税理士試験の難易度、合格率

税理士資格とは

税理士資格のあらまし

税理士は、医師や弁護士などと同じように、税理士の国家資格を持っている人だけが就ける職業です。

日本において、税務に携わる職業は明治時代ごろから既にありましたが、1951年に施行された税理士法によって、国税庁の実施する国家試験に合格した者のみが行える現行の制度が出来上がりました。

税理士には、国家資格保有者のみが行える「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」という3つの「独占業務」があり、法律によって税理士資格の価値が保証されているといえます。

税理士資格の取得方法

税理士資格を取得するための方法は複数存在しますが、最も一般的な方法は税理士試験に合格することです。

税理士試験では、「簿記論」「財務諸表論」「所得税法」といった税や会計に関する11科目のうち、5科目において約60%以上の得点をとることが必要とされています。

1科目に合格するだけでも大変な努力を要する難関試験ですが、一度で5科目すべてに合格する必要はありません。

毎年1科目~数科目ずつ受験し、数年間をかけて最終的な5科目合格を目指す方法が一般的です。

試験に合格した後、税理士事務所などで実務経験を2年以上積むと、税理士として登録できるようになります。

なお、試験は誰でも受けられるわけではなく、受験資格を得るためには、学歴や職歴、保有資格などのいずれかの条件を満たすことが必要です。

また、試験を受けなくても、税務署をはじめとした国税官公署で23年以上働くと、税理士の資格を取得することができます。

さらに、弁護士や公認会計士の資格を取得すると、法律や会計について十分に知識を有しているとみなされるため、税理士としても働くことが可能になります。

税理士になるには

税理士試験の難易度・勉強時間

科目別の難易度・勉強時間

税理士試験における科目は、会計学に属する科目が2種類、税法に属する科目が9種類あり、11科目のうち5科目に合格することが必要です。

難易度はそれぞれに異なりますが、5科目すべてを自由に選べるわけではありません。

会計学2科目は必須、税法科目は9種類のなかから3種類を選ぶ必要があり、所得税法と法人税法のうちどちらかは必ず選択しなければなりません。

各科目における必要な勉強時間は以下の通りです。

・簿記論(必須)450時間
・会計学論(必須)450時間
・所得税法(法人税法とどちらかは必須)600時間
・法人税法(所得税法とどちらかは必須)600時間
・相続税法450時間
・消費税法300時間
・酒税法150時間
・国税徴収法150時間
・住民税法200時間
・事業税法200時間
・固定資産税法250時間

科目ごとに必要な勉強量にはばらつきがありますが、必須科目のボリュームが大きくなっていることが特徴として挙げられます。

所得税法と法人税法は両方とも受験しても構いませんが、負担を少しでも減らすため、ほとんどの受験者はどちらか1科目を受験し、残り2科目をほかの選択科目7種類のなかから選ぶようです。

ただし、上記の勉強時間はあくまで目安にすぎず、人によって科目ごとの得意・不得意も分かれますので、どの科目を受験するかは、資格取得後のキャリアプランも考えながら、慎重に決めるべきです。

効率よく合格するためにはどうすればいい?

税理士試験の難易度を考えれば、独学で合格することは困難といえます。

民間の資格学校や予備校は、税理士試験対策のための専門講座を多数開講していますので、時間があればそれらに通って効率的に学習するとよいでしょう。

社会人として働いていたり、家族の面倒を見なければならないなど、生活上の都合で通学が困難な場合や、あるいは経済的な負担を少しでも減らしたい場合は、通信講座を利用して自宅で学習するという手段もあります。

クレアールの通信講座は、限られた短時間で税理士に合格するための「非常識合格法」が好評で、合格実績も豊富であるため、1科目ずつ働きながら合格を目指したい人におすすめになっています。

税理士試験の学歴別受験者数、合格率

税理士試験受験者数の推移

税理士試験の受験者数は、平成27年度に一度増加しましたが、年々減少傾向にあります。平成30年度試験の受験者数は30,850人となりました。

税理士試験受験者数_30

税理士試験合格率の推移

税理士試験合格率(科目別の合計)は12〜17%の間で推移しています。平成30年の合格率は12.8%となっています。

税理士試験合格率_30

平成30年度 税理士試験 学歴別受験者数

平成30年度の税理士試験学歴別の受験者数は、大学卒が圧倒的に多く23,240人となっています。ついで、専門学校卒が2,906人、高校・旧中卒が2,381人となっています。

平成30年度税理士試験学歴別受験者数_30

平成30年度 税理士試験 学歴別合格率

平成30年度の税理士試験の学歴別の合格率は、大学在学中が21.4%、高校・旧中卒が17.9%、専門学校卒が15.1%となっています。また、大学卒は14.7%、短大・旧専卒は9.6%となっています。

平成30年度税理士試験学歴別合格率_30

平成30年度 税理士試験 年齢別受験者数

平成30年度の税理士試験年齢別の受験者数は、41歳以上が最も多く11,309人となっています。続いて、31〜35歳の5,716人、36〜40歳の5,268人となっています。

平成30年度税理士試験年齢別受験者数_30

平成30年度 税理士試験 年齢別合格率

平成30年度の税理士試験年齢別合格率(一部科目合格者含む)は、25歳以下が最も高い27.0%となっています。つづいて、26〜30歳で18.1%、31〜35歳が16.8%となっています。年齢が上がるほど、合格率が低くなるという傾向にあります。

平成30年度税理士試験年齢別合格率_30

平成30年度 税理士試験 科目別受験者数

平成30年度の税理士試験科目別の受験者数は、簿記論が最も多く11,941人、つぎに財務諸表論8,817人となっています。

平成30年度税理士試験科目別受験者数_30

平成30年度 税理士試験 科目別合格率

平成30年度の税理士試験科目別の合格率は、固定資産税が14.9%と最も高く、ついで、簿記論の14.8%となっています。

平成30年度税理士試験科目別合格率_30

令和元年度 税理士試験の概要

試験日 <令和元年8月6日(火)>
 午前9時から同11時まで 簿記論
 午後0時30分から同2時30分まで 財務諸表論
 午後3時30分から同5時30分まで 消費税法又は酒税法
<令和元年8月7日(水)>
 午前9時から同11時まで 法人税法
 正午から午後2時まで 相続税法
 午後3時から同5時まで 所得税法
<令和元年8月8日(木)>
 午前9時から同11時まで 固定資産税
 正午から午後2時まで 国税徴収法
 午後3時から同5時まで 住民税又は事業税
申込期間 令和元年5月8日(水)から同年5月20日(月)まで
試験地 北海道、宮城県、埼玉県、東京都、石川県、愛知県、大阪府、京都府、広島県、香川県、福岡県、熊本県、沖縄県
受験資格

1.学識による受験資格

(1)大学又は短大の卒業者で、法律学又は経済学を1科目以上履修した者
法律学又は経済学を主たる履修科目とする学部(法学部、経済学部、商学部、経営学部)・学科・学校を卒業した者
上記以外の学部(文学部、工学部など)・学科・学校を卒業した者で、法律学又は経済学に属する科目を1科目以上履修した者
(2)大学3年次以上の学生で法律学又は経済学に属する科目を含め62単位以上を取得した者
(3)専修学校の専門課程(修業年限が2年以上かつ課程の修了に必要な総授業時数が1,700時間以上に限る。)を修了した者等で、これらの専修学校等において法律学又は経済学に属する科目を1科目以上履修した者
(4)司法試験合格者
(5)旧司法試験法の規定による司法試験の第二次試験、または旧司法試験の第二次試験に合格した者
(6)公認会計士試験の短答式試験に合格した者(平成18年度以降)
(7)公認会計士試験短答式試験全科目免除者

2.資格による受験資格

(1)日本商工会議所主催簿記検定試験1級合格者
(2)社団法人全国経理教育協会主催簿記能力検定試験上級合格者(昭和58年度以降の合格者に限る。)
(3)会計士補
(4)会計士補となる資格を有する者

3.職歴による受験資格

(1)弁理士・司法書士・行政書士・社会保険労務士・不動産鑑定士等の業務
(2)法人又は事業を営む個人の会計に関する事務
(3)税理士・弁護士・公認会計士等の業務の補助の事務
(4)税務官公署における事務又はその他の官公署における
(5)国税若しくは地方税に関する事務
(6)行政機関における会計検査等に関する事務
(7)銀行等における貸付け等に関する事務

4.認定による受験資格

国税審議会より受験資格に関して個別認定を受けた者

試験内容

簿 記

複式簿記の原理、その記帳・計算及び帳簿組織、商業簿記のほか工業簿記を含む。ただし、原価計算を除く。

財務諸表論

会計原理、企業会計原則、企業会計の諸基準、会社法中計算等に関する規定、会社計算規則(ただし、特定の事業を行う会社についての特例を除く。)、財務諸表等の用語・様式及び作成方法に関する規則、連結財務諸表の用語・様式及び作成方法に関する規則

消費税法又は酒税法、法人税法、相続税法、所得税法

当該科目に係る法令に関する事項のほか、租税特別措置法、国税通則法など当該科目に関連する他の法令に定める関係事項を含む。

固定資産税、国税徴収法、住民税又は事業税

当該科目に係る地方税法、同施行令、施行規則に関する事項のほか、地方税法総則に定める関係事項及び当該科目に関連する他の法令に定める関係事項を含む。

試験科目 試験は、会計学に属する科目(簿記論及び財務諸表論)の2科目と税法に属する科目(所得税法、法人税法、相続税法、消費税法又は酒税法、国税徴収法、住民税又は事業税、固定資産税)のうち受験者の選択する3科目(所得税法又は法人税法のいずれか1科目は必ず選択しなければなりません。)について行われます。
なお、税理士試験は科目合格制をとっており、受験者は一度に5科目を受験する必要はなく、1科目ずつ受験してもよいことになっています。
合格基準 合格基準点は各科目とも満点の60パーセントです。合格科目が会計学に属する科目2科目及び税法に属する科目3科目の合計5科目に達したときに合格者となります。
合格率 12.8%(平成30年度)
合格発表 令和元年12月13日(金)
受験料 ・1科目:4,000円
・2科目:5,500円
・3科目:7,000円
・4科目:8,500円
・5科目:10,000円
詳細情報 国税庁 税理士試験情報