率

職業別の合格率は税理士が最も高く20.0%、学生13.2%、無職9.8%と続いています。公務員の合格率は4.3%にとどまっています。

令和3年度会計士試験 職業別合格率_令3

令和4年公認会計士試験の概要

試験日

イ.短答式試験

<令和4年5月29日(日)>
企業法9:30~10:30
管理会計論11:30~12:30
監査論14:00~15:00
財務会計論16:00~18:00

ロ.論文式試験

<令和4年8月19日(金)>
監査論10:30~12:30
租税法14:30~16:30

<令和4年8月20日(土)>
会計学10:30~12:30
会計学14:30~17:30

<令和4年8月21日(日)>
企業法10:30~12:30
選択科目(1科目)14:30~16:30
(経営学、経済学、民法、統計学)

試験地 東京都、大阪府、北海道、宮城県、愛知県、石川県、広島県、香川県、熊本県、福岡県、沖縄県その他公認会計士・監査審査会の指定する場所において行い、その試験場は追って官報に公告する。
受験資格 受験資格の制限はありません。
合格基準 1.短答式試験
総点数の 70%を基準として、審査会が相当と認めた得点比率とする。ただし、1科目につき、その
満点の 40%に満たないもののある者は、不合格とすることができる。
2.論文式試験
52%の得点比率を基準として、審査会が相当と認めた得点比率とする。ただし、1科目につき、そ
の得点比率が 40%に満たないもののある者は、不合格とすることができる。
合格率 9.6%(令和3年)
合格発表 イ.短答式試験 令和4年6月24日(金)(予定)
ロ.論文式試験 令和4年11月18日(金)(予定)
受験料 19,500円
詳細情報 公認会計士・監査審議会

公認会計士試験の難易度まとめ

公認会計士は日本の三大国家資格の一つであり、資格試験の合格率は例年10%前後の難関です。

平均3000時間ほどの勉強時間が必要とされており、2~3年ほどかけて合格を目指すのが一般的となっています。

幅広い試験内容の網羅や法改正への対応など独学での対策が難しいこともあって、資格スクール・予備校や通信講座を利用し、効率的に学習を進めていく人が多いです。