大学職員と専門学校職員との違い

大学と専門学校は、どちらも高校卒業後に進学する人が多い教育機関です。

両者は、さまざまな知識やスキルを学べる場としては共通していますが、細かく見ていくと多様な違いがあります。

ここでは、大学と専門学校、それぞれで働く職員の仕事内容の違いについて紹介しています。

大学職員と専門学校職員の仕事内容の違い

大学職員と専門学校職員の仕事について、最もわかりやすい違いは「営業重視度」であるといえるでしょう。

専門教育機関である大学と異なり、専門学校の職員の仕事では「学生募集・営業」の職務が重視されます。

学生募集・営業の具体的な仕事とは、来校する高校生・大学生・社会人に対して、受講相談や学校を訪問しての進路相談、体験入学イベントを行い、新規入学者・受講生獲得を目指すことです。

大学にも入試広報の部門はありますが、大学案内パンフレット、Webサイト、新聞・雑誌、テレビコマーシャルなど、多くは「広告」の手法で学生募集を実施しています。

また、大学・専門学校ともに高校を訪問して、学校のPRをすることはあります。

ただ、大学ではパンフレットの配布など広報活動が多いのに対し、専門学校では高校との信頼関係を築き、高校から生徒を送り出してもらうところまで継続的にサポートするなど、営業色が強い傾向があります。

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同じような学科がある大学と専門学校の違いとは?

大学は学問的な色が強い教育機関で、幅広い教養を身につけながら、専攻分野の知識や理論を学びます。

それに対し、専門学校は実践的な教育機関で、専攻分野を主体に、特定の職業に必要な知識や技術を学びます。

専門学校の一番の特徴は、実習の多さです。

卒業後すぐに即戦力として働ける能力を身につけるため、技術を体で覚えることが重視されています。

まさに「仕事」に直結する知識・スキルを身につけたいと考える学生に対し、学生生活のサポートを行うことが、専門学校職員には求められています。

一方、大学は学問の研究機関でもあり、専門学校ほど職業教育を重視していません。

しかしながら、最近では大学でも実習などの実学教育を重視するところが増えているのも事実です。

たとえば、経営学部のように会計やITなどの実務者養成を行う学部でも、演習・実習系科目の増加が見られます。

昨今は、通常より長い3~4年制の専門学校や職業・資格と直結した大学など、従来の専門学校・大学の枠にとらわれない、特色のある教育機関が目立つようになっています。

大学と専門学校などとの資格指導の違い

TOEICテスト、簿記検定、秘書検定などのビジネス系資格は、大学でも専門学校でも受験を推奨しています。

ただし、大学の場合は大学生協やキャリアセンターが受験受付の窓口になっているケースが多くあります。

キャリアセンターの職員であれば、志望する業種別に新入社員に求められるTOEICスコアのデータなどを調査し、「いつまでに何点取りましょう」と、学生の目標設定をサポートするカウンセリングが主体になります。

一方、専門学校や各種スクールは、資格試験の平均点や合格率をウリにしています。

専門学校の英語専攻学科では、受け持ちの学生がTOEICスコアを200点、300点上昇させるのは当たり前と語っている講師もいます。

資格対策授業の効果は講師力と相関性があるため、予備校のカリスマ講師のように、独自のノウハウを持ち、学生を飽きさせない授業を行える講師が増えると有利になります。

したがって、専門学校職員には、力量を持った講師を採用するとともに、人気の講師が他校に流出してしまわないよう、勤務量や待遇が講師の納得のいくものになっているかマネジメントすることも求められています。

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大学と専門学校との連携の広がり

大学が全入時代を迎えたことを背景に、専門学校が大学と編入学協定を交わすなど、専門学校と大学との連携・接続が進んできています。

また、近年、大学職員が積極的に取り組んでいるのが、他大学、短大、専門学校などが独自に持っている科目を学生に履修させて、その学習成果も卒業に必要な単位として認めようという「単位互換」の動きです。

大学と専門学校の横のネットワークは、今後もますます広がり強化されていくことでしょう。

その動きに合わせて、大学の職員のみならず、専門学校の職員の業務や仕事の内容も変わっていくものと推測されます。

大学職員は、専門学校などの職員と積極的に情報交換をして、連携を図っていく姿勢がますます大切になってくるといえます。