【2022年版】税理士試験の難易度・合格率 独学で合格を目指せる?
数年かけて勉強する人も多く、多くは予備校や対策講座、通信講座などを利用しています。
ここでは税理士試験の内容や合格率などについて、詳しくご紹介します。
目次
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税理士資格とは
税理士資格のあらまし
税理士は、医師や弁護士などと同じように、税理士の国家資格を持っている人だけが就ける職業です。
日本において、税務に携わる職業は明治時代ごろから既にありましたが、1951年に施行された税理士法によって、国税庁の実施する国家試験に合格した者のみが行える現行の制度が出来上がりました。
税理士には、国家資格保有者のみが行える3つの「独占業務」があります。
- 税務代理
- 税務書類の作成
- 税務相談
これらは法律によって税理士資格の価値が保証されているといえます。
税理士資格の取得方法
税理士資格を取得するための方法はいくつかありますが、最も一般的な方法は税理士試験に合格することです。
税理士試験では、「簿記論」「財務諸表論」「所得税法」といった税や会計に関する11科目のうち、5科目において約60%以上の得点をとることが必要とされています。
1科目に合格するだけでも大変な努力を要する難関試験ですが、一度で5科目すべてに合格する必要はありません。
毎年1科目~数科目ずつ受験し、数年間をかけて最終的な5科目合格を目指す方法が一般的です。
試験に合格した後、税理士事務所などで実務経験を2年以上積むと、税理士として登録できるようになります。
なお、試験は誰でも受けられるわけではなく、受験資格を得るためには、学歴や職歴、保有資格などのいずれかの条件を満たすことが必要です。
また、試験を受けなくても、税務署をはじめとした国税官公署で23年以上働くと、税理士の資格を取得することができます。
さらに、弁護士や公認会計士の資格を取得すると、法律や会計について十分に知識を有しているとみなされるため、税理士としても働くことが可能になります。
税理士試験の難易度・勉強時間
科目別の難易度・勉強時間
税理士試験における科目は、会計学に属する科目が2種類、税法に属する科目が9種類あり、11科目のうち5科目に合格することが必要です。
難易度はそれぞれに異なりますが、5科目すべてを自由に選べるわけではありません。
会計学2科目は必須、税法科目は9種類のなかから3種類を選ぶ必要があり、所得税法と法人税法のうちどちらかは必ず選択しなくてはなりません。
- 簿記論(必須)450時間
- 会計学論(必須)450時間
- 所得税法(法人税法とどちらかは必須)600時間
- 法人税法(所得税法とどちらかは必須)600時間
- 相続税法450時間
- 消費税法300時間
- 酒税法150時間
- 国税徴収法150時間
- 住民税法200時間
- 事業税法200時間
科目ごとに必要な勉強量にはばらつきがありますが、必須科目のボリュームが大きくなっていることが特徴として挙げられます。
所得税法と法人税法は両方とも受験しても構いませんが、負担を少しでも減らすため、ほとんどの受験者はどちらか1科目を受験し、残り2科目をほかの選択科目7種類のなかから選ぶようです。
ただし、上記の勉強時間はあくまで目安にすぎず、人によって科目ごとの得意・不得意も分かれます。
どの科目を受験するかは、資格取得後のキャリアプランも考えながら、慎重に決めるべきことが大切です。
効率よく合格するためにはどうすればいい?
税理士試験の難易度を考えれば、独学で合格することは困難といえます。
民間の資格学校や予備校は、税理士試験対策のための専門講座を多数開講していますので、時間があればそれらに通って効率的に学習するとよいでしょう。
社会人として働いていたり、家族の面倒を見なければならないなど、生活上の都合で通学が困難な場合や、あるいは経済的な負担を少しでも減らしたい場合は、通信講座を利用して自宅で学習するという手段もあります。
税理士試験の学歴別受験者数、合格率
税理士試験受験者数の推移
税理士試験の受験者数は、27年度に一度増加しましたが、近年30,000人前後を推移しております。令和3年度試験の受験者数は27,299人となりました。
税理士試験合格率の推移
税理士試験合格率(科目別の合計)は12〜17%の間で推移しています。令和3年度の合格率は16.5%となっています。
令和3年度 税理士試験 学歴別受験者数
令和3年度の税理士試験学歴別の受験者数は、大学卒が圧倒的に多く20,601人となっています。ついで、専門学校卒が2,467人、高校・旧中卒が1,865人となっています。
令和3年度 税理士試験 学歴別合格率
令和3年度の税理士試験の学歴別の合格率は、大学在学中が31.1%、高校・旧中卒が22.5%、大学卒が17.7%となっています。また、短大・旧専卒は14.3%、専門学校卒は16.1%となっています。
令和3年度 税理士試験 年齢別受験者数
令和3年度の税理士試験年齢別の受験者数は、41歳以上が最も多く10,289人となっています。続いて、31〜35歳の4,506人、36〜40歳の4,334人となっています。
令和3年度 税理士試験 年齢別合格率
令和3年度の税理士試験年齢別合格率(一部科目合格者含む)は、25歳以下が最も高い29.7%となっています。つづいて、26〜30歳で23.0%、31〜35歳が21.3%となっています。年齢が上がるほど、合格率が低くなるという傾向にあります。
令和3年度 税理士試験 科目別受験者数
令和3年度の税理士試験科目別の受験者数は、簿記論が最も多く11,166人、つぎに財務諸表論9,198人となっています。
令和3年度 税理士試験 科目別合格率
令和3年度の税理士試験科目別の合格率は、財務諸表論が23.9%と最も高く、ついで、簿記論の16.5%となっています。
税理士試験の難易度のまとめ
税理士試験は難易度が非常に高く、合格率も10%台を推移しています。
数年勉強をしても合格するのは難しいとされる狭き門で、合格するには年単位のしっかりとした対策が必要です。
税理士を目指す場合は、自分の進路をしっかりと定め、あきらめずにこつこつと努力をすることが重要でしょう。
令和4年度 税理士試験の概要
試験日 | <令和4年8月2日(火)> 午前9時から同11時まで 簿記論 午後0時30分から同2時30分まで 財務諸表論 午後3時30分から同5時30分まで 消費税法又は酒税法 <令和4年8月3日(水)> 午前9時から同11時まで 法人税法 正午から午後2時まで 相続税法 午後3時から同5時まで 所得税法 <令和4年8月4日(木)> 午前9時から同11時まで 固定資産税 正午から午後2時まで 国税徴収法 午後3時から同5時まで 住民税又は事業税 |
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申込期間 | 令和4年5月10日(火)から同年5月20日(金)まで |
試験地 | 北海道、宮城県、埼玉県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、京都府、広島県、香川県、福岡県、熊本県、沖縄県 |
受験資格 |
1.学識による受験資格(1)大学又は短大の卒業者で、法律学又は経済学を1科目以上履修した者 2.資格による受験資格(1)日本商工会議所主催簿記検定試験1級合格者 3.職歴による受験資格(1)弁理士・司法書士・行政書士・社会保険労務士・不動産鑑定士等の業務 4.認定による受験資格国税審議会より受験資格に関して個別認定を受けた者 |
試験内容 |
簿 記複式簿記の原理、その記帳・計算及び帳簿組織、商業簿記のほか工業簿記を含む。ただし、原価計算を除く。 財務諸表論会計原理、企業会計原則、企業会計の諸基準、会社法中計算等に関する規定、会社計算規則(ただし、特定の事業を行う会社についての特例を除く。)、財務諸表等の用語・様式及び作成方法に関する規則、連結財務諸表の用語・様式及び作成方法に関する規則 消費税法又は酒税法、法人税法、相続税法、所得税法当該科目に係る法令に関する事項のほか、租税特別措置法、国税通則法など当該科目に関連する他の法令に定める関係事項を含む。 固定資産税、国税徴収法、住民税又は事業税当該科目に係る地方税法、同施行令、施行規則に関する事項のほか、地方税法総則に定める関係事項及び当該科目に関連する他の法令に定める関係事項を含む。 |
試験科目 | 試験は、会計学に属する科目(簿記論及び財務諸表論)の2科目と税法に属する科目(所得税法、法人税法、相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、住民税又は事業税、固定資産税)のうち受験者の選択する3科目(所得税法又は法人税法のいずれか1科目は必ず選択しなければなりません。)について行われます。 なお、税理士試験は科目合格制をとっており、受験者は一度に5科目を受験する必要はなく、1科目ずつ受験してもよいことになっています。 |
合格基準 | 合格基準点は各科目とも満点の60パーセントです。合格科目が会計学に属する科目2科目及び税法に属する科目3科目の合計5科目に達したときに合格者となります。 |
合格率 | 16.5%(令和3年度) |
合格発表 | 令和4年11月30日(木) |
受験料 | ・1科目:4,000円 ・2科目:5,500円 ・3科目:7,000円 ・4科目:8,500円 ・5科目:10,000円 |
詳細情報 | 国税庁 税理士試験情報 |