【2023年版】幼稚園教諭教員資格認定試験とは? 受験資格や取得できる免許は?

幼稚園教諭教員資格認定試験は、保育士として一定の在職経験をもつ人が、幼稚園教諭免許状を取得する方策として行われる試験です。

この認定試験はあくまで任意で、先に保育士として現場で活躍してきた人の幼稚園教諭の免許取得を後押しするものです。

この試験には、受験資格が設けられており、年齢制限・高校卒業をし、大学入学資格がある人・保育士の資格取得後、指定された施設で3年以上、勤務時間の合計が4,320時間以上を超えた人が対象です。

この記事では、幼稚園教諭教員資格認定試験・受験資格や取得できる免許について解説します。

幼稚園教員資格認定試験とは

幼稚園教員資格認定試験は、近年「幼稚園と保育所の連携」がますます促進されるなか、「保育士」として一定の在職経験をもつ人が、幼稚園教諭免許状を取得する方策として行われる試験です。

この認定試験に合格すると、都道府県教育委員会への申請を経て、幼稚園教諭の二種免許状が授与されます。

もともと、幼稚園教諭の資格は幼稚園教諭養成課程のある大学、短大などを卒業することで取得することが一般的ですが、この認定試験が実施されていることによって、先に保育士として現場で活躍してきた人の幼稚園教諭の免許取得を後押しするものとなっています。

ただし、この試験は保育士資格をもつ人に対して幼稚園教諭免許状の取得を義務付けるものではなく、あくまでも任意で受けられるものとなっています。

また、この認定試験は資格試験であるため、幼稚園教諭の採用試験ではありません。

合格後に幼稚園教諭として採用されるためには、

  • 公立の場合は各自治体
  • 私立の場合は各幼稚園の採用試験

を受験し、合格する必要があります。

幼稚園教員資格認定試験の受験資格

幼稚園教員資格認定試験の受験資格
  • 年齢制限として、平成15年4月1日までに生まれた人(※2023年度試験)
  • 高等学校を卒業した者、その他大学(短期大学及び文部科学大臣の指定する教員養成機関を含む。)に入学する資格を有する人
  • 保育士(国家戦略特別区域限定保育士を含む)となる資格を有した後、幼稚園・認定こども園・指定された施設で保育士として3年以上働き、勤務時間の合計が4,320時間以上を超えた人

幼稚園教員資格認定試験の合格率

幼稚園教員資格認定試験は、合格率が開示されていません。

ただし、すべての科目で「満点の6割以上を合格とする」とされているため、相当勉強をしていなければ合格することは難しいでしょう。

文部科学省や独立行政法人教職員支援機のHPでは過去の問題を見れるので、必ずチェックをしておきましょう。

試験内容の変更

平成30年度までの試験と比較して、2019年度からは試験において大幅な変更となる点があるので注意が必要です。

第1次試験、第2次試験の廃止

これまでは第1次試験、第2次試験を実施し、第2次試験は第1次試験合格者のみ受験できるものでしたが、2019年度の試験からは、1次・2次を分けずにすべての試験科目を1日で実施します。

また第2次試験で行われていた

  • 教職に関する科目(Ⅲ)
  • 指導案の作成に関する試験

は、新設の論述式試験「幼稚園教育の実践に関する科目」に統合されます。

これにより試験科目は択一式試験2科目、論述式試験1科目の計3科目となります。

2020年度以降の試験においては、過去2年以内に当該科目に合格している場合、免除が可能となる予定です。

試験科目の変更

これまで第1次試験で行われていた

  • 教職に関する科目(Ⅰ)
  • 教職に関する科目(Ⅱ)

は、教育職員免許法の改正にともない、科目名称をそれぞれ、

  • 教科および教職に関する科目(Ⅰ)
  • 教科および教職に関する科目(Ⅱ)

と変更されますが、出題内容に変更はありません。

試験時間の変更

試験の解答状況を踏まえて、試験時間がそれぞれ10分間短縮され50分間となり、受験者の時間的負担が軽減されます。

令和5年度 幼稚園教員資格認定試験の概要

試験日 令和5年7月30日(日)
試験地 東京近郊
受験資格 平成15年4月1日までに生まれ,高等学校を卒業した者,その他大学(短期大学及び文部科学大臣の指
定する教員養成機関を含む。)に入学する資格を有する者で,保育士(国家戦略特別区域限定保育士を含む)
となる資格を有した後,以下の(1),(2),(3)のいずれかに該当する者として 3 年以上勤務したもの(勤務
時間の合計が 4,320 時間以上である場合に限る)。
(1) 幼稚園(特別支援学校の幼稚部を含む。)において,専ら幼児の保育に従事する職員
(2) 幼保連携型認定こども園において園児の教育及び保育に従事する職員
(3) 指定された施設の保育士
試験科目 <教科及び教職に関する科目(Ⅰ)[筆記試験 択一式]>
教職概論,幼児教育教師論,教育行財政,幼児教育学,幼児教育心理学,教育制度論,教育行政学,教育社会学,教育経営論等

<教科及び教職に関する科目(Ⅱ)[筆記試験 択一式]>
教育課程論、教育内容論、学習指導論、教育方法・技術論、保育内容指導法、幼児理解、教育相談等

<幼稚園教育の実践に関する科目[筆記試験 論述式]>
幼稚園教育要領,幼稚園教育要領解説,文部科学省作成の幼稚園教育指導資料等及び,共通課題を基にした指導案(週案,日案)の作成に関する試験

合格基準 全科目において満点の6割以上を合格とする。
合格率 出願者数,合格者数,合格率等は非公表
合格発表 全ての科目に合格した者を令和5年度幼稚園教員資格認定試験の合格者とし,独立行政法人教職員支援機構から本人宛てに,合格者には合格証書を,不合格者には試験結果通知書を令和5年10月25日(水)に発送し,合格者の受験番号を認定試験ホームページに掲載
受験料 20,000円
詳細情報 文部科学省 教員資格認定試験

「幼稚園教諭教員資格認定試験とは? 」のまとめ

幼稚園教諭教員資格認定試験とは、保育士が幼稚園教諭になるための近道となる試験です。

高校を卒業して大学入学資格がある人で、保育士の資格取得後、指定された施設で3年以上、勤務時間合計が4,320時間以上を超えた人が対象です。

試験に合格すると、都道府県教育委員会への申請を経て、幼稚園教諭の二種免許状が授与されます。