中学校教師の需要・現状と将来性

中学校教師の現状

子どもたちの健全な成長を支える重要な役割を持つ学校の教員ですが、その労働環境は過酷なものとして知られています。

文部科学省によれば、過労死ラインを越えて働く中学校教員は約6割にも達し、長時間労働などが原因となり、心の病を患い休職している教員は全国で5000人を超えているそうです。

もちろん、すべての職場で教員が厳しい働き方をしているわけではないでしょう。

実際、中学校教師としてやりがいを持って働き続け、無事に定年を迎えている人もたくさんいます。

しかし、とくに中学校教師は思春期真っただ中の難しい年代の子どもたちと接するため、心身の両面で苦しさを感じる教師もいます。

このようななか、業務の長時間化など深刻な状態にある教師の働き方を見直し、よりよい教育が行えるよう、学校でも「働き方改革」を推進させようという動きが強まっています。

国会等でも日々、学校教育や教員の業務の管理方法などについて新たな取り決めが議論されており、徐々にではありますが、教員にとってもっと働きやすい環境が整っていくことが期待されます。

中学校教師の需要

公立学校の教師の採用数は、基本的に、定年退職などで現場から抜ける人数を元に計算されます。

2000年代に入り、「団塊の世代」といわれる人口の多い世代の教員が一斉に定年退職を迎えたことにより、しばらくは採用数が多い状態が続いていました。

しかし、その採用の動きも落ち着きを見せ始め、2020年以降は採用数が減少傾向にむかうとみられています。

一方、自治体によっては「教員不足」に陥っているところが少なくないようです。

最近の特徴として、正規雇用の枠が非正規雇用に置き換えられるケースが増えているものの、不安定な非正規雇用のなり手は思うように集まらず、やむなく教員が足りない状態で何とか授業を回している学校もあるとされます。

もちろん、教科や自治体ごとに状況は異なりますが、雇用形態に強いこだわりを持たなければ、中学校教師の需要は大きいといえそうです。

中学校教師の将来性

時代の流れとともに、中学校教師には新しいスキルが求められるようになっています。

たとえば、近年注目されている「ICT教育」では、教師も積極的に情報通信技術を活用し、よりよい授業を実現することを目指す必要があります。

具体的には、教材など授業の準備や、生徒の学習評価にもICTが取り入れられる場面が増え、デジタルをツールとして上手に扱うスキルを身につけなくてはなりません。

このように、教育現場にも新しい技術はどんどん取り入れられていますが、「子どもに教育をし、成長を支援する」教師の役割の本質は変わりありません。

近い将来、自立した大人として社会に出られるように基礎学力を定着させることは、教師に期待されている第一の役割といえます。

とくに中学教師には、生徒たちが希望する進路(おもに高校進学)を実現させるために、わかりやすい授業を展開することや、意欲的に学習に取り組む姿勢を身につけさせることなどが求められ、これは時代が変わっても不変です。

また、中学生の子どもを持つ多くの保護者たちは、教師に対して、子どもの内面の成長を手助けすることを期待しています。

中学3年間は思春期に当たり、家庭で親と交わす会話が減ったり、親からの働きかけを素直に受け入れがたい場面が増えたりします。

しかし、学校という公共の場で、親以外の大人である教師から受ける助言には耳を傾けられる生徒が多かったり、その場では反発しても心には残っていて後の行動が改まったりすることも。

昔と比べて少しずつ様相を変える教育現場ですが、「教師は社会から期待されている」という根本は変わっていません。

中学校教師の今後の活躍の場

中学校教師は、基本的に日本国内の公立もしくは私立の中学校で勤務するため、活躍の場が海外などへ大きく広がることは考えにくいです。

ただし、教育職従事者として身につけた知識・スキルは、学校教員以外の仕事でも生かすことが可能です。

たとえば、「元教員」という経歴を生かして事業を立ち上げたり、NPO法人などで教育活動に取り組んだりする人もいます。

もちろん、中学校教師として定年まで働き続けることもできますが、自分自身の希望や思いによっては、さまざまな方面で活躍することができるでしょう。