看護学校ではどんなことを勉強する?
看護学校では看護師となるための知識・技術を習得
看護学校では、3~4年ほどかけて看護師として求められる知識・技術を学んでいきます。
病気やケガを抱えている人のお世話や、医師の診察の介助を行なうためには、病気に関する知識、人体のしくみ、包帯の巻き方、注射の仕方など、さまざまなことを身につけなくてはなりません。
看護師が学ぶべきことは医療や看護の知識・技術にとどまらず、「看護師としてどうあるべきか」といった倫理観や人間性も含まれます。
看護師には、尊い人命に携わり、病や怪我で苦しむ人に寄り添い、体や心の痛みを軽減する役割が求められています。
看護学校はそのための教養を身につける場所でもあるのです。
ここからは、看護学校で具体的にどういった勉強を行うのかを紹介していきます。
看護学校の学びは、大きく「座学」と「実習」に分かれます。
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看護学校の座学中心の科目
基礎分野
基礎分野では、看護の専門的な勉強をしていく土台となる基本的な科目について学びます。
論理的思考を高めるための科目や、国際化・情報化社会に対応できる能力を磨く科目、あるいは看護の対象となる人間心理学など、幅広い科目が用意されています。
授業科目の例
基礎専門分野
専門基礎分野では、看護の基礎となる人体の構造を理解し、健康・疾病・障害に関する観察力や判断力を身につけるための科目があります。
また、健康支援や社会保障などについての勉強も行います。
授業科目の例
- 解剖生理学
- 生化学
- 疾病論
- 治療論
- 臨床心理学
- 公衆衛生学
専門分野
専門分野は「専門分野I」と「専門分野II」に分かれています。
専門分野Iでは、専門的な看護学を学ぶ土台づくりのために、看護とは何かということや、看護実践の基礎技術と態度を習得します。
専門分野IIでは、小児期・成人期・老年期といったあらゆる発達段階における人々の健康問題の特性を理解し、必要な看護の知識と看護実践の高度な能力を身につけていきます。
授業科目の例
- 基礎看護学
- 成人看護学
- 在宅看護理
- 老年看護学
- 小児看護学
- 母性看護学
- 精神看護学
統合分野
基礎分野・専門基礎分野・専門分野で学んだ知識・技術を統合する、看護基礎教育の集大成となる科目群です。
看護をマネジメントできる基礎能力を養ったり、災害の現場での看護や多職種との連携をする「チーム医療」の考え方、医療安全の基礎知識などを学びます。
臨地実習も行われ、臨床業務により近い状況で、実践的な知識・技術を身につけていきます。
授業科目の例
- 在宅看護論
- 看護管理
- 災害看護
- 国際看護
- 医療安全と看護技術
看護学校の実習(臨地実習)
臨地実習とは、医療機関などの場で実際に患者さんと接し、看護師としての業務を体験学習する科目です。
座学で学んださまざまな知識を臨床の現場で実践することで、看護師としていざ働きはじめたときにスムーズに動ける準備ができます。
通常、臨地実習は2年次以降に行われることが多いですが、学校によっては1年次から段階的に実習科目が設定されます。
専門学校では実習科目を多く設定するところが多く、より実践的な能力を身につけることに力を入れています。
実習先は学校ごとに異なり、学校の系列病院や外部の病院を中心に、老人保健施設や訪問看護ステーション、あるいは保育園、地域包括支援センターなど、さまざまな場で実習が実施されます。