市役所職員のつらいこと・大変なこと・苦労

市役所職員のつらいこと・大変なこと

仕事の幅広さが負担に

通常、市役所職員のうち事務系職員(一般行政職)はだいたい3〜4年ごとに人事異動があり、幅広い分野の仕事を経験することになります。

産業振興、環境整備・保全、福祉、教育、観光・国際交流、まちづくりなど、さまざま部署間を転々とし、それぞれの業務を担当していきます。

それまでの仕事と畑違いの部署に移った場合、異動当初は知識や経験不足からうまく仕事をこなせなかったり、自宅で勉強しなければならなったりするなどの苦労があるでしょう。

一方、技術系職員(技術職)は各自の専門に関連した部署に配属され、その部署内で多様な業務を経験します。

たとえば、建築系の技術職なら「建築部のなかで、許認可業務をおこなう建築指導課から公共施設の増改築・修繕を担当する営繕課へ異動」といったケースが考えられます。

この場合、これまでの事務的な業務から増築工事の現場監督などに仕事内容が大きく変わるため、とまどうことも多いようです。

「NO」を伝えるストレス

市役所職員は困っている人に対して「NO」と言わなければならない場面もあり、そこもつらさを感じる点です。

市役所に持ち込まれた市民の要望が、本人にとっては切実なことであっても、市役所で対応できない問題を受け付けることはできません。

こういった場合、相手が困るとわかっていても、はっきり断らなければならないのが職員の仕事です。

受け付けられない理由や状況を丁寧に説明してもなかなか理解してもらえず、激しく抗議されたりキツイ言葉を投げかけられたりすることもあり、そんなときは一層つらく感じるといいます。

市役所職員の悩み

「公務員は決められた仕事をこなせば定時に帰れて給料も高い」といったように、一般に市役所職員をはじめとした公務員は「楽な仕事」のイメージを持たれやすいです。

しかし、実際は大きな誤解があるといえるでしょう。

市役所においても、たとえば職員が仕事の流れややり方についての改善案を提案したり、管理職が現状の各種制度に関して現場に意見を求めていたりするなど、より良い結果を出すための創意工夫がされています。

部署によっては残業が多かったり、日頃は定時退庁している部署であっても、繁忙期には残業が続いてしまうことも珍しくありません。

最近では人員削減が進み職員一人当たりの仕事量が増加傾向にあるため、とくに入所してすぐの職員は仕事に慣れるまで遅くまで働くこともあるといいます。

また、給料に関しては各市の民間企業の給料などをふまえて決定されるので、市によって給料格差があり、必ずしもすべての市役所職員が高給取りというわけではありません。

万が一、市が財政難におちいってしまった場合は、職員の給与カットの可能性も十分に考えられます。

このように、市役所職員は決して楽な仕事ではありません。

しかし「市役所職員は楽な仕事」というイメージがついて回るのも悩みのひとつです。

市役所職員を辞める理由で多いものは?

市役所職員を辞める理由のひとつに、「仕事の重圧に耐えられない」という理由があります。

市役所は家庭の問題、仕事の問題、介護の問題など、さまざまな悩みを抱えた人たちが毎日にように相談に来る場所です。

そういった人たちの話を聞くだけでもストレスがたまります。

また、自分の小さなミスがその人の人生に大きな影響をおよぼしてしまう可能性も考えられます。

こういった仕事の重圧に耐えられなくなり、市役所職員を辞めてしまう人も少なくありません。

また、市役所職員の「給与制度への不満」により、民間企業などへの転職を考える人もいます。

市役所職員の給料は法律にもとづく俸給表によって決められているため、自分の勤務成績に応じて給料が大きく変動するといったことはありません。

生涯で稼げる金額はある程度決まっており、残業の少ない自治体であれば残業代も期待できないため、こういった収入面に不満を抱いて転職に踏み出す人もいます。