手話通訳士の現状と将来性

現在はボランティア色が強い

時代とともに障害者の社会参加が進む中、正しい知識とスキルを持つ手話通訳士の需要は確実に高まっています。

養護学校や福祉施設、病院だけではなく、銀行、百貨店、警察、議会など日常生活のあらゆる場面で、耳の不自由な方が健常者と同等のサービスを受けるためには、手話通訳士の存在が必要不可欠です。

バリアフリーが叫ばれる現代社会において、手話通訳士の活躍の場はより一層増えていくことが予想されます

しかし、国を始めとする自治体が手話通訳に充てることのできる予算は決して高いとはいえません。

そのため、手話通訳士一本で生計を立てられる人はほんの一握りしかいないのです。

したがって、手話通訳士はパートやボランティアとして副業的に活動する人が圧倒的に多く、職業としての社会的認知度は、残念ながらまだあまり高くないという現状があります。

資格取得は超難関

手話通訳士は手話の基礎技術に加え、通訳するスキルを要する専門職です。

公的資格である手話通訳士の資格を得るための試験を突破することは簡単なものではなく、その合格率は20%ほどであるといわれています。

その一方で手話通訳業務はこの資格がなくても行うことができるため、あえて難関試験を受けることなく、各自治体の手話通訳者として登録され、身近なところから障害者のサポートをしていくといった道を選ぶ人も増えています。

今後の手話通訳士

手話通訳士を含む、福祉の仕事は社会的責任も大きく、担う役割も非常に大きなものであり、その需要がなくなることはありません。

しかし、その一方で職業としてはまだまだ雇用人数が少なく、待遇面でも厳しい業界であるのが現状です。

また、最近では音声をリアルタイムにテキスト変換する技術が開発され注目されています。この技術が広まることにより、手話通訳との棲み分けがどのように行われるのかは未知数です。

しかし、手話は言語です。耳の不自由な方にとって唯一自由に扱うことのできる言語なのです。

手話によるコミュニケーションが耳の不自由な方をどれだけ元気づけ、前向きにさせることができるかは言うまでもないでしょう。

たしかにテキスト変換技術は耳の不自由な方の生活を劇的に便利にするものであることは間違いありません。

しかし、手話の需要がまったくなくなることはありえないと考えてよいでしょう。

今後は手話通訳とテキスト変換技術を適材適所で使い分けることで、耳の不自由な方がよりよく生きられる社会の到来が予想されます。

手話通訳士が副業的要素の強い職業であるという現状があるのは前述のとおりです。

今後、公共施設を始めとするあらゆる場所に専業の手話通訳士が置かれることで、手話通訳士の職業的地位が向上することを期待したいところです。