「税務署職員」とは

税務署職員_画像

全国の税務署で、税金の徴収や調査、滞納整理を専門的に行う人のこと。

税務署職員は、全国の税務署において、内国税の賦課(ふか/租税の割り当て)・徴収を担当する国家公務員のことをいいます。

具体的には、適正な課税を維持するための調査や検査、定められた納期限までに納付されない税金の督促や滞納整理を行います。

税務署職員になるには、まず人事院が実施する税務職員採用試験に合格し、採用される必要があります。

採用後の研修期間は俸給月額14万円~17万円程度、その後は俸給月額16万円~19万円程度となり、平均俸給は約44歳で月額44万円程度とされています。

税務署は財務省、国税庁、国税局の下部組織であるため、国税局に異動したり財務省や国税庁に出向して課長補佐まで昇りつめたりすると、署長として税務署に戻ることができるようです。

「税務署職員」の仕事紹介

税務署職員の仕事内容

税金が適切に課税されるための仕事

税務職員の仕事は、内国税の賦課(ふか/租税の割り当て)・徴収を担当することです。

「税務署」は全国に524署設置されており、日本の行政機関のひとつ「財務省」の外局である「国税庁」の地方支分部局にあたる「国税局・沖縄国税事務所」の管轄になります。

適正な課税を維持するため、個人事業者や会社などを直接訪れ、帳簿などを検討し、申告が適正かどうか調査や検査を行い、定められた納期限までに納付されない場合は税金の督促や滞納整理を行います。

その他にも、国民に情報提供を行なって税金に対する知識を広めるための講座を開いたり、パンフレットの作成をしたりすることも税務職員の仕事です。

また、税務職員として23年勤めれば、税務署内の簡易試験にて税理士資格が取得できます。

税務署職員の就職先・活躍の場

各地国税局、全国各地の税務署

税務職員は、採用された後一定期間の研修を受けて卒業後は各国税局管内の税務署に配属されることになります。

税務署内では管理運営部門、徴収部門、個人課税部門、資産課税部門、法人課税部門、酒類指導官、総務課、税務広報広聴官に分かれて働きます。

不正などを防ぐために基本的には3年に1回程度、比較的多く転勤があるのが特徴です。

まずは、事務官としてキャリアをスタートさせて、国税調査官、上席国税調査官、総括国税調査官、特別国税調査官とキャリアアップを目指します。

税務署職員の1日

確定申告の季節は忙しい

2~3月にある確定申告の時期は毎年残業が増えますが、基本的には仕事が終われば定時で帰ることができます。

確定申告後に税務調査を担当する職員の一日を紹介します。

8:45 出勤
メールチェックや書類の整理を行います。

9:00 始業
朝礼で部署内の確認事項を共有します。

10:00 税務調査
税務調査の対象になった会社に出向き、面談や書類チェックをします。

12:00 昼休憩
昼食をとります。

13:00 税務調査
午前に引き続き税務調査を行います。

16:00 帰署
書類をまとめて報告書の作成を行います。

17:00 帰宅
急ぎの仕事がなければ帰宅します。

税務署職員になるには

税務職員採用試験に合格

税務職員になるためには「人事院」が実施する「税務職員採用試験」に合格し採用される必要があります。

国家公務員として採用された後は、全寮制の「税務大学校」(関東信越・東京・大阪研修所)普通科で1年間の研修を受け、その後3年間の実務経験を経て、「税務大学校」中等科で3か月の研修を受けます。

さらに採用試験から7年以上17年未満の税務職員を対象とした選抜試験で200人に選定されると「税務大学校」本科で1年間の研修を受けます。

税務署職員の学校・学費

高卒相当の学力が必要

税務職員の受験資格は高校(中学校)卒業見込みまたは高校(中学校)卒業後3年未満の人が対象になり、倍率は高いものの学歴はあまり関係ないといえます。

最近では高校卒業後に税務職員の採用試験対策に特化した専門学校に通ってから採用試験に望む人も多くなっています。

大学を卒業した人は同じ仕事でも国税専門官として採用されることになり、高卒の場合は実務経験が長くても大卒に比べると昇進は遅れます。

ただし、実力があると認められれば税務署長になれる可能性もあります。

税務署職員の資格・試験の難易度

合格率約15%と狭き門

税務職員の合格率は平均で約15%前後程度と非常に狭き門といえます。

ただし、各国税局の管轄毎に採用されるため、地域によって倍率は異なり、一般的には採用人数が少ない地方の方が倍率は高くなる傾向です。

試験は1次試験と2次試験に分かれており、1次試験ではマークシートの筆記試験や作文試験があり、2次試験では面談や身体検査が行われます。

特に筆記試験の内容は非常に幅広い知識やスキルが必要になるので、参考書などを使って独学で学習するか、専門学校に通って試験対策の学習する必要があります。

税務署職員の給料・年収

年に1回の昇給あり

「税務職員採用試験」に合格すると採用面接を受けて税務職員として国家公務員に採用されます。

「税務大学校」普通科で1年間の研修を受けますが、その間は俸給月額14万円程度(東京都特別区勤務:17万円程度)となり、普通科卒業後は俸給月額16万円程度(東京都特別区勤務:19万円程度)です。

通常年1回の昇給があり、扶養手当、通勤手当、住居手当などのほか、6月・12月には「期末・勤勉手当」として年間に俸給月額の約4か月分が支給されます。

税務職員の平均俸給は月額44万円程度(平均年齢:約44歳/平均経験年数:約23年)です。

税務署職員のやりがい、楽しさ

難しい相談や調査が完結する達成感

税務職員の仕事は専門知識も必要で、時にはすぐに解決しない難しい案件にも遭遇します。

そんな時は、上司に相談したり、過去の資料を参考にしたりと答えを出すために時間がかかりますが、難しい案件であるほど事案が完結したときは達成感を感じることができ、やりがいにつながります。

また、国家公務員として働くことは国の財政基盤を支えるという大きな使命があるので、責任も大きいですが、国に貢献していることを誇りに感じることもできます。

税務署職員のつらいこと、大変なこと

1年の研修期間がつらい

税務職員は最初に1年間研修所で寮生活を送りながら税務職員として必要な一般教養や基礎知識を身に着けます。

毎日8時間みっちり勉強することになりますし、お給料を支給されている以上しっかりと勉強しなくてはいけないので勉強することが苦手な人にとってはつらい環境といえるでしょう。

また、寮生活は起床時間や就寝時間も決まっており、外泊の制限や教官の見回りなどもあります。

試験も定期的にありますが、この試験の成績が税務署への配置や出世を左右することになるので真剣に取り組む必要があります。

税務署職員に向いている人・適性

新しい知識を身に着けるのに意欲的な人

「税務大学校」本科卒業後も部内経験に応じて選抜試験が実施され、選定されると専攻科(4か月)や研究科(1年3か月)などの研修を受けることになります。

税法や簿記をはじめ、税務に関する非常に高度な理論に至るまで習得し続ける必要があり、豊かな教養と明晰な頭脳、根気強い学習意欲や向上心のある人は税務署職員に向いています。

所属部門にもよりますが、租税の調査や徴収という仕事の性質上、緊張しやすく神経質なタイプでは業務に支障が生じる可能性があり、強靭な精神力とバイタリティーの持ち主には適しています。

税務署職員志望動機・目指すきっかけ

高卒でも国家公務員になれる

税務職員の魅力は、高卒であっても国家公務員になれるということです。

国家公務員である以上、景気などに左右されることはほぼなく、昇給も毎年あるので安定した環境で働きたい人にとってはもってこいの職業だといえます。

また、その他の国家公務員と比べても大卒と高卒の差が開いておらず、高卒でも頑張りしだいで出世できる環境にあるのが税務職員の特徴です。

また、産休や育休の体制も整っており、女性にとっても活躍しやすい環境なので、家庭を大切にしながらも長く働きたい人にも魅力的な職種といえます。

税務署職員の雇用形態・働き方

男女平等に国家公務員として働く

税務職員は普通の会社のような総合職・一般職と分かれることなく、採用試験に合格したら全員が国家公務員として同じ立場でキャリアがスタートします。

男女ともに異動が3年毎にありますし、試験の成績や配属された場所での活躍が評価されれば出世につながるので、非常に平等性が高い職種といえるでしょう。

有給休暇も比較的とりやすい環境で、財形貯蓄や貸付制度、扶養手当や住宅補助手当などの福利厚生が整っていることも国家公務員ならではです。

税務署職員の勤務時間・休日・生活

1日7時間45分勤務、土日祝休み

務職員の就業時間は1日あたり7時間45分、土日祝の週休2日制です。

確定申告の時期は忙しく残業も増えますが、他の時期は残業が少なく、急ぎの仕事がなければ定時で帰宅することもできます。

そのほか年次有給休暇(年20日)、病気休暇、特別休暇(夏季・結婚・出産・忌引・ボランティア)、介護休暇などがあり休暇も取りやすい環境といえます。

毎年7月10日が税務署の定期異動日になり、原則として税務職員は採用された国税局内での異動が約3年毎にあります。

税務署職員の求人・就職状況・需要

毎年採用試験がある

税務署職員の募集は毎年あり、高校卒業から3年以内であれば誰にでもチャンスはあります。

しかし、各管轄によって募集人数は異なりますが、応募者も多く倍率も非常に高いので、受験者は筆記試験を突破できる学力が必要になります。

第1次試験は多肢選択式の「基礎能力試験」(40題/1時間30分)が配点比率の半分を占め、他にも多肢選択式の「適性試験」(120題/15分)、「作文試験」(1題/50分)があります。

第1次試験合格後は面談や身体検査があり、すべてをクリアできた人が合格となります。

税務署職員の転職状況・未経験採用

高校卒業後3年以内ならチャンスあり

税務職員の募集は、高校卒業後3年以内と決められているので、その期間内の転職であれば未経験でもチャンスはあります。

この場合は、一般的な企業間での転職とは異なり、採用試験に合格さえすれば良いので、高校卒業後一般企業で2年働き、その後税務職員の採用試験を受けるということもできるのです。

また、一般企業で社会人経験者であっても、他の新卒採用と同様に採用後は寮で研修生活を1年間することになります。

高校卒業後3年経ってしまうと受験資格がなくなるので注意が必要です。

税務署職員の現状と将来性・今後の見通し

出世するためにはさまざまな経験が必要

税務署は財務省、国税庁、国税局の下部組織です。財務省や国税庁採用者のように必ずしも出世が約束されているわけではありません。

まったく出世しなければ税務署の上席調査官のまま定年(65歳)を迎えることになり、署長まで出世するためには税務署ばかりの異動では難しいといわれています。

国税局に異動もしくは「税務大学校」を優秀な成績で卒業し、上司の推薦を受けて財務省や国税庁に出向して課長補佐まで昇りつめると、署長として税務署に戻ることができます。

また、1999年(平成11年)に「男女共同参画社会基本法」が制定されて以来、女性職員にとっては働きやすい環境になっており、女性管理職がますます増加することが予想できます。