税理士は独学で合格できる? 勉強時間はどれくらい?

税理士を独学で目指す人はいる?

税理士試験では、会計や税務に関する11科目が出題され、そのうち5科目に合格することが必要です。

しかし、11科目のどれもが難関であり、各科目の合格率は10%~20%前後です。

1科目に合格するだけでも数百時間の勉強が必要であり、資格取得までには、短い人でも2500時間、長い人では5000時間~6000時間という長い勉強時間を要します。

このため、独学で合格までこぎつけることはきわめて困難であり、税理士を目指すほとんどの人は、大学や大学院、あるいは民間の専門学校やスクールに通って、集中的に勉強に励んでいます。

民間の資格専門学校などには、初心者向けや既修者向けなどさまざまなコースがありますが、平均的には2年ほどの期間で、税理士試験に出るポイントをひと通り学ぶことができます。

夜間や週末に開講している講座や、通信講座などもあり、さまざまな生活事情に合わせたコースが多数開講されています。

独学で税理士になることも不可能ではありませんが、勉強の効率を上げるためにも、できればこれらのうちいずれかを利用することが望ましいでしょう。

以下では、独学で勉強する際のメリット・デメリットについて具体的にご紹介します。

独学のメリット

自分のペースで勉強できる

独学で勉強する最大のメリットは、勉強する範囲や量、スピードを自分でコントロールできるということです。

学力や知識量、習熟度合は人によってさまざまですが、専門学校や予備校に通う場合、それらに関係なく同じカリキュラムを受講しなければならないのはネックといえます。

また、税理士試験は、それぞれの科目によって、計算問題が多い、理論問題が多いというように異なる特徴があるため、得意・不得意が分かれやすい傾向にあります。

勉強時間を重ねて理解が進めば進むほど、個人間による格差はさらに顕著になりますので、自分のペースで、自分に必要な内容を学習できるという独学のメリットは、終盤ほど大きくなるでしょう。

費用がかからない

税理士試験のための専門学校や予備校は複数あり、学習期間やコースはさまざまですが、必要な学費は100万円がひとつの目安とされています。

大学に通う場合は、4年間でおおむね400万円、大学院まで進学すればさらに費用がかかりますので、経済的な負担は決して小さくありません。

独学で勉強する場合、テキスト代や単発的な添削費用を含めても数万円以内に収めることが可能ですので、経済的なメリットは非常に大きいといえます。

もし経済的余力があれば、通信講座などを受講してより効率を高めてみてもよいでしょう。

働きながら勉強できる

独学で勉強するなら、勉強する場所も勉強する時間帯も、自分で自由に設定することができます。

とくに社会人として働きながら税理士を目指す場合、たとえ夜間などに開講している講座であっても、業務上の都合でなかなか決まった時間に通うことが困難であるケースもあります。

また、資格取得までに数年、人によっては10年かかることもありますので、受験勉強のどこかの時点で、仕事と両立しなければならなくなる人は少なくないでしょう。

通信講座でも効率良く合格を目指すことができますが、特にクレアールは、限られた時間で税理士に合格するための「非常識合格法」が好評で、合格実績も豊富であるため、働きながら合格を目指す人は検討してみるのもよいでしょう。

独学のデメリット

税法科目が勉強しにくい

税理士試験で出題される科目は、簿記論などの会計分野と、所得税法などの税法分野に分けることができます。

このうち会計分野については、市販の対策テキストが多数販売されており、独学でも十分に勉強は可能です。

しかし、税法分野については、各種税制が毎年改正される関係上、一般的な書店で販売されるテキストでは最新の税制改正に追いつかず、資格専門学校などでないと学びにくいという特徴があります。

インターネットの個人売買サイトなどでは、専門学校などで過去に使われていたテキストも多数売買されていますが、それらでは有効な対策にはならないでしょう。

税制の勉強については、独学ではどうしても限界がありますので、通信講座などを利用するのもひとつの手段です。

モチベーションを保ちにくい

税理士試験は、一度に5科目すべてに合格することはほとんど不可能に近く、毎年1~2科目ずつ受験して、数年かけて資格取得を目指す人が大多数を占めます。

各科目の合格は生涯有効であるため、人によっては最初から「1年につき1科目」と定め、長期の計画を立てて資格取得を目指すケースもあります。

必然的に勉強期間も長くなりがちで、民間の専門学校などをみても、長いものだと5年という期間のコースもあります。

独学で勉強する場合は、より長期に及ぶことも懸念されますので、長い間、つらい勉強を続けるモチベーションを保つことは至難の業といえます。

受験資格を得るための準備が必要

税理士試験は誰でも受験できるわけではなく、学歴や職歴、保有資格などのいずれかの条件を満たさなければ試験を受けることができません。

大学の経済学部や法学部などに通わず、独学で税理士を目指す場合、「日商簿記1級に合格する」「税理士に関係する職場で3年以上勤める」といった、前段階の準備が必要です。

日商簿記1級についてみれば、税理士試験ほどではありませんが、しっかりとした対策が必要な難関であることに変わりはなく、合格までの標準勉強時間は500時間~600時間といわれています。

人によっては、税理士試験の勉強をスタートさせる前に、さらに勉強する必要があることは留意しておくべきです。

独学で勉強する場合の受験科目の選び方

税理士試験はただでさえ難関ですので、独学で合格を目指す場合、受験科目の選択は非常に重要なポイントといえます。

税理士試験の出題科目は、簿記論、財務諸表論、法人税法、所得税法、相続税法、消費税法、酒税法、国税徴収法、固定資産税法、事業税法、住民税法です。

この11科目のなかから5科目を選んで受験することになりますが、簿記論と財務諸表論は必須科目、法人税法と所得税法のうちどちらか一方は必須です。

独学で挑む場合、酒税法や国税徴収法のように、勉強するボリュームの少ない分野に目がいきがちです。

しかし、これらの科目は、勉強する範囲が狭い分だけ、他の受験生もしっかりと対策してきますので、詳細まで対策することが困難である独学の場合、むしろ不利になりがちです。

それと比較すると、法人税法、所得税法、消費税法は、覚えないといけないことが多くて避けたくなりますが、初受験者が多いためにライバルのレベルは相対的に下がります。

とくに、法人税法と所得税法は、論点が重なる部分が多々ありますので、独学者にはおすすめです。

ただ、それぞれの科目には、理論問題が多い、計算問題が多いといった異なる特徴があり、人によって向き不向きが分かれますので、自分に合った科目を選択することも大切です。

こうした科目選択のポイントについては、資格専門学校のWebサイトなどでもよく紹介されていますので、参考にしてみるとよいでしょう。