幼稚園教諭の仕事内容・なり方・年収・資格などを解説
「幼稚園教諭」とは
満3歳から小学校入学前の子どもに教育を行い、人間性や感性、身体能力を育む。
幼稚園教諭は満3歳から小学校に入学するまでの子どもを対象に教育を行う仕事です。
幼稚園は小学校や中学校などと同じく「学校」であるため、保育園よりも教育をするということに目的が置かれています。
幼稚園教育要領にもとづき、「健康、人間関係、環境、言葉、表現」それぞれについて、運動や音楽、遊びなどを通じて育みます。
幼稚園教諭になるためには、大学院・大学・短大などで幼稚園教諭養成課程を学び、幼稚園教諭免許状を取得したのち、採用試験に合格することが必要です。
筆記試験、面接の他、音楽などの実技試験があることもあります。
人気の仕事ですが、少子化の影響もあり、採用数が減少している傾向があります。
とくに公務員採用となる公立の幼稚園は難関です。
「幼稚園教諭」の仕事紹介
幼稚園教諭の仕事内容
満3歳から就学前までの子どもに教育を行う
幼稚園教諭は満3歳から小学校入学前の子どもに教育を行う仕事です。
よく混同されがちな保育士との違いは、「教育」に重点を置いているかどうかだといえます。
厚生労働省が管轄する保育園とは異なり、幼稚園教諭は文部科学省が定める「幼稚園教育要領」に基づいて指導を行わなければなりません。
幼稚園によって教育目標はさまざまですが、「健康、人間関係、環境、言葉、表現」の領域について、運動や遊びなどを行いながら、子どもの人間性や感性・身体能力を育てていきます。
また、小学校に上がる前に集団生活のルールを教えたり、しつけを行うことも、幼稚園教諭に求められる役割です。
子育て支援を行う場としても機能することが多く、地域および保護者の声に応えています。
幼稚園教諭になるには
幼稚園教諭免許状の取得が必要
幼稚園教諭になるには、国家資格である幼稚園教諭免許状の取得が必要です。
高校卒業後、幼稚園教諭養成課程のある大学院・大学・短大・専門学校で学び、所定の課程を修了することで、専修・一種・二種のいずれかの免許が取得できます。
その後は公立であれば各市区町村、私立は各幼稚園の採用試験を受け、合格すれば幼稚園教諭として働けます。
なお、保育士として3年以上の実務経験がある場合も、教員資格認定試験に合格すれば幼稚園教諭免許状が取得可能です。
幼稚園教諭の学校・学費
資格をとるために
資格をとるためには幼稚園教諭養成課程のある大学院・大学・短大・専門学校に進む必要があります。
なお、通信制大学(短大)であっても資格取得は可能です。
大学、大学院に関しては国公立か私立かによって、かかる学費に開きが出るでしょう。
国公立は四年間で250万円前後の学費ですが、私立は公立より確実に高く年間の授業料も100万円を超えるところがほとんどです。
大学選びによっては倍以上になることもあります。
通信制大学はぐんと安くなり、90万円前後が多いです。
短大は期間が短い分、学費は抑えられるでしょう。
専門学校であれば、だいたい200万円以内には収まります。
関連記事幼稚園教諭になるためにはどんな学校に行けばいい?(大学・短大・専門学校)
幼稚園教諭の資格・試験の難易度
資格の難易度が高いわけではない
幼稚園教諭免許状は基本的に学校で決められた課程を終えればよいため、取得する難易度自体が高いわけではありません。
専門学校・短大で取得すれば二種、大学で取得すれば一種、大学院で取得すれば専種となります。
大学に行く以外の選択肢がある点でも、挑戦はしやすいでしょう。
しかし、決められた単位をとらなければならないため、楽なわけではありません。
ちなみに補助としてパートやアルバイトで働く場合は、無免許でも採用される可能性があります。
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幼稚園教諭の給料・年収
私立は学校によってまちまち
幼稚園給料の平均年収は300万円~350万円程度です。
公立幼稚園で働く幼稚園教諭は地方公務員となるため、各地方自治体の給与規定に基づく給料が支払われ、待遇面も安定しているといえます。
私立幼稚園の場合は、給料も待遇も園によってさまざまであるため、一概にいくらとはいえません。
なお、短大を出た二種免許状をもっている人よりも、四年制大学を出た一種免許状をもっている人のほうが待遇面で優遇される機会は多くなっています。
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幼稚園教諭の現状と将来性・今後の見通し
変化し続ける幼稚園のあり方
幼稚園と保育園が一体となった「認定こども園」ができるなど、幼稚園のあり方は昔とは随分変わりつつあります。
共働き世帯の増加によって園児を預かる時間も長くなり、幼稚園教諭に求められる責任や役割はより大きくなっています。
また、教育以外に「保育」も求められるケースが増えているため、今後は幼稚園教諭免許状に加え、保育士の資格をもっていることで、より仕事の幅や活躍できるフィールドが広がっていくものと考えられています。
幼稚園教諭の就職先・活躍の場
私立幼稚園と公立幼稚園、あるいは認定こども園
幼稚園に就職するにあたって、私立幼稚園か公立幼稚園かの2つの選択肢があります。
これは運営母体の違いです。
私立幼稚園は社会福祉法人や学校法人などが、公立幼稚園は自治体が運営に携わっています。
公立幼稚園の退園時間は昼過ぎですが、私立幼稚園の中には延長保育や長期休暇中の預かり保育などを行い、共働き家庭の受け皿となっているところも少なくありません。
また、最近では幼稚園と保育園の機能をあわせもつ「認定こども園」も増えてきました。
幼稚園教諭の1日
延長保育がある園はその対応も必要
幼稚園の場合は、保育園とは違い子どもを預かる時間が短いためどのような幼稚園でも、だいたい毎日同じ時間帯で働くことが多いでしょう。
最も代表的といえる幼稚園では、8時から15時くらいまでの時間帯で子どもを預かっているところが多くなっていますが、近年は早朝や夕方の預かりをしているところも増えてきています。
<一般的な幼稚園で働く幼稚園教諭の1日>
7:00 出勤・打ち合わせ
7:30 バスの出発・ お迎え
9:00 朝のあいさつ
10:00 クラス活動
12:00 昼食
13:00 自由遊び
14:00 帰りの会
14:30 降園
15:00 延長保育
16:30 帰宅
幼稚園教諭のやりがい、楽しさ
大好きな子どもたちを見守る
幼稚園教諭には数多くのやりがいがあります。
実際、仕事に関するアンケートをとっても、やりがいがあると答える人が非常に多い職種です。
一番の魅力はなんといっても子どもたちの成長に貢献できるということでしょう。
毎日子どもたちの伸びやかな感情表現に触れながら仕事をしていると、いろんな場面で驚きや感動に出会うことができます。
子どもたちに素直な愛情を示されたり、保護者から感謝されたりすることは、幼稚園教諭にとって大きな喜びとなるでしょう。
幼稚園教諭のつらいこと、大変なこと
トラブルがないよう常に気を張っている
仕事におけるつらいことや大変なこととしては、子どもの事故・保護者からのクレーム対応・イベントごとの忙しさ・決して高くない待遇などが挙げられます。
子どもにはトラブルがつきものです。
ちょっと目を離している間に、喧嘩や怪我・事故が起きます。
幼稚園教諭は子どもたちと楽しそうに遊んでいるときでも、常に緊張感をもって仕事に当たっているのです。
また、子どもたちが安全かつ無事に過ごせていても、教育方針の行き違いなどから保護者からのクレームが入ることは多々あります。
年間のイベントも多く、ひっきりなしに忙しい時期が訪れるのも気が休まらないところです。
待遇に関しては、責任の重さや忙しさの割に給与が高くない業界であるため、不満をもって辞める人もいます。
幼稚園教諭に向いている人・適性
多岐にわたる能力の高さが重要
幼稚園教諭に向いている人は、多岐にわたって能力が高い人だと言うことができます。
たくさんの子どもたちをまとめ上げ、決められたカリキュラムを効率よくこなしていくのは並大抵のことではありません。
子どもが好きなことはもちろん、忍耐強く、てきぱきしていて、注意力のある人材が求められるでしょう。
また、保護者から信頼感をもって子どもを預けてもらわなければならないため、仕事に対する責任感やコミュニケーション能力も大切な要素です。
幼稚園教諭志望動機・目指すきっかけ
より働きやすい環境で子どもと関わる
幼稚園教諭の志望動機のもっともたるものは、やはり子どもが大好きで子どもと関わる仕事をしたいということに尽きるでしょう。
子どもと関わるのは保育士も同様です。
しかし、ブラックな待遇が昨今、社会問題として浮き彫りになってきているため、ならばせめて預かる時間の短い幼稚園のほうでと考える向きもあります。
保育園は、預かる時間が長い分、もち帰り仕事の量も多くなりがちです。
比べて、幼稚園であれば延長保育をやっている園を除いて、2時過ぎに子どもは帰りますから、比較的仕事が回しやすい環境だといえるでしょう。
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幼稚園教諭の雇用形態・働き方
正規雇用率が高い
幼稚園では基本的に正規雇用が多くの割合を占めています。
そのため保育園よりも辞めた後に戻ってこられるケースが少ないのが実情です。
しかし、非正規雇用で働く人がいないわけではありません。
とりわけ認定こども園に移行した園などでは、派遣などの非正規で短時間雇用されるケースが多く見られます。
また、担任をもたず、幼稚園教諭のお手伝いに徹する補助は、無免許でも働けるため、パートやアルバイトが担っていることが多いです。
幼稚園教諭の勤務時間・休日・生活
朝は早く、もち帰り仕事もある
仕事の性質上、出勤の早さに耐えなければなりません。
園児たちが登園するより先に来て準備を行い、降園後は残って仕事をする必要があります。
行事ごとに準備に追われるのはもちろん、保育計画の作成やピアノの練習など、やらなければならないことは非常に多いです。
もち帰り仕事も発生しがちです。
そのため、プライベートを犠牲にしていると感じることもあるでしょう。
園児が夏休みに入っても、幼稚園教諭はその間も仕事をしなければなりませんし、私立では預かり保育を実施しているところも多くあります。
幼稚園教諭の求人・就職状況・需要
女性の職場としての平均年齢の低さ
幼稚園の求人は少なくありません。
その背景には女性の職場であることが挙げられます。
保育園不足やワンオペ育児をはじめ、女性がまだまだ仕事を続けにくい状況下にあるため、幼稚園教諭の平均年齢は33.3歳です。
これは保育士よりも低い年齢なのですが、理由として、非正規雇用が少なく復職しにくい現状が指摘できます。
退職者が出ればそのぶん、募集がかかりますから応募することが可能です。
幼稚園教諭の転職状況・未経験採用
自分に合った園を求めて転職する
保育補助であれば、未経験であっても採用される可能性があります。
また、経験者の場合、今の園から別の園に転職するというパターンもあるでしょう。
理由としては、教育方針が合わなかったり、想定していた以上の仕事を押しつけられたり、といったケースが挙げられます。
幼稚園はそれぞれの園によって、方針やカラーがバラバラです。
より自分の理想とする幼稚園を求めて、転職するというのはひとつの選択肢でしょう。