税理士の給料・年収

税理士の平均年収・給料の統計データ

税理士になるためには、非常に難易度の高い試験を突破して国家資格を取得しなければなりません。

そのぶん、収入面については、一般的なサラリーマンを超える高給が期待できます。

一般的な会計事務所に勤務している場合でも、年収は700万円前後が相場ですが、「BIG4」と呼ばれる大手税理士法人に勤めたり、独立開業して自身の事務所を経営すれば、年収1000万円以上を稼ぐことも可能です。

ただし、近年は、倒産や廃業が相次いで中小企業数が減少傾向にあり、その一方で公認会計士が税理士を兼任するケースが増えています。

このため、税理士の競争環境は徐々に厳しさを増しており、かつてほど高収入が得られるわけではなくなっているという声も聞かれます。

税理士の平均年収・月収・ボーナス

賃金構造基本統計調査

公認会計士・税理士の平均年収_2018

厚生労働省の平成30年賃金構造基本統計調査によると、公認会計士・税理士の平均年収は、38.6歳で892万円となっています。

また、月額給与は約56万円、年間のボーナスは約215万円です。

・平均年齢:38.6歳
・勤続年数:10.5年
・労働時間:161時間/月
・超過労働:21時間/月
・月額給与:564,200円
・年間賞与:2,148,500円
・平均年収:8,918,900円

なお、男女別にみると、男性と女性で月収には2割弱の差があり、年収に換算すると100万円ほどの開きがあります。

しかし、これは税理士の仕事がかなりハードであり、出産や育児と両立させることが難しいため、高所得となるマネージャーやチーフなどの管理職に昇進するのが男性中心であるということが強く影響しています。

同じ職場・同じ年代であれば、男女差はほぼなく、女性が不当に差別されているわけではありません。

出典:厚生労働省「平成30年 賃金構造基本統計調査」

※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。

求人サービス各社の統計データ

職業・出典 平均年収 年収詳細
税理士
マイナビ税理士)
700万円 小規模税理士法人600万円
大規模税理士法人900万円
税理士
会計求人TOPICS)
700万円 30代勤務税理士400万円~500万円
40代以降700万円
税理士
Indeed)
590万円 月給28.0万円
時給1434円
税理士
求人ボックス)
502万円 月給42万円

各社のデータをみると、税理士の年収は600万円〜700万円前後が実態であるようです。

厚生労働省の統計よりも下回っているのは、大手税理士法人で役員を勤めている人や、独立して大きく成功している人など、一部の高所得者が全体の平均を押し上げているためであると推察されます。

税理士の手取りの平均月収・年収・ボーナスは

賃金構造基本統計調査をみると、税理士のボーナスはおよそ月収4ヵ月分です。

一般的な税理士の年収を700万円とすると、平均月収は約44万円、ボーナスは約175万円支給されていると考えられます。

そこから所得税や住民税、社会保険料などを差し引くと、独身の場合の手取りは33万円~35万円前後という計算になります。

日々の暮らしはかなり余裕をもって送ることができますし、夏と冬のボーナス時期にはそれぞれ月給と足して100万円近い収入になりますので、海外旅行に出かけたり、ブランド品などの高額な買い物をすることもできるでしょう。

税理士の初任給はどれくらい?

税理士の初任給は、一般的な職業よりもかなり高く、月収30万円~40万円ほどが相場です。

大手税理士法人などであれば、1年目からいきなり年収500万円を超えることもあり、税理士は、新人であっても経済的にはかなり恵まれているといえます。

ただし、税理士の資格を取得するためには、税や会計に関する全11科目のうち、5科目に合格することが必要であり、数年間におよぶ長い努力が必要です。

1科目合格するのに1年以上かかるケースもあり、税理士になって働きだす頃には、20代後半や30代を迎えている可能性も十分にあります。

そう考えると、初任給が高いとはいえ、同年代と比べてそこまで突出した給料水準とはいえないかもしれません。

税理士の年齢別・男女別の年収(平成30年度)

公認会計士・税理士の年収(年齢別)

税理士の勤務先の規模別の年収(平成30年度)

税理士の年収を規模別にみると、従業員1000人以上の大企業が、それ以下の企業より突出して高いことがわかります。

しかし、統計は税理士単体ではなく、公認会計士も含んでいますので、大手監査法人に勤める公認会計士の年収が大きく影響しているものと思われます。

公認会計士・税理士の年収(規模別)

※本統計は、調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。

税理士の福利厚生の特徴は?

税理士の福利厚生として特徴的なのは、勤め先の企業とは別に、「日本税理士共済会」という組織が設けている各種制度も利用できるということです。

同会には、生命保険や年金積立、医療保障など、税理士本人とその家族が利用できる制度が複数設けられており、多くの税理士が加入しています。

とくに組織から離れて独立開業する場合は、安心して事業を営むために、共済会から受けられる恩恵は非常に大きいでしょう。

税理士の給料・年収の特徴

生涯年収が高くなりやすい

税理士は、一般的なサラリーマンなどとは違って基本的に定年退職制度がありません。

このため、意欲さえあれば何歳でも働き続けることが可能であり、60歳を過ぎても働き続ける人も大勢います。

むしろ、それまでに培ってきた豊富な経験を生かして、税理士法人の役員となったり、企業の顧問になったりするケースもよくあり、税理士にとっては、歳を取った後こそ「稼ぎ時」といえるかもしれません。

税理士の年収が高いのは上述の通りですが、生涯年収という観点からみると、一般の職業よりも相当高くなるでしょう。

高収入を稼ごうとすればするほどリスクが高まる

税理士は、大手税理士法人や外資系税理士法人に就職したり、独立開業することで、一般の人をはるかに凌駕する高収入を得ることも可能な職業です。

しかし、大手や外資系で、シニアやマネージャーと呼ばれる管理職や、ディレクターやパートナーと呼ばれる役員になると、労働者ではなく、経営層に近い待遇になります。

裁量労働制となって残業代などは一切支給されなくなりますし、結果が出なければクビになる可能性も十分にあります。

収入があがるにつれて、そのぶん雇用形態として見たときのリスクも大きく高まりますので、高給を目指すなら、メリットとデメリットをよく把握しておくべきです。

独立開業する場合も同じで、勤務時より稼げるチャンスがあるのは事実ですが、十分にクライアントを掴めなければ、勤務時代の収入を下回るどころか、生活するのにさえ困ることもあり得ます。

得意分野があると高給を得やすい

税理士業務は、個人向けの確定申告作業もあれば、企業の決算処理もあり、また税務知識を生かしたアドバイザリー業務もあります。

近年は経済全体のグローバル化が進展している影響で、国際税務のニーズが高まっていますが、何かひとつでも「これだけはほかの税理士に絶対に負けない」という得意分野を持っていると、高収入を得やすいようです。

就職してからの最初の5年間が、税理士としての得意分野を見つけるための重要な期間といわれていますので、できる限りさまざまな案件に触れて、自分の強みを探してみるとよいでしょう。

業態別に見る給料・年収

税理士法人

税理士法人に勤める税理士の給料は、大手・中堅クラスで年収600万円~900万円、BIG4と呼ばれる4大税理士法人(PwC、デロイトトーマツ、KPMG、EY)で年収700万円~1000万円とされています。

大規模事務所ほど、ブランド力が高く、大手クライアントを抱えており、また提供できるサービス領域も広いため、一人当たりの売上も大きくなりますので、そのぶん給料も高くなります。

また、大手では人事評価制度も確立されていますので、ポジションが上がるにつれて、着実な収入アップが期待できます。

なかでもBIG4のシニア層になると、年収1500万円程度を得ている人も珍しくないようです。

個人事務所

小規模な個人の税理士事務所に勤める場合、年収は500万円~700万円くらいが相場です。

税理士法人と比べると給料水準は大きく見劣りしますが、将来的な独立を視野に入れている場合は、経営者である代表税理士の働きぶりを間近に見れる点は大きなメリットといえます。

また、個人事務所のなかでも、クライアントを一部の業種を絞っているところや、コンサルティングのスポット収入が多いところなどでは、平均よりも高めの給与に設定されているケースもあります。

近年では、資産税に特化した事務所は高給を得られやすい傾向にあり、税理士法人と同程度の年収が得られることも多いようです。

一般企業経理

税理士は、税理士事務所などに所属して他者の税務を扱う以外に、一般企業に就職し、サラリーマンとして自社の税務や経理を手掛けるという働き方もあります。

その場合の給料は勤め先次第ですが、税理士という国家資格があるぶん、一般の社員よりも高くなりやすく、年収600万円~800万円前後が相場とされています。

メーカーなどの大手上場企業に勤めれば、中小の税理士法人や個人事務所で働くよりも、安定性という点では上回っているかもしれません。

税理士が収入を上げるためには?

税理士が収入を上げる方法は、なんといっても独立開業して事務所をもつことです。

独立を成功させるためには、税理士としての知識や経験だけでなく、営業力やコネクションなど、経営者としての手腕が要求されますが、年収1000万円や、それ以上を稼ぐことも不可能ではありません。

医師弁護士、著名人といった富裕層を顧客にしたり、数多くの法人企業と顧問契約を締結したりすることで、年収3000万円という大金を手にしている税理士も存在します。

また、税理士資格に加えて、司法書士行政書士、社労士など、ほかの士業資格も取得するという方法も非常に有効です。

ダブルライセンス・トリプルライセンスで事務所を経営すれば、それだけ手掛けられる仕事の幅が拡がりますので、収入増に直結させることができます。