看護師と准看護師の違い
看護師と准看護師の仕事内容の違い
看護師には、「看護師」と「准看護師」という2つの資格があります。
どちらも看護のプロフェッショナルであることは共通しており、手掛けられる看護業務の範囲も同様です。
両者の違いは大きく分けて2つあります。
ひとつは、資格の種類です。
准看護師の定義は、「都道府県知事の免許を得て、医師、歯科医師、または看護師の指示を受けて療養上の世話、または診療の補助を行なうこと」となっています。
つまり、看護師は国家資格であるのに対し、准看護師は都道府県知事が認定する免許となっています。
もうひとつの違いは、看護師は自らの判断で業務を行えるのに対し、准看護師は医師や看護師の指示がなければ業務が行えないことです。
20代で正社員への就職・転職
看護師と准看護師のなる方法・資格の違い
看護師になるには、高校卒業後に看護大学や看護系の短大、もしくは看護専門学校へ進学し、所定の単位を修得したうえで、看護師国家試験を受験する必要があります。
国家試験に合格すれば厚生労働大臣より看護師免許が与えられ、看護師として病院やクリニックなどで働けるようになります。
一方、准看護師になるための学校は、高校卒業後に進学できる看護系の大学や短大、専門学校のほかに、中学卒業後に進学できる准看護師養成所や高等学校の衛生学科があります。
いずれの学校への進学を選んでも、所定のカリキュラムを修了し、准看護師試験を受験して合格しなくてはなりません。
准看護師資格を取得した准看護師は、病院やクリニックを中心に就職して働きます。
看護師と准看護師の資格・必要なスキルの違い
看護師と准看護師は、資格の種類が異なります。
看護師は厚生労働大臣の免許、そして准看護師は都道府県知事の免許です。
看護師に比べて准看護師は所定の教育時間が少ないため、看護の養成学校に進学してから資格取得までの期間も短いことが特徴です。
ただ、看護師も准看護師も業務内容や業務範囲はまったく変わりませんから、在学中に看護の専門的な知識・技術をきちんと身につけて学校を卒業し、現場に出ることが大切です。
看護師も准看護師も「名称独占資格」となっているため、看護師でない人が看護師と名乗ったり、准看護師でない人が准看護師と名乗ったりすることは認められません。
20代で正社員への就職・転職
看護師と准看護師の学校・学費の違い
看護師の学校には、高校卒業後に進学できる大学や短大、専門学校があり、最低でも3年間通わなくてはなりません。
学校の種別、また国公立と私立でも学費には違いがあり、4年制の私立大学では合計で500~700万円程度、私立の専門学校では250万円前後が相場とされています。
准看護師の学校は中学卒業後に進学する人が多く、公立や医師会立などがあります。
こちらも学校によって学費には差が出ますが、授業料のほか実習費なども含めると、年間でおよそ50万円、2年間では100万円程度が必要になってくることが多いです。
なお、今後は看護師と准看護師の免許を、看護師に一本化することが検討されています。
こうした時代の流れを受けて、一部の都道府県では、すでに准看護師の新規採用を行っていないところも出ており、准看護師の養成課程を置く学校は年々減少傾向にあります。
しかし、准看護師の学校には半日制のところもあるため働きながら資格取得が目指しやすいことや、看護師の学校よりも安い学費で通えることがメリットです。
そのため、准看護師資格取得を目指して准看護師養成課程で学ぶ人は現時点でも多くいます。
看護師と准看護師の給料・待遇の違い
看護師と准看護師は仕事内容に違いはないものの、准看護師は看護師と比べると、やや給与水準が低めとなっています。
待遇に関しても、職場によっては看護師よりも准看護師の待遇がよくない場合があり、この点に不満をもつ人もいるようです。
実際、大手の病院では准看護師の採用を行っていなかったり、役職者になれるのは看護師のみとしていたりする場合もあります。
しかしながら、看護師不足の現代の日本において、准看護師は地域のクリニックや中小規模の病院、また介護施設などで大きなニーズがあります。
看護師と准看護師はどっちがおすすめ?
現場に入ってしまえば、看護師と准看護師で仕事内容に違いはありませんから、どちらを目指しても看護のプロフェッショナルとして活躍できます。
ただ、就職先やキャリアパスの選択肢を広げたいと考えているのであれば、看護師資格を取っておくのがおすすめです。
というのも、もし看護師と関連性の高い「助産師」や「保健師」の資格取得を目指していく場合、看護師であればどちらも取得可能ですが、准看護師ではあらためて看護師にステップアップしない限り、取得できないからです。
また、将来的に「専門看護師」や「認定看護師」を目指す場合にも、准看護師では資格を取得できません。
大規模な病院へ就職したい場合も、看護師の資格を取得しておくほうが有利になる場合があります。
ただし、准看護師の就職先が極端に少ないわけではありませんし、実務経験を積むことで看護師へステップアップする道もあります。
中学卒業後、いち早く看護の現場で働きたい人は、まず准看護師になるのもよいでしょう。