ライターの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説
「ライター」とは
作品の企画・コンセプトに基づき、紙媒体やWeb上に掲載される記事を取材・執筆する。
ライターとは、雑誌・Web・フリーペーパーなどのメディアのコンセプトや目的に合わせ、さまざまな記事を書く人のことです。
記事を書くために、参考文献や資料を集めて読み込んだり、取材やインタビューを行ったりすることも仕事の一部です。
ライターによって、ビジネスや芸能、スポーツなど特定の分野を専門とする人もいれば、まんべんなく幅広いジャンルを扱う人もいます。
ライターになるために、特別な資格や学歴を得る必要はありません。
ただし、正しい日本語でわかりやすい文章を書く力や、企画に基づいて、読者を惹きつける文章を構成する力は不可欠です。
ライターの働き方は、出版社や編集プロダクションなどの企業勤めをするケースと、独立してフリーランスで活動するケースに分かれます。
最近ではネットを活用し、完全在宅で働くライターや、ほかに仕事を持ちながら副業・兼業で働くライターも増えています。
「ライター」の仕事紹介
ライターの仕事内容
さまざまなメディアで読者のための記事を執筆する
ライターとは、雑誌や新聞・書籍・Web・フリーペーパーなどの各種メディアに掲載する記事を書く人のことです。
出版社や編集プロダクションなどに会社に勤めるライターの場合、自社で発行・運営するメディアのための記事を書くことが多いです。
フリーランスで働く場合は、たいていクライアントから依頼を受けて、メディアの目的やコンセプトに応じた記事を執筆します。
ライターが扱う記事のジャンルは、人によってさまざまです。
ビジネスや芸能、スポーツなど、特定のジャンルを専門とする人もいれば、とくに専門分野を決めずに幅広く対応する人もいます。
調査や取材・インタビューなども行う
ライターは、記事を書くことに付随して、以下のような業務も手掛けます。
・資料や参考文献を集めて読む
・記事に関係する場所へ出かけて現地を取材する
・対象者にインタビューをする
・記事の企画を考える
執筆作業は基本的にパソコンに向かって黙々と進めていきますが、それ以外に外に出かけて取材をしたり、人と話したりする機会も意外と多くあります。
場合によっては、文章と合わせて掲載する写真をライター自身が撮影します。
また、記事の企画は「編集者」や「Webディレクター」が立てることもあれば、ライター自身がそこまで手掛けることもあります。
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ライターになるには
決まりきった方法はなく、いつでもライターを目指すことは可能
ライターは、なるために特別な資格が求められる仕事ではありません。
必ず通わなくてはならない学校もないため、誰でも熱意次第ですぐにライターを目指せます。
実際にライターとして第一線で活躍している人の経歴もさまざまですが、比較的多いものとしては以下が挙げられます。
・出版社や編集プロダクションなどに勤務する
・上記のような企業で編集者として経験を積んだのち、ライターとして独立する
・独学もしくはライター養成スクールでライティングの勉強をし、いきなりフリーランスのライターになる
など
ライターになる方法はさまざまでも、ライターとして仕事を続けていくためには、日本語の語彙力や表現力、わかりやすく文章を組み立てる力などが欠かせません。
そのため、実際には出版社や編集プロダクションなどで編集者として経験を積み、その後、ライターとして独立する人が多いです。
最近ではWeb制作系の企業でも、ライターが募集されることがあります。
独立してフリーランスで働く人も多い
ライターは、独立して個人で仕事をする人が多いです。
業務委託契約で働くフリーランスのライターを求める制作会社等は多くありますし、最近はSNSやクラウドソーシングなどを活用し、自分で仕事を見つける人も増えています。
また、出版社や編集プロダクションに企画を持ち込むなどの方法で仕事を得る人もいます。
こうしたこともあって、メディア関連業界で働いたことがない人が、いきなりフリーランスのライターになる例もしばしば見られます。
ただし、独立した場合に安定した収入を得るのは簡単ではなく、ほかに仕事を持ちながら副業・兼業でライターの仕事をする人も多いのが実情です。
ライターの学校・学費
企業勤めを希望する場合は大卒者が有利になることも
ライターになるにあたって、必ず通わなくてはならない学校はありません。
資格や免許のようなものは必要なく、また独立して働く人も多いことから、どのような学校を出た人でもライターになれる可能性があります。
しかし、ライターとして実際に仕事をしていくには「文章を書く力」が不可欠です。
日本語の語彙力や文法理解、文章の構成力・表現力といったライティングの基本スキルは、最低限身につけておく必要があります。
こうした学習は本などを活用しての独学、あるいはライター養成スクール、マスコミ系の専門学校などで効率的に行えます。
なお、出版社や編集プロダクションなどで働きたい場合には、採用試験で「大卒以上」の学歴が求められることが多いため、注意しておきましょう。
また、ライターは学歴そのものはあまり重視されなくても、学生時代に幅広い教養を身につけておくことや、特定分野に関しての知識を深めておくことなどは、ライターになってから非常に役立ちます。
学生時代をどのように有意義に過ごすかは、常に意識しておくとよいでしょう。
関連記事ライターになるための学校と学費(大学、専門学校、スクール)
ライターの資格・試験の難易度
ライターになるために求められる資格はない
ライターになるために、特別な資格は必要ありません。
また、ライターとしての知識やスキルを証明する公的な資格のようなものもなく、実践で身につけたスキルや能力こそが重視される職業といえます。
ライターになるハードルは決して高くないといえますが、だからこそ、いざライターになってから自分のスキルを高め続ける努力は不可欠です。
ライターとしてのスキルアップを目指し、民間スクールのライター養成講座に通う人もいます。
こうした講座を活用すれば、ライターに求められるスキルを体系的に学習できます。
また、業界に関する最新情報や営業方法なども教えてもらえることがあります。
ライターの給料・年収
個々の経験やスキル、仕事量などによって差が出やすい
ライターの平均年収は、求人サービス各社の統計データをもとに算出すると、500万円前後となると考えられます。
ただし、ライターはフリーランスで活動する人がほとんどであるため、個々の経験やスキル、仕事量などによって、収入には大きな差が出やすい職業です。
フリーランスのライターのほとんどが「案件ごとに○○円」といった形で報酬を得ることになります。
基本的には、ベテランライターになるほど単価は上がり、年収にすると100万円程度の人から1000万円を超える人まで幅があります。
ライターが収入を上げていくためには
最近はクラウドソーシングサービスなど活用し、Web系メディアのライターとして活動する人が増えています。
誰でもライターの仕事に挑戦しやすくなっている一方、非常に単価が低い案件も多く見られるのが実情です。
こうしたなか、ライターとして単価を上げるためには、専門性を持ち、正しい知見から文章を書くことが求められます。
医療や金融、スポーツなど得意分野があれば、その知識を生かした執筆活動ができ、高評価を得やすくなる場合があります。
また、企画や編集、校正など「文章を書くこと」に関連する周辺業務のスキルも備えている人は重宝されやすく、収入もアップさせやすいです。
ライターの現状と将来性・今後の見通し
挑戦しやすくなっているが、稼げない人も多数
もともと、ライターといえば「編集者」から依頼を受けて、取材をして文章にまとめあげたり、雑誌などの媒体の特性に合った専門的な記事を執筆したりと、それなりの専門性を持つ人が大半を占めていました。
しかし、現代はインターネットが普及し、誰でも自分の思いを気軽に発信できるようになっています。
実際、ライターではない一般人の文章が高く評価されることもありますし、副業や兼業で気軽に「Webライター」の仕事を始める人も増えています。
ライターに挑戦しやすくなっている反面、クラウドソーシングなどでよく見られる、安価な報酬の案件だけで生計を立てていくことは難しいのが実情です。
ライターとして安定収入を得て長く活躍したいのであれば、まずライティングの確かなスキルを身につけること、そして自分の強みや専門性を身につける努力が欠かせません。
ライターの就職先・活躍の場
プロダクションなどで会社員として働くか、フリーランスか
ライターの大多数はフリーランスとして活躍しており、特定の企業に所属していないことが多いです。
ただし、会社員のライターがまったくいないわけではありません。
フリーランスのライターも、もともとは出版社や編集プロダクションで「編集者」として経験を積んでから独立した、というケースが目立ちます。
最近ではWeb系の制作会社などでライターや編集の仕事を経験し、独立する人も増えています。
もちろん、長く会社で働き続ける人も一部にはいます。
一方、会社勤めをまったくせずに、ずっとフリーランスのライターとして働いている人もいます。
たとえばライター養成スクールに通ってそのままフリーランスになる人、また、近年ではクラウドソーシングやSNSを活用し、副業でライターをしている人も増えています。
ライターの1日
自分でスケジュールを組み立てて行動する
フリーランスとして働く人が多いライターの1日の流れは、個々でまったく異なるものになります。
勤務時間や休日が定められているわけではなく、その時々に請け負っている案件に応じて、自分自身でスケジュールを組み立てます。
原稿には必ず締切がありますが、それさえ守れば比較的自由な過ごし方が可能です。
以下では、夜型生活を送るフリーランスのライターのある1日の例を紹介します。
ライターのやりがい、楽しさ
自分の文章が世の中に出て、多くの人に評価してもらえたとき
ライターがやりがいを感じるのは、自分が書いた文章が記事になって世の中に出て、多くの人に届いたと実感できたときです。
ときには自分の書いた記事が読者アンケートで高評価をもらったり、インターネットで話題になったりすることもあります。
「作家」と違い、読み手と直接触れ合うことがほとんどないライターは、こうしたときに喜びを感じます。
また、書いた記事のクオリティが高ければ、出版社や編集プロダクションの担当者からお褒めの言葉をもらえることもあります。
自分の腕で勝負していく職業だからこそ、「次もまたお願いしたい」「〇〇さんに書いてほしい」などとクライアントから言われることも、大きなやりがいにつながります。
ライターのつらいこと、大変なこと
クライアントの要望に沿った記事を書き続けること
「ライター」と「作家」の大きな違いは、ライターの場合、基本的にはクライアントに依頼された内容の記事を書かなければならないことです。
ときには自分の意に反した内容や、まったく興味のないジャンルの記事も書かなくてはならない場合があります。
また、どんなに時間をかけて書いた記事でも、クライアントからOKが出なければ修正しなくてはなりません。
日によっては思うように筆が進まず、スランプのような状態に陥ってしまうこともありますし、締め切りに追われ続けて疲れることもあります。
いくら書くことが好きでも、仕事として責任をもって書き続けること、そして自分の書いた原稿が他者に評価されることをプレッシャーに感じる瞬間もあるかもしれません。
ライターに向いている人・適性
言葉が好きで、わかりやすい文章が書ける人
ライターに向いているのは、まず、日本語を読むこと・書くことが好きな人です。
ライターは、1日に何時間も机に向かって言葉を生み出し、書き続けることになります。
また、ライターはクライアントや読者のニーズを満たす「読みやすく、わかりやすい文章」を書くことが求められます。
ライター志望の人は「自分にしか書けないオリジナルな文章」に憧れを抱くかもしれませんが、どれだけ個性が感じられる文章でも、読みづらい文章では商品として認めてもらえません。
文章を書くのが好きなことはもちろんですが、書いた原稿がお金になることを意識して、常に読み手としての感覚を忘れずに言葉と向き合える人がライターに向いているといえるでしょう。
そして、日ごろからたくさんのすぐれた文章を読み、語彙力や表現力を高めていく努力を続けることも重要です。
関連記事ライターに向いている人とは? 適性や必要な能力を紹介
ライター志望動機・目指すきっかけ
文章を書くのが好き、手に職をつけたいなど
ライターの志望動機として最も多いのは、やはり「文章を書くことが好き」というものです。
ライターは日々あらゆる文章に触れ、自ら調べたことや、人から聞いたことを文章にしていきます。
多いときは1日に10時間近く執筆作業を進めることもありますが、書くこと自体を苦にせず、むしろ楽しめるような人が、ライターになりたいと考えるようです。
たとえば、子どもの頃から自分の思いを作文や日記などに書くことが好きだった、自分が書いた文章が他人に読まれることにワクワクするといった人が、ライターを目指すケースはよくあります。
また、昨今のライターはパソコンを活用して在宅でも働きやすくなっていることから、手に職をつけて稼ぎたいという思いをきっかけに、ライターを志望する人も増えています。
関連記事ライターの志望動機と例文・面接で気をつけるべきことは?
ライターの雇用形態・働き方
正社員やアルバイト、フリーランスなどさまざま
ライターには、さまざまな雇用形態・働き方があります。
会社で働く場合は、出版社や編集プロダクションに所属するのが一般的ですが、必ずしも正社員として雇用されるとは限りません。
未経験者はアルバイトや契約社員などの形で入社し、経験を積んで正社員になるといった例もあります。
ただ、近年ではWebメディア企業でのライター募集も増えてきているため、ライターの働き方は、さらに広がりを見せています。
一方、会社勤めではなくフリーランスとして働くライターも多数います。
フリーランスになれば、さまざまなクライアントから依頼を受けて、仕事をすることができます。
昨今ではクラウドソーシングサービスやSNSなどを活用し、在宅でライターとして働いている人、ほかに仕事を持ちながら副業・兼業でライティングをする人も増えています。
ライターの勤務時間・休日・生活
人それぞれ生活スタイルは異なる
ライターの生活は、人によってまったく異なります。
多くのライターはフリーランスで働いているため、勤務時間や休日がはっきりと定められているわけではありません。
自分がその時々に抱えている案件に合わせて、スケジュールを組み立てて仕事を進めることになります。
取材が多いライターの場合、アポイントメントはほとんど日中に入るため、自然と朝型の生活をすることになります。
一方、ほとんど自宅などにこもって執筆を進めていくライターは、夜のほうが集中できるなどで、完全な夜型になっている人もいます。
ライターの仕事には、一つひとつの原稿に「締切」が設定されるため、締切を意識しながら上手にオンオフをコントロールしている人が多いです。
ライターの求人・就職状況・需要
新卒者は出版社や編集プロダクション、Web系企業などへの就職を目指せる
ライターの多くはフリーランスで活動しているため、会社員として働ける先を見つけるのは、やや難しいところがあります。
会社勤めを希望するのであれば、出版社や編集プロダクションへ入社して「編集者」として経験を積むとよいでしょう。
このような場では、業界の知識、制作の一連の流れを現場で学ぶことができますし、将来的にライターとして独立してからも役立つ知識やスキルが得られます。
最近はWebメディア系の企業でもライターを募集するケースが増えているため、ライター志望者が会社で働く経験を積めるチャンスはやや増えています。
しかし、全体としては正社員ではなくアルバイトの募集も多いため、必ずしも安定した働き方ができるとは限りません。
インターンを募集する企業も見られるため、学生であれば積極的に探してみるとよいでしょう。
ライターの転職状況・未経験採用
未経験者は地道に経験を積んでいく努力が必要
ライターの求人や募集は、決して少ないわけではありません。
ただし、出版社や編集プロダクション、Web制作会社、広告代理店などへの転職となると、業界に関連する職務経験がなければ厳しいと考えておいたほうがよいでしょう。
一方、フリーランスのライターへの転職を目指すということであれば、比較的簡単に実現可能です。
ライターは特別な資格が求められる職種ではなく、最近はクラウドソーシングサービスなどで、手軽にライティングの仕事を受注できるようになっています。
経験やクオリティをそこまで問われない案件もあり、挑戦しやすい環境が整ってきています。
しかし、簡単な案件ほど単価は相当低く設定されていることが一般的で、安定した生活が送れるだけの収入が得られるかどうかはまた別問題です。
フリーランスのライターとして働き続けるのであれば、地道に経験を積み、スキルを磨いて、仕事の単価・報酬を上げていく努力が必要です。
ライターにはどんな種類がある?
多くのライターが自分の得意分野や専門分野をもっている
ひとことで「ライター」といっても、ライターごとに専門・得意とするジャンルは異なります。
さまざまなジャンルの記事を書くオールラウンダータイプの人もいれば、金融・芸能・スポーツなど専門分野に特化して活動をする人もいます。
トラベルライター、グルメライター(フードライター)といった人も、専門分野特化型のタイプです。
社会問題や時事問題を扱う専門のライターは「ルポライター」と呼ばれます。
次に、ライターのなかでも商品や企業の宣伝や認知度向上を目的としたコピー(文言)を考えるのが「コピーライター」です。
このほか、Webに掲載される記事をメインで執筆する人は「Webライター」、また、著名人に取材し、本人に代わって自伝などを執筆する人は「ゴーストライター」と呼ばれます。
ここで取り上げたものはいずれもライターの一種であり、法律などで明確な定義がなされているわけではありません。
ただ、各ライターは自身が専門とする分野をわかりやすく伝えるために、個人的に「Webライター」「グルメライター」などと肩書きをつけて働くことが多いです。
ライターは副業・在宅で働ける?
もともと独立して働く人が多く、在宅で仕事をしやすい
ライターは、さまざまな職業のなかでも、副業・在宅で働きやすいもののひとつといえるでしょう。
そもそも、ライターは編集プロダクションや制作会社などに会社員として勤務する人がいる一方、独立し、フリーランスの形態で活動する人も非常に多いことが特徴です。
フリーランスになった人のほとんどが在宅で仕事をしています。
また、ライターの仕事は、基本的にはパソコンとネット環境さえあれば、日本全国、あるいは世界中のどこでも行うことが可能です。
最近はクラウドソーシングサービスが普及したことで、業界未経験者が手軽にWebライティングの仕事を請け負うケースも増えてきました。
会社員など本業をもちながら、収入を増やすためにオフの時間を使ってライティングの仕事をするといったこともよくあります。
ライターのキャリアパス
Webマーケターやディレクター、各分野の専門知識を生かした活動など多彩
ライターのキャリアパスは、さまざまなものが考えられます。
決まったキャリアパスは存在せず、個人が理想とする働き方やスキルによっても、どのように活動していくかは異なります。
一般的に考えられるのは、Webライターとしての経験を生かして、Webマーケティングやディレクターになるといったキャリアです。
Webライターには、SEOをはじめとした集客施策を考えて記事を書くスキルが求められるため、Webマーケティング方面の知識を深めていけば、Webマーケターになれる可能性は十分にあります。
もうひとつは、記事が掲載される媒体や、コンテンツ全体の企画・編集に携わるディレクターも、ライターとの関連性がある職種です。
このほか、コピーライティングのスキルを磨き「コピーライター」としての活動をメインにしていく人もいます。
また、特定分野で専門的な記事を執筆しているライターであれば、その分野に関するセミナーを開いたり、動画配信をしたりといったキャリアも考えられます。