手話通訳士の仕事とは? わかりやすく仕事内容を紹介

手話通訳士の仕事とは

手話通訳士は、聴覚に障害を持つ人が他者と円滑なコミュニケーションを図れるよう「手話」という技法を使って、言葉を目に見える形に変換する通訳を行う仕事です。

相手に情報が正しく伝わることを心がけ、外国語の通訳者と同じように、健常者が話す日本語を手話に直したり、障害者が使った手話を日本語に直したりします。

高度なスキルを要する仕事ですが、今のところ国家資格は存在しません。

手話通訳そのものは、特別な資格を持っていなくても行うことが可能です。

ただし、厚生労働省が認定する「手話通訳士」の資格を取得し登録することで、裁判や警察、選挙関連など公的な場面での仕事ができるようになり、活躍の幅は広がります。

手話通訳の仕事を行う人のこと全般を指して「手話通訳士」と呼ぶケースも多いようですが、正式には手話通訳士試験に合格し、登録した人のみが「手話通訳士」と名乗ることができます。

そのほか、都道府県の「手話通訳者」や市町村の「手話奉仕員」として、手話を使った活動を行う人もいます。

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手話通訳士の業務の内容

ニュースの通訳

聴覚障害者には、テロップや画面に映る映像だけでは情報がわかりづらいため、手話通訳は必須です。

2019年からは、気象庁の緊急会見に手話通訳がつけられるようになりました。

政見放送

公職選挙法の改正により、1995年から「名簿届出政党等が厚生大臣(現厚生労働大臣)公認の手話通訳試験に合格した手話通訳士を自らの手話通訳者として政見を通訳させることができるものとする」と定められました。

2011年からは、都道府県知事選の政見放送にも手話通訳が導入されています。

行政の窓口など

近年では、行政機関の窓口や大型ショッピングモールなど大勢の人が利用する窓口やインフォメーションでも手話通訳が設置されることが増えています。

障害者支援

障害者支援施設や障害に関する相談窓口など、福祉や医療の分野での活動は幅広く、さまざま業務を担っています。

手話通訳士の役割

手話は、耳が聞こえない、発声ができない人のための言語として世界的に認められています。

耳が聞こえない、発声ができないことにより、社会的に不利な立場になったり、不利益を被ったりすることがないように、手話通訳者は手話を通して人と人とのコミュニケーションをサポートする役割があります。

そのためただ機械的に通訳を行うのではなく、常に相手の立場や気持ちを考えて仕事に臨むことが大切です。

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手話通訳士の勤務先の種類

手話通訳士の多くは、障害者援護施設など、公共や民間の福祉関係施設で働いています。

ただし、手話通訳士としての仕事だけを行うことはまれで、介護福祉士社会福祉士などの介護職や生活相談員との兼務になるのが一般的です。

正社員ではなく、アルバイトやボランティアで働く人もいます。

手話通訳士は障害を抱える人と深く接することになるため、介護や福祉に関する幅広い知識を持っていれば、手話通訳を行う際にも大いに役立つでしょう。

手話通訳士は人材不足の職業であるため、現場に入ってから研修を受けてスキルを身に付けるといったことはほとんどありません。

即戦力となるためには、やはり資格取得を目指して学校で講座を受けたり、ボランティア団体で手話技術を学んだりするなどの必要があるといえるでしょう。

手話通訳士の仕事の流れ

手話通訳は、通訳する人の発声と同時に手話で通訳する必要があります。

限られた時間の中で、会話と同じスピードで手話を使わなくてはならないため、非常に高度なスキルが求められます。

また、会話の内容についても理解しなくてはならないため、教養や知識も必要とされます。

単に手話を使って会話をすることと、手話通訳をすることは全く違うスキルのため、通訳を目指す場合は通訳としての勉強をしなくてはなりません。