雑貨デザイナーの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

「雑貨デザイナー」とは

雑貨デザイナーの仕事内容・なり方・年収・資格などを解説

食器、キッチン用品、文房具など、あらゆる生活雑貨の素材や色、形などをデザインする。

雑貨デザイナーは、食器、キッチン用品、文房具、バス・トイレタリー、リネン類など、あらゆる生活雑貨の素材や色、形などをデザインする仕事です。デザインの美しさだけでなく、素材の質感、機能性、安全性、コストについても考慮する必要があります。

この仕事に就くには、芸術系、美術系の大学や専門学校でプロダクトデザイン、雑貨デザインを学び、雑貨メーカーやプロダクトデザイン事務所へ就職するのが一般的といえます。

平均年収は300~400万円程度といわれますが、経験を積んで独立して働いたり事務所を開業したりして、高収入を得ている人もいます。

身の回りの生活雑貨には常に新しいデザインや機能性が求められており、確かな技術と独自性を発揮できるデザイナーは今後も安定した需要があるでしょう。

「雑貨デザイナー」の仕事紹介

雑貨デザイナーの仕事内容

生活雑貨の素材や色、形など全体的にデザインするのが雑貨デザイナーの仕事です。

食器、キッチン用品、文房具、バス・トイレタリー、リネン類など、あらゆるプロダクトをデザインします。

商品企画から三面図による製図、デザイン画、指示書・仕様書の作成、サンプル製作、完成品の製造まで、工程管理を担当することも多いでしょう。

企画、製造、販売の各担当者と打ち合わせ、デザインソフトを活用してデザインを仕上げます。

デザインの美しさだけでなく、素材の質感、機能性、安全性、コストについても考慮する必要があります。

つまり商品のスタイリング、スペック、ユーザビリティ、ブランディング、生産性に配慮した、多くの人々に喜ばれるものづくりが求められます。

雑貨デザイナーになるには

雑貨デザイナーになるために必要な国家資格などの公的資格、民間資格はありません。

芸術系、美術系の大学や専門学校でプロダクトデザイン、雑貨デザインを学び、雑貨メーカーやプロダクトデザイン事務所に就職するのが一般的です。

芸術系、美術系の大学や専門学校の入学試験は一般の学科試験だけでなく、デッサン、色彩、立体といった実技試験が課せられる場合があります。

そのため志望する進路によっては高校時代からデッサンなどを習う必要があります。

また雑貨デザイナーという職種で採用されるためには、就職面接の際にポートフォリオ(自己作品集)の提示を求められることが多いので、準備しておく必要があります。

雑貨デザイナーの給料・年収

雑貨デザイナーとして就職した際の初任給は15~20万円程度、平均年収は300~400万円程度でしょう。

勤続年数や役職の昇進度合いなどによって幅があります。

中途採用の場合、雑貨デザイナーの実務経験が3年以上あれば、収入面で優遇されるでしょう。

またアルバイトであれば時給900円程度からスタートするのが相場と見られます。

ヒット商品をデザインしたり、権威あるデザイン賞を受賞したりするなど、突出した才能のある雑貨デザイナーは、独立してフリーで活躍、あるいはデザイン事務所を開業することもあります。

雑貨デザイナーの平均年収・月収・ボーナス

雑貨デザイナーの平均年収_2023

厚生労働省の令和5年度賃金構造基本統計調査によると、雑貨デザイナーの平均年収は、38.8歳で509万円ほどとなっています。

・平均年齢:38.8歳
・勤続年数:10.3年
・労働時間/月:171時間/月
・超過労働: 8時間/月
・月額給与:363,800円
・年間賞与:727,500円
・平均年収:5,093,100円

出典:厚生労働省「令和5年度 賃金構造基本統計調査」
雑貨デザイナーの年収の推移_r5

※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。

雑貨デザイナーの勤務先の規模別の年収(令和5年度)

雑貨デザイナーの年収は、勤務先の事業所の規模によって大きく異なります。

10〜99人規模の事業所に勤める雑貨デザイナーの平均年収は442万円、100〜999人規模は498万円、1,000人以上の規模では681万円、10人以上規模の事業所平均は509万円となっています。

雑貨デザイナーの年収(規模別)_r5

上記グラフの基タイトルは「デザイナー」でファッションデザイナー、テキスタイルデザイナー、ウエディングドレスデザイナー、ジュエリーデザイナー、ゲームデザイナー、グラフィックデザイナー、パッケージデザイナー、キャラクターデザイナー、プロダクトデザイナー、カーデザイナー、ディスプレイデザイナー、ガーデンデザイナー、空間デザイナー、照明デザイナー、インテリアコーディネーターなど他職業を含むデータです。

賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。

雑貨デザイナーの勤務先の年齢別の年収(令和5年度)

雑貨デザイナーの年収を年齢別に見ると、年齢の上昇にしたがって、年収も上がっています。最も年収が高い世代は、55~59歳の684万円です。

全年代の平均年収は509万円となっています。

雑貨デザイナーの年収(年齢別)_r5

上記グラフの基タイトルは「デザイナー」でファッションデザイナー、テキスタイルデザイナー、ウエディングドレスデザイナー、ジュエリーデザイナー、ゲームデザイナー、グラフィックデザイナー、パッケージデザイナー、キャラクターデザイナー、プロダクトデザイナー、カーデザイナー、ディスプレイデザイナー、ガーデンデザイナー、空間デザイナー、照明デザイナー、インテリアコーディネーターなど他職業を含むデータです。

雑貨デザイナーの現状と将来性・今後の見通し

立体的な商品全般をデザインするプロダクトデザイナーのなかでも、雑貨だけを専門的にデザインする雑貨デザイナー。

また雑貨にもあらゆる商品があり、さらに細分化されたジャンルのみ特化してデザインする人もいます。

ただし、専門的になるほど企業数もデザイナーの数も少なくなり、実務経験によって身につく能力が重要視されます。

少数精鋭の実力者が大活躍することはありますが、雑貨以外のデザイナーになる人やデザイナー以外の雑貨関係者になる人も多いでしょう。

しかし、身の回りにある生活雑貨は常に新しいデザインや機能性が求められています。またオリジナルのキャラクターグッズが大ヒットする場合もあります。

狭き門を突破して、ほかにはないものを生み出すことができる雑貨デザイナーは、これからも優れた雑貨を提供してくれることでしょう。

雑貨デザイナーに向いている人・適性

寝ても覚めても雑貨について考えることになるため、雑貨が好きな人、絵を描くことやものづくりが得意な人、手先が器用な人、美的センスや芸術的な審美眼がある人は雑貨デザイナーに向いているといえるでしょう。

また、商品や素材についての専門的な知識や市場のニーズ、立体物をデザインする技術は常に進化しているため、向上心があり探究心が旺盛な人は適性があります。

ただ芸術的に優れたデザインであっても商品としての機能を果たさなければ仕事になりません。

大勢の関係者と打ち合わせを繰り返しますから、コミュニケーション能力や理解力、順応性、客観性、適応力のある人は雑貨デザイナーに向いているでしょう。

また工程管理も行うことが多いので、責任感や行動力、リーダーシップがある人も適性があります。

雑貨デザイナーの勤務時間・休日・生活

雑貨デザイナーは正社員、契約社員、アルバイト、いずれの雇用形態の場合でも、フルタイムで勤務する場合がほとんどです。

基本的には土日祝が休みの週休2日制、勤務時間は8時間ですが、日常的に残業は多く、休日出勤もあることもあるでしょう。

デザイナーというと派手な職業というイメージを抱くかもしれませんが、実態としては非常に淡々とした作業の連続です。

また、必ずしも好きな雑貨を好きなようにデザインできるとは限りません。

自らデザインを企画する場合でも、コンセプトは商品開発の担当者やクライアントの意図をくんで立案する必要があります。

市場のニーズや機能性など考慮しなければならない要素もたくさんあるため、長時間労働になることも多いでしょう。

雑貨デザイナーの求人・就職状況・需要

雑貨デザイナーの就職先としては、雑貨メーカーやプロダクトデザイン事務所が理想的ですが、企業数や採用人数はけっして多いとはいえません。

たとえ雑貨メーカーであっても募集職種は営業職や販売職、事務職のいずれかというケースが多いのです。

そのため雑貨に限らず、プロダクトデザインに幅を広げて、さまざまなメーカーやデザイン事務所に勤務する人もいます。

基本的には正社員になりますが、契約社員やアルバイト、パート、独立・開業してフリーで活躍する場合もあるでしょう。

また、契約社員で採用された場合も実力が認められると正社員に登用されることがあるでしょう。

また営業職や販売職でもかまわないから雑貨メーカーで働きたいと考える人もいます。

デザイン部門への異動はほとんどないと覚悟したうえで、通常の勤務以外に商品企画やデザイン案を提出するなど並外れた努力を重ねると、希望が叶う場合もあるでしょう。