【2021年版】税務署職員の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「税務署職員」とは

全国の税務署で、税金の徴収や調査、滞納整理を専門的に行う人のこと。

税務署職員とは、全国の地方国税局または税務署において、内国税の賦課(ふか:租税の割り当て)・徴収を担当する国家公務員のことをいいます。

税務署職員の身分は国税庁に勤務する国家公務員の一種であり、採用された試験によって、さまざまな職種に分かれて働きます。

税務署職員になるには、まず人事院が実施する「国税専門官採用試験」もしくは「税務職員採用試験」に合格し、採用される必要があります。

若手のうちは採用された管区内での地方国税局や税務署で働くことが多いですが、キャリアを重ねると、東京・霞が関の国税庁本庁に異動となるケースもあります。

国家公務員のなかでも、税のプロフェッショナルとして、法律・経済・会計などの専門的な知識が必要とされる職種です。

「税務署職員」の仕事紹介

税務署職員の仕事内容

税のプロフェッショナルとして専門的な仕事に従事する

税務職員とは、国税庁に勤務する国家公務員の一種で、内国税の賦課(ふか:租税の割り当て)・徴収に関する業務を担当します。

おもに日本各地の地方国税局または税務署に勤務し、国の財政基盤を支える専門的な仕事を行っています。

税務署職員は「国税調査官」「国税徴収官」「国税査察官」といった職種に分かれて働きます。

これら3つの職種を合わせて「国税専門官」と呼びます。

国税専門官の仕事内容

業務内容の一例としては、適正な税金の申告がされているかを調査したり、税金の督促や差し押さえなどの滞納処分を行ったり、脱税を見つけた場合には検察官に告発したりといった役割を担います。

このほか、税務署での事務的な業務を担ったり、国民に向けて税金に対する知識を広めるための講座を開いたり、パンフレットの作成をしたりすることも、税務職員の仕事の一部です。

税務署職員になるには

「国税専門官採用試験」もしくは「税務職員採用試験」の合格を目指す

税務署職員になるためには、人事院が実施する「国税専門官採用試験」もしくは「税務職員採用試験」を受験して合格し、採用される必要があります。

「国税専門官採用試験」を受験できるのは21歳以上で「大学卒業程度」の学力がある人とされており、おもに大卒者を対象としています。

一方、「税務職員採用試験」は、高校または中等教育学校卒業見込み、もしくは高校または中等教育学校卒業後3年未満の人が受験できるものとなっており、高卒や専門卒の人が多く受けています。

配属後の仕事内容は、どちらのルートを選んだ人も基本的には同じです。

ただし、高卒の税務職員合格者は、この次で紹介するように、国税専門官合格者よりも研修期間が長く、他の役職に就くための試験が多いといったいくつかの違いがあります。

採用後の研修で専門的な知識を習得できる

各管区で採用された後のキャリアパスは、国税専門官と税務職員どちらで採用されたかで変わってきます。

税務職員ルートで新規採用された人の場合、まずは全寮制の「税務大学校普通科」にて1年間の研修を受けます。

さらに、一定期間の実務経験を経て、選抜試験で選考された職員は「本科研修」という、より上位の研修を受けることが可能です。

税務署職員の学校・学費

税務職員採用試験では高卒相当の学力が必要

税務署等で働く国家公務員を目指す場合、「国税専門官採用試験」もしくは「税務職員採用試験」のいずれかを受けることになります。

どちらの試験を受けるかによって、受験資格が異なるため、目指すべき進路が変わってきます。

・国税専門官採用試験:21歳以上30歳未満(基本的には大卒者または大学卒業見込み者を想定)
・税務職員採用試験:高校または中等教育学校卒業後3年未満(見込み者含む)

国税専門官採用試験は、大学に進学し、就職活動のタイミングで試験を受験する人がほとんどです。

一方、税務職員採用試験は、早ければ高卒のタイミングで受験することが可能ですが、最近では高校卒業後に税務職員の採用試験対策に特化した専門学校に通ってから採用試験に望む人も多くなっています。

採用試験は学部・学科など不問で受験できる

どちらの試験も受験にあたって、学校での専攻や学部・学科は問われません。

ただし、とくに国税専門官採用試験の筆記試験は難関で、法律や会計などの高度な専門知識が求められるため、法学部や経済学部などに進学しておくと、試験対策が多少はスムーズに進むでしょう。

税務署職員の資格・試験の難易度

採用地域によっても倍率は異なるが、十分な対策が必要

税務職員を目指す人が受験する「国税専門官採用試験」と「税務職員採用試験」は、それぞれ別の内容となっており、難易度や合格率にも違いがあります。

また、税務職員は各国税局の管轄ごとに採用されるため、地域によって倍率は異なり、一般的には採用人数が少ない地方のほうが、倍率は高くなる傾向です。

税務職員採用試験の場合、試験は1次試験と2次試験に分かれており、1次試験ではマークシートの筆記試験や作文試験があり、2次試験では人物試験(面談)や身体検査が行われます。

とくに筆記試験は幅広い知識やスキルが必要になため、参考書などを使って独学で学習するか、専門学校に通って試験対策をする必要があります。

2020年度試験では、申込者数が7,210人に対し、最終合格者は1,672人でした。

なお、国税専門官採用試験に関しては、下記で詳しく紹介しています。

国税専門官採用試験の難易度・合格率・倍率

税務署職員の給料・年収

国家公務員の税務職俸給表に基づいたものとなる

税務署職員の給料・年収は、「国税専門官採用試験」と「税務職員採用試験」のどちらで採用された場合でも、「国家公務員税務職」の俸給表に基づいて支給されます。

税務職俸給表は、職務の特殊性や専門性から、事務をメインで担当する「一般行政職」の俸給表よりも1割程度高く設定されています。

税務職員として採用された場合、まずは税務大学校普通科にて1年間の研修を受けますが、その間も給料は支給されます。

国税庁が発表する平成28年度実績によれば、税務職員の初任給は採用時が146,100円(東京都特別区は175,320円)、普通科卒業時は168,000円(東京都特別区は201,600円)です。

それに対し、国税専門官採用試験を経て採用された場合の初任給は、204,300円(東京都特別区は245,160円)となっています。

国税専門官採用試験ルートで採用される人のほうが、採用時点で6万円近くも給与が高く設定されていることがわかります。

税務署職員の待遇・福利厚生

税務署職員は、国家公務員として手厚い待遇・福利厚生を受けられます。

昇給は年に1回で、扶養手当・通勤手当・住居手当などの各種手当のほか、6月と12月には期末・勤勉手当として、いわゆるボーナスが支給されます。

また健康診断や人間ドック、国家公務員共済組合連合会などで契約する病院や診療所、ホテル、スポーツクラブなどの利用も可能です。

退職手当や老齢厚生年金等なども用意されており、生活面で困ることはないでしょう。

税務署職員の現状と将来性・今後の見通し

日本各地の税務署を中心に、税のプロフェッショナルとして活躍

税務署職員は、税のプロフェッショナルとして「国税調査官」「国税徴収官」「国税査察官」といった職種に分かれ、専門的な業務に従事しながら、前線で日本の財政基盤を支えています。

なお、税務署職員の主要な活躍の場となる税務署や国税局は、財務省の外局である国税庁の下部組織です。

国家公務員総合職(キャリア)として、財務省で採用されている人のように、将来的に大きな出世が約束されているわけではありません。

税務署の上席調査官のまま定年を迎える人もおり、署長まで出世するためには、税務署ばかりの異動では難しいといわれています。

しかし、税務署職員であっても、優秀だと認められた人は特別な研修を受けたり、本省で勤務する機会が得られたりすることもあります。

税務署職員は日本各地で活躍しており、女性の職員も増えていることが特徴です。

安定した職場環境の下で、長期的にキャリアを築きたい人にも適した職業といえるでしょう。

税務署職員の就職先・活躍の場

各地の国税局・国税事務所もしくは税務署での勤務が中心

税務署職員は、採用されたのち一定期間の研修を受けると、国税局・国税事務所もしくは税務署に配属されることになります。

国税局・国税事務所は、国税庁の地方支分部局で、全国に11の国税局と沖縄国税事務所があります。

管轄内の税務署の指導・監督をおこなう役割を担うほか、大規模で広域にわたる税務調査や滞納処分にあたります。

税務署は、国税庁や国税局の指導・監督の下に、国税の賦課・徴収を行う執行機関です。

全国に524と非常に数が多く、税務署勤務をする税務署職員が最も多くなっています。

なお、税務署内には管理運営部門、徴収部門、個人課税部門、資産課税部門、法人課税部門、酒類指導官、総務課、税務広報広聴官といったさまざまな部門があります。

不正などを防ぐために、基本的には3年に1回程度、比較的多めの異動があるのが特徴です。

まずは、事務官としてキャリアをスタートさせて、国税調査官、上席国税調査官、総括国税調査官、特別国税調査官とキャリアアップを目指します。

税務署職員の1日

配属部門や職種によっても1日の流れは異なる

ひとことで税務署職員といっても、税務署にはさまざまな部門があり、1日の流れも、どのような仕事を担当するかによって変わってきます。

基本的な勤務時間は定められていますが、時期によっても忙しさが異なります。

ここでは、税務調査を担当する職員の1日を紹介します。

8:45 出勤・書類整理
9:00 始業
10:00 税務調査のため対象の企業へ外出
12:00 昼休憩
13:00 税務調査の続き
16:00 帰署・報告書作成
18:00 残りの仕事を片付けて退勤

税務署職員のやりがい、楽しさ

専門性の高い仕事に従事でき、多くの人の役に立てること

税務署職員は、税に関するプロフェッショナルとして、高度な専門知識を身につけていかなくてはなりません。

ときには、すぐに解決しない難しい案件にも遭遇します。

新人のうちはわからないことが多いですが、先輩・上司に相談したり、過去の資料を参考にしたりと答えを出すために努力するうちに、少しずつ自分の知識量が増えていくのがわかります。

難しい事案にも正しく対応できるようになり、無事に完結したときは達成感が味わえるでしょう。

国家公務員として多くの人の助けになりながら、税務関連の専門的な仕事がしたいと考える人にとっては、魅力的な仕事といえます。

税務署職員には「国の財政基盤を支える」という大きな使命があるため、国に貢献していることを誇りに感じることもできます。

また、税務署では地域の人々との関わりの機会も多いため、人々の相談を受けて「ありがとう」と声をかけてもらったときにも、やりがいを感じられます。

税務署職員のつらいこと、大変なこと

採用後に研修があり、その後も専門的な勉強が必要

税務署職員として採用された人は、所定の研修期間に入り、国税局・税務署で働く職員として必要な一般教養や基礎知識を身につけます。

この期間も給料は支給されるため、働きながら知識の習得に集中できるという点では、理想的な環境かもしれません。

しかし、税務署職員が学ぶべき内容は税務や会計などの専門的な内容が中心で、理解が難しいものも多々あります。

学習が苦手な人には苦痛を感じるかもしれませんが、最初の研修が終わってからも、勉強は継続的に続ける必要があります。

試験も定期的に行われ、この試験成績が配置や出世を左右することになるため、真剣に取り組む必要があります。

税務署職員に向いている人・適性

税務や会計、法律などに興味があり、コツコツと努力できる人

税務署職員は、試験を受けて採用されたのち、税務大学校に入校して研修を受けます。

いざ実務に就いてからも、経験に応じて選抜試験が実施され、選定されると、より高度で専門的な研修を受けることになります。

税務署職員としてキャリアを重ねていくには、税法や会計、法律などに関して、非常に高度な理論に至るまで習得し続ける必要があります。

新しいことを学ぼうという意欲が強く、根気強く学習できる人は、税務署職員に向いています。

また、所属部門にもよりますが、この仕事は租税の調査や徴収という仕事の性質上、細かく数字をチェックしたり、慎重に作業を進めなくてはならなかったりする場面も多いです。

コツコツとした地道な作業を苦にせず、集中力をもって最後までやり遂げられるタイプの人に適性があるといえるでしょう。

税務署職員志望動機・目指すきっかけ

職務の社会的意義、高卒から専門的な業務に従事できることなど

税務署職員になる人は、もともと公務員志望で、「自分に向いている仕事はなんだろう」と考えるなかで目指していくことが多いようです。

学校で「税」の大切さや重要性を学んだことから興味をもち、国の財政基盤を支える税務署等での仕事に意義を見出したといったように話す人もいます。

また、税務署職員の場合、高卒であっても国家公務員として専門的な業務に従事できるのがひとつの魅力です。

大卒で税務署職員になる人も多くいますが、ほかの国家公務員の職種に比べると、税務署職員は大卒と高卒の差が開きにくく、高卒でも頑張りしだいで出世できる環境にあります。

こういった点から、税務署職員になりたいと考える人も少なくないようです。

税務署職員の雇用形態・働き方

男女平等に国家公務員として働く

税務署職員は、採用試験に合格して採用されると、全員が「国家公務員」として同じ立場でキャリアがスタートします。

その後、経験や能力によって昇進する人・しない人、また昇進スピードに差が出てはきますが、国家公務員であるという点は同じです。

男女による仕事内容や役割の差もなく、とくに税務署では女性職員の活躍も目立ちます。

なお、税務署職員は男女ともに異動が定期的に実施されます。

基本的には採用管区内の税務署・国税局で異動しますが、キャリアによっては国税庁・財務省への出向の機会もあります。

試験の成績や配属先での活躍が評価されれば出世につながるため、非常に平等性が高い職種といえるでしょう。

税務署職員の勤務時間・休日・生活

原則として1日7時間45分勤務、土日祝日は休みをとる

国家公務員である税務署職員の勤務時間は、原則として1日あたり7時間45分と定められています。

確定申告の時期は忙しく残業も増えますが、ほかの時期は急ぎの仕事がなければ定時で帰宅することもできます。

ただし、税務署職員は異動も比較的多いため、配属職種によっては多忙になりやすく、やや不規則な勤務体系になる可能性はあると考えておいたほうがよいでしょう。

休日は土日祝日です。

このほか、年次有給休暇、病気休暇、特別休暇(夏季・結婚・出産・忌引・ボランティア)、介護休暇などがあります。

仕事に追われる時期もあるものの、休暇制度は国家公務員として非常に充実しており、落ち着いている時期には連休をとれる職場も多いようです。

税務署職員の求人・就職状況・需要

年に1回、定期的に募集が行われている

税務署職員の募集は毎年実施されており、「税務職員採用試験」では高校卒業から3年以内、また「国税専門官採用試験」では21歳以上30歳未満であれば応募可能です。

採用試験は公正・公平に行われており、受験資格を満たせば誰でも受けられますし、どのような勉強をしてきた人でも合格できる可能性があります。

なお、税務署職員の採用は管轄地域ごとに行われており、それぞれで募集人数・採用人数は異なります。

「国家公務員」という安定性の魅力もあって基本的に応募者は多く、倍率も高くなりやすいため、試験対策は必須といえるでしょう。

新規の人材は常に求められている

税務署職員の人数は、年度によって多少変動しています。

ただし、税務署職員は国の貴重な財源となる税金の徴収などに携わることや、近年はとくに業務量が膨大なものとなっていることなどから、採用人数は増加傾向です。

定年等での退職者も毎年確実に出るため、新規の人材は募集され続けます。

年度によっては競争が厳しくなる場合がありますが、十分な試験勉強をして合格を目指しましょう。

税務署職員の転職状況・未経験採用

高校卒業後3年以内、もしくは30歳未満であればチャンスがある

税務職員の募集は、高校卒業後(または中等教育学校)3年以内と決められているため、その期間内の転職であれば未経験者でもチャンスはあります。

税務署職員の場合、一般的な企業間での転職のように、前職でのキャリア・スキルが問われることはありません。

したがって高校卒業後、一般企業で2年以内働き、それから税務職員採用試験を受けるということも可能です。

また、もし高卒から3年を過ぎてしまっても「国税専門官採用試験」を受けることで税務署勤務をするチャンスはあります。

国税専門官採用試験は「21歳以上30歳未満」なら受験でき、応募できる年齢幅としてはやや広くなっています。

ただし、こちらの試験は大卒程度の難易度となっているため、高卒者は、大学で勉強してきた人に負けないように時間をかけて試験対策をしなくてはなりません。

税務職員の「高卒程度」と「大卒程度」の違い

試験の種類(採用ルート)が異なり、初任給などにも差が出る

税務署職員は、ほぼすべての学歴の人が目指せる職業ですが、学歴や年齢によって、受験できる試験や採用ルートに違いがあります。

「高卒程度」に該当するのが「税務職員採用試験」です。

こちらは高校卒業後(または中等教育学校)3年以内であれば受験できるものであり、高卒や専門卒の受験者が多くなっています。

一方、「大卒程度」に該当するのが「国税専門官採用試験」です。

こちらは21歳以上30歳未満であれば受験でき、学歴要件はありませんが、大卒程度の難易度となっているため大卒の受験者がほとんどです。

どちらのルートで採用されても、税務署や国税局に配属され、各部門や専門職種に分かれて働くことは同じです。

ただし、税務職員ルートで採用された場合、国税専門官ルートの人よりも研修期間が長い、初任給が低いといった違いがあります。