高卒で税理士になるには

高卒でも税理士になれる?

税理士になる方法はいくつかありますが、最も一般的なのは税理士試験に合格することです。

税理士試験に合格した人の詳細情報は、試験を主催する国税庁のホームページから参照することができ、年齢別の結果などと同じように、学歴別の結果も公表されています。

そのデータをみれば、合格者の7割ほどを大卒者が占めているものの、高卒で受験し、合格した人も一定数いることがわかります。

税理士試験は、合格までに数年間の受験勉強が必要となる難関試験ですが、個人の努力次第では、高卒でも税理士になることは可能といえるでしょう。

以下では、高卒から税理士になるための方法を具体的にご紹介します。

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税理士試験の受験資格を得る方法

税理士試験にはいくつかの受験資格があり、定められた条件のうちのいずれかをクリアしないと、試験を受けることができません。

学歴についてみれば、大学・短大・高等専門学校の経済学部・法学部・商学部の卒業生か、大学3年生以上で法律や経済に関する学科を62単位以上取得している学生であることが条件となっています。

つまり、高卒から税理士を目指す場合、そのままでは受験資格がありませんので、まず受験資格を得ることが第一関門となります。

学歴以外で受験資格を得る方法は、職歴に関するものと保有資格に関するものの2つに大別することができます。

職歴に関する条件

職歴に関しては、税理士事務所や会計事務所などに勤め、3年以上の実務経験を積むことが条件です。

ただ、高卒でも採用するという事務所はそれほど多くはなく、とくに未経験者の場合は、ある程度のパソコンスキルや日商簿記3級などの資格がないと、就職することは難しいかもしれません。

税理士試験の願書を提出する際に、職場で発行してもらえる「職歴証明書」を添付すると、受験が可能となります。

保有資格に関する条件

保有資格については、商工会議所が実施する「日商簿記検定一級」か、全国経理教育協会が実施する「全経簿記上級」のどちらかを取得することが条件となっています。

どちらの資格取得も容易ではなく、相当な努力が必要になりますので、資格のスクールに通ったり、通信講座を受講したりして、専門的な対策を積まなければなりません。

職歴証明書と同じように、税理士試験の出願時に「合格証明書」を提出することで、試験を受けることができるようになります。

税理士試験を経ずに税理士になる方法

税理士試験を受ける以外にも、高卒から税理士資格を取得する方法が2つ存在します。

国税官公署で23年以上勤務

ひとつめは、税務署をはじめとした国税官公署で23年以上働いた後、指定の研修を受けるという方法です。

長い時間がかかる点はネックですが、税理士とは異なるにせよ公務員として税務に関する実務に携わることができますし、業務を通して、税理士に必要となるさまざまな経験を積むことができるでしょう。

また、高卒からなら、23年経過してもまだ40代前半であり、社会人としては働き盛りといえます。

こうした制度を利用して税理士となった人は「国税OB」と呼ばれ、多くの元公務員が税理士として活躍しています。

公認会計士資格を取得

もうひとつの方法は、公認会計士資格を取得することです。

公認会計士の資格保有者は、税理士会に登録するだけで、すぐに税理士として働き始めることができます。

税理士試験とは違って、公認会計士試験には受験資格が一切なく、誰でも受験できますので、高卒でも公認会計士を目指すことが可能です。

ただ、公認会計士試験は、税理士試験に輪をかけた難関試験であり、その難易度は医師国家試験・司法試験と同等レベルとされています。

長期間にわたって試験勉強だけに専念できる環境がないと合格は厳しいため、誰もが選択できる方法ではありませんが、取得できれば会計や税に精通したプロフェッショナルとして大きく飛躍できるでしょう。