世界から見た日本の美容師

国や場所で美容室にも特徴がある

美容師は世界中にいます。しかし、美容師として社会的地位を確立している国はいまだに少なく、西欧や北米、アジアだと日本といった先進国に限られています。

ランクを付けることは大変難しいのですが、現在のトレンドといわれるスタイルのルーツは西欧にあります。

ですからいまだにヨーロッパへ憧れを抱いて、現地へ修行やアカデミーに行く人もたくさんいます。

しかし、実際は技術自体の向上はさほどせず、帰国するケースが圧倒的に多いようです。

北米の美容室

美容室はそれぞれの国や場所で特徴があります。

たとえば、北米はさまざまな人種が入り交じっているため、通常のサロンにも人種に合わせた薬剤が各種揃っていることがあります。

その美容室で働く美容師は、それだけ幅広い知識と経験を持っているということになるでしょう。

さらに黒人などの髪の毛を編んだりする技術は、北米や中米にルーツがあり、その技術や芸術的感覚には目を見張るものがあります。

しかしながら、日本人のお客さまが北米の美容室を訪ね、縮毛矯正をしてチリチリになってしまったという話はよく聞きます。

西洋の美容室

西欧にも人種が多くいるため、薬剤の豊富さは素晴らしいものがあります。

さらに世界のトレンドを発信する場所でもあり、日頃から実験と研究を重ねる美容室もあるようで、刺激に満ちた美容理論が広がっています。

しかし、実際のところ、西欧を歩く人々の髪の毛はブラント(真っすぐに切りっぱなしになっている様)になっていることが多く、クセの強い人種にはあまり合っていないように見受けられます。

西欧は人種別で研究する傾向にないようで、あくまで白人社会での美容にこだわっています。

世界基準で見た時の日本の美容師

それでは日本はどうかというと、国民性もあり大変丁寧な仕事をする傾向にあります。情報は世界トップクラス並みに吸収が早く、プロの知識は世界に遅れをとることはありません。

しかし、日本にはほとんどアジア人しか住んでいないため、多人種の毛髪に関する知識と経験、さらにはその頭髪に対する薬剤の知識が不足しています。

世界基準で見ると、サービスでは圧倒的に秀でていますが、それでも「対アジア」の技術という認識があります。この技術不足が世界中のコレクションになかなか参加できない原因の一つだといわれています。

とはいえ、世界中のいたるところで、日本人やアジア人が住んで生活している地域があり、そこでの日本人の美容師の需要は非常に高いです。

今後日本人の美容師が世界のトップクラスで活躍するには、多種多様な毛髪と他言語の壁を越える必要があるといえるでしょう。