税理士の志望動機と例文・面接で気をつけるべきことは?

税理士を目指すきっかけで多いものは?

税理士は、法律系の専門資格でありながら、実際の業務は、税額を計算したり企業会計を行ったりと数字を取り扱うことが多く、文系・理系双方の能力が求められるかなり特徴ある職業です。

このため、税理士は人によって向き不向きがはっきりしており、計算や暗記が得意だったり、論理的に物事を考えるのが好きだったり、几帳面だったりと、性格的な理由がきっかけとなるケースが目立ちます。

税理士を目指すというよりも、興味や関心、自分の適性を突き詰めた結果、それにピッタリ合うのが税理士だった、という人が多いようです。

また、税理士は、業務を行うために難関国家資格が必要になる関係上、一般的なサラリーマンよりも高収入を得やすく、さらに独立開業して自由な働き方をすることも可能です。

こうした待遇面に魅力を感じて、税理士を志望する人も珍しくありません。

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税理士の志望動機の考え方

税理士の代表的な就職先として、税理士事務所や会計事務所が挙げられますが、実際の業務内容は事務所によってかなり差があります。

個人を相手に確定申告業務などを行っているところもあれば、法人を主要顧客としてコンサルティング業務を手掛けているところもあり、またその事業規模も大小さまざまです。

従って、志望動機を考える際には、どの企業に対しても通用するような普遍的なものではなく、まず就職先を研究し、それに基づいた内容にすることが必要といえます。

自身の性格や能力といった自己分析から出発し、税理士を目指した理由、個々の事務所を志望する理由、将来的なキャリアビジョンまで、一連のストーリーを順序だてて述べられるよう、入念に準備しましょう。

説得力のある内容になっているかどうか確認するために、第三者にチェックしてもらうことが望ましいでしょう。

もしも周りに頼める人がいないなら、税理士専門の転職エージェントを利用するという方法もあります。

税理士の志望動機の例文

中小企業会計に関心が高い場合の例文

「私は、幼少の頃から几帳面な性格で、計算問題などが得意でしたので、この性格に適した職業に就きたいと思い、税理士資格を取得しました。

先日、御社の事務所にお伺いした際に、中小企業に対してきめ細やかなアドバイザリー業務を行っているとお聞きし、私にピッタリの職場ではないかと思いました。

私も、御社の事務所で働き、クライアントの正確な会計処理を行うとともに、節税対策などをアドバイスすることで、お客さまの事業発展のために貢献したいと考えております。」

個人案件に関心が高い場合の例文

「御社の事務所は、相続や事業承継といった案件を多数手掛けておられるとホームページで拝見いたしました。

過去に前例のないスピードで高齢化が進む日本社会においては、高齢者が抱える課題をいかに解決できるかが非常に重要であると考えております。

私は、単に確定申告などの作業を行うばかりでなく、ひとりひとりのお客さまに寄り添い、よき相談相手となることで、信頼される税理士になりたいと思っております。

御社の業務内容は、私の理想に合致していると思い、御社の事務所を志望いたしました。」

国際業務に関心が高い場合の例文

「私は、学生時代を通して、税理士試験の勉強に励むとともに、海外留学をするなど、国際感覚も磨いて参りました。

御社の事務所は、クライアント企業の会計支援だけでなく、海外への事業進出支援も積極的に手掛けられており、ほかの事務所とは一線を画した業務内容に大きな魅力を感じました。

御社で税理士として働き、培ってきた語学力を生かすことで、めざましい勢いでグローバル化していく日本経済の一助になりたいと考えております。」

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税理士の面接で聞かれること・注意点

礼儀正しさやマナーに気を配る

税理士として活躍するには、顧客との信頼関係を構築できるかどうかが非常に重要です。

たとえば法人企業を担当する場合、経営者からすれば、自社の財務内容や損益状況に関する情報は文字通り「生命線」ですので、それらを開示してもらうには人間として信用してもらわなくてはなりません。

採用面接においても、他人から信頼される人柄であることを示す必要があり、そのためにはまず第一に、礼儀正しさや社会人としてのマナーに気を配ることが不可欠です。

時間を正確に守ることはもちろん、身だしなみにも人一倍気を配るとともに、はきはきとした挨拶・受け答えを心掛け、面接官によい印象を持ってもらえるように振舞いましょう。

時事問題に関心をもつ

税に関する制度は、その時代時代における社会情勢を色濃く反映したものであり、毎年大規模な税制改正が実施されます。

たとえば、東日本大震災後には復興税が導入されましたし、増大する社会保障費用を賄うため、近年では消費税の引き上げが大きなトピックとなっています。

税理士の業務は世の中の動きと切っても切れない関係にありますので、税理士の採用面接を受けるなら、時事問題には常に関心を払っておくべきです。

ときには、もう一歩踏み込んで、現代日本の税制に対する自身の意見や、問題提起が求められることもあるようです。

どんな質問が投げかけられても答えられるように、日頃からテレビや新聞、インターネットなどでニュースをチェックし、自分なりの考えをまとめておきましょう。

独立意思は伝え方をよく考える

税理士は、独立開業することも可能な職業であり、仕事を覚えてできるだけ早く自分の事務所を開業したいと考えている人も少なくないでしょう。

しかし、雇用する事務所側からすれば、独立志向の強い税理士を採用するのは、決して小さくないリスクが伴います。

せっかく仕事のやり方を手取り足取り一から教えても、一人前になった途端にすぐ辞められたのでは労力に見合いませんし、退職と同時に自社のクライアントを引き抜かれてしまうという懸念もあります。

独立開業することも素晴らしい夢ですが、ある程度中長期的なビジョンを持つなど、就職先に対する一定の配慮が必要かもしれませんので、伝え方はよく考えましょう。

税理士の自己PRのポイント

税理士の業務というと、税務署類の作成や税額の計算といったデスクワークをイメージする人も多いかもしれませんが、実際には、顧客や税務署との協議、提案、交渉、指導などが大きなウェイトを占めます。

個人事業主や法人企業経営者のなかには、自分のビジネスを発展させるため、できる限り税金を払いたくないと考えている人も多く、節税方法を巡って激しく意見がぶつかることも珍しくありません。

また、顧問契約先に税務調査が入った際には、クライアント側の代理人として、税務署の職員と対峙しなければなりません。

従って、採用面接においては、そうした業務を手掛けることのできるコミュニケーション能力があることをPRすることが望ましいといえます。

面接官から投げかけられる個々の質問について、その意図をできる限り正確に汲み取り、的外れな回答にならないよう注意することが大切です。

同時に、わかりやすく、かつ簡潔に自分の意見を伝えるように心掛け、「聞く力」「伝える力」の双方に秀でていることをアピールしましょう。

税理士の履歴書で気をつけるべきことは?

税理士には、複雑な税額計算をミスなくこなすための正確さ・几帳面さが求められますが、そういった資質は、基本的な情報を記載する履歴書にこそ表れやすいといえます。

読み手を意識して、丁寧な字を心掛けることはもちろん、全体的にきれいに見えるように、文字の書き始めの位置や余白などは揃えたほうがよいでしょう。

たとえミスしても、修正液や訂正印の使用は論外ですので、最初から書き直しましょう。

また、志望動機や自己PR欄の文章は、形容詞や曖昧な表現を避け、できる限り簡潔な文体で記入するべきです。

なお、就職時点で税理士試験を勉強中である人については、個別の合格科目だけでも記載すると、「資格はなくても基礎知識はある」と判断されて、プラス評価につながることが多いでしょう。