透析室での看護について(体験談)

透析とは

私は看護学校卒業後、病院のオペ室に勤務し、現在は透析クリニックで働いています。

透析というのは、腎臓疾患で排尿が十分に行えず、体内に貯まった余分な水分や電解質を濾過する治療のことをいいます。

透析を必要とする患者さんは、現代社会で糖尿病の患者さんが増えているのと並行して増加の一途をたどっているといわれます。

普段は仕事をしたり運動したりと、他の疾患の方と変わらず過ごすことができますが、透析が必要という診断を受けたならば週に3度、1回で4時間の透析を、一生行わなくてはいけません。

なお、腎臓疾患は血液透析のほか、腹膜透析や腎移植によって治療をすることもありますが、現在の日本では圧倒的に血液透析を行うケースが多くなっています。

透析クリニックの就業時間

透析を行う設備は大きな病院の中にもありますが、私が勤務している場所は小さなビルの4階分をクリニックとし、2フロアで毎日60名程の患者さんの治療を行っています。

なかには24時間営業しているクリニックもありますが、当院では夕方までのクールと、夜23時までのクールを交代制で勤務しています。

患者さんは世間の休日は関係なく透析治療を必要とするため、働くスタッフも祝日は関係なく、ゴールデンウィークやお正月、お盆もありません。

これらの連休期間の休日は、他のスタッフと調整しながらとることになります。

大変な仕事ではありますが、夜勤がないことから、子育て世代でも夜中起きるのが辛い人にとっても働きやすい環境です。

患者さんとの関係

患者さんとは週の半分は治療で顔を合わせるため、生活時間の違う家族よりも多くの時間を共にするといったことも珍しくありません。

透析治療では毎回太い針を2カ所刺す必要がありますが、看護師は針を刺すことだけが仕事ではなく、治療中に急変が起こらないようにあらかじめ患者さんの状態を予測しながら観察していきます。

患者さんは高齢の方が多く、他にも疾患を持っている方がいます。

また、腎臓病の合併症にも気を配る必要があるため、大きな病院と連携を図りながら、適切な受診ができるように家族やケアマネジャーとコンタクトをしっかりととっていきます。

透析治療は命が果てるまで続けなくてはならないため、どこかで精神的に参ってしまう方もいます。患者さんの気持ちに寄り添いながら、その方に合った方法で治療を進めていくことが必要になります。

また、「どうしてもあの看護師でないと嫌だ」などと言われることもあれば、毎回、他の階まで担当スタッフを探しに行き、「ありがとう」とお礼を述べて帰られる患者さまもいます。

そういった一人ひとりの患者さんの様子や精神面も見守りながら、看護業務に就いています。