百貨店で働くには(大学学部・学歴)
百貨店会社社員になるまでの道のり
百貨店の採用試験を受ける
百貨店社員として働くには、基本的に各百貨店の採用試験を受けて採用される必要があります。
百貨店によって異なりますが「大卒以上」の学歴を求められることが多く、とくに大手や名の知れた百貨店のほとんどでは大卒以上の学歴を必須としているケースがほとんどです。
求人に応募すると、それぞれの会社が独自に実施している入社試験(筆記試験や面接など)を受け、採用されてから本人の適性や希望などを考慮し、各部門へ配置されます。
派遣の販売員も多い
各ショップの店頭に立つ販売職の場合、百貨店の社員ではなく、メーカーから派遣されて百貨店で働いている人も多くいます。
こうした人は、「派遣販売員」といわれます。
とくに、各社の競争が厳しくなり、人件費のコストダウンを余儀なくされている今では、百貨店社員よりも派遣販売員のほうが多いことも珍しくありません。
お客さまから見れば、百貨店社員と派遣販売員の違いはよくわかりませんが、メーカーから派遣されている人は、あくまでも派遣元のメーカーに所属しています。
ただし、百貨店社員と同じ場所で働く以上、勤務中は勤務先となる百貨店の「顔」となり、そこの接客方法やマナーに則って働くことが求められるため、派遣先での教育を受けて仕事に臨みます。
20代で正社員への就職・転職
百貨店会社の求人の状況
定期採用がメイン
百貨店といっても、誰もが名を知る大規模な百貨店から地方のローカルな百貨店まで規模はまちまちですが、大手の場合、新卒の正社員採用に関しては、ほぼ毎年定期的に実施されています。
年度にもよりますが、大手百貨店では毎年10名~30名程度を新卒社員として採用しているところが多いようです。
なお、百貨店業界は以前に比べると厳しい状況にあるといわれるものの、それでも学生の就職先としては比較的人気が高いことが特徴です。
とりわけ大手の場合、初任給はさほど高くなくても福利厚生や各種制度、教育体制がしっかりと整っているため、採用試験では高倍率となることも珍しくありません。
正社員以外の採用
各百貨店では、新卒での正社員採用のほか、契約社員やアルバイト・パートの採用も比較的よく見られます。
とくに販売職に関しては、契約社員やパート・アルバイトとして活躍している人も多いです。
これらの雇用形態であれば、通年で実施されていることも珍しくなく、正社員採用に比べると間口は広くなっているといえるでしょう。
また百貨店では中途入社の社員もたくさん活躍しており、全体として女性社員やスタッフの割合が高い業界であることから、人材の流動性は比較的高いと考えられます。
「女性にとっての働きやすさ」を大事にしている企業も多く、結婚や出産といったライフステージの変化によって転職や離職を防ぎ、女性が仕事を長く続けることができるようにしています。
なお、一部の百貨店では「正社員登用制度」を置いており、そこでは契約社員としての頑張りや成果が認められると、正社員になれるチャンスを掴むこともできます。
百貨店会社で働くための学部・学歴
百貨店で働く際に、特別な学歴が必要とされることはありません。
ただし、百貨店業界は就職先としての人気が比較的高いため、百貨店社員として働きたいという強い意志があるのであれば、大学に進学しておいたほうが選択肢は広がるでしょう。
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百貨店社員に必要な資格・スキル
百貨店で働くのにおすすめの資格は?
特別な資格は必要なし
百貨店社員として働くうえで、特別に必要とされる資格はありません。
資格を持っていることで、目標をクリアする努力が認められプラスに評価されることはありますが、それだけで採用の合否が決定するということはありません。
百貨店では、資格よりも「百貨店で働きたい」という熱意、そして人柄が重視されます。
また、この資格を持っていれば大きく優遇されるというものもとくにありません。
応募条件を満たしていれば、誰でも百貨店社員になれる可能性があるといえます。
独自の資格制度も
一部の百貨店では、販売職などの社員が確実にステップアップできるよう、自社で独自の資格制度を設けていることがあるようです。
業務に取り組みながら資格をクリアしていくことでスキルが身につくほか、給料がアップしたり、役職が上がったりすることにもつながります。
社員のスキル向上のために、資格取得のための教育や研修を積極的に開催している百貨店もあります。
百貨店の社員全般に有利な資格
販売員には、英語をはじめとする語学力が求められます。
百貨店には外国人のお客さまもいらっしゃるため、外国語が話せれば、いざというときにきちんとした接客ができるでしょう。
また、バイヤーとして海外に買い付けに行ったり、社内に渉外部があったりする場合にも、大いに役立ちます。
「TOEIC」などの高いスコアを持っていれば、それを面接でもアピール材料として使えます。
また近年では、アジア圏からの観光客が増えているため、英語だけでなく中国語や韓国語などが話せる人も重宝されます。
百貨店の事務職に有利な資格
総務や経理など職種によっては、事務仕事をすることも少なくありません。
「パソコン検定」や「ビジネス実務マナー検定」を取得しておいたり、マイクロソフトのオフィス系ソフトを使えるようにしたりしておけば、スムーズに業務を進められるでしょう。
また近年では在庫管理や売り上げ管理をパソコンやタブレットで行っているところが増えてきているため、どの職種だとしても基礎的な使い方は身に付けておいて損はないでしょう。
百貨店の販売員に有利な資格
洋服などの販売をするうえでは「カラーコーディネーター」や「色彩検定」といった色に関する資格も役立たせられます。
インテリアや家具などを扱っている場合は、「インテリアコーディネーター」の資格を取得する人もいます。
また、接客サービスに関わる資格としては「接客サービスマナー検定」「ビジネス実務マナー検定」「サービス接遇検定」「販売士(リテールマーケティング)」などがあります。
とくに販売士3級は、接客販売員として基本的な知識とスキルが求められるため、新入社員全員に取得をさせているというところもあります。
販売士の資格は実務経験がなくても受験でき、接客や売場づくりなどの知識が身につくため、学生のうちに取得しておいてもよいでしょう。
百貨店会社社員に向いている人
百貨店社員として働くためには、流行やトレンド、お客さまのニーズなどをよく理解していなくてはなりません。
お客さまがどんな商品を求めているのか、先のシーズンにはどのような商品が流行しそうなのかといった情報を自ら集め、知識を身に付けられるかによって、売上も左右されます。
アクティブでどんどん新しいものを取り入れていこうとするタイプの人のほうが、この仕事には向いているといえるでしょう。
百貨店会社社員のキャリアプラン・キャリアパス
入社後はまず売り場で接客・販売の経験を積んだのち、本人の希望や適性に応じて各部門へと配置となる流れが一般的です。
将来的に本社勤務に配置をしたり、経営企画や事業企画といった部門での幹部候補として見なしたりするのは、大卒以上の人と考えている百貨店が多いようです。
百貨店会社社員は高卒から目指せる?
高卒でも応募できる百貨店もまったくないわけではありません。
とくに地方の百貨店では、地元の高卒や短大卒を多く雇用しており、高卒からでも百貨店社員として活躍している人はいます。
百貨店への転職を検討するなら、転職エージェントに相談してみよう
未経験や中途で百貨店を目指す場合には、転職エージェントに登録しておくのもおすすめです。
小売分野に強い転職アドバイザーから、業界情報を聞くことができたり、百貨店の「非公開求人」の情報を得ることができます。
まだ転職するか迷っている、そもそも百貨店が自分に合っているか不安という段階でも、専門家のアドバイスを聞くことでキャリア選択の幅を広げることができます。
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