ネイリストの年収・給料はいくら? 初任給や独立後の年収も解説
ただし、キャリアアップをしたり、独立開業を目指したりすることなどで、大幅にアップさせることも可能です。
ここでは、働き方や年齢などさまざまな角度からネイリストの年収について解説します。
ネイリストの平均年収・給料の統計データ
ネイリストの平均年収・月収・ボーナス
ネイリストの平均年収は、勤務先や雇用形態・働き方、経験、実力によって差が開きやすいことが特徴です。
ベテランネイリストのなかには年収500万円以上を安定して稼いでいる人もいますが、未経験からキャリアを歩み出した新人ネイリストは、年収200万円台にとどまっている人もいます。
正社員としてサロンに勤務する場合には、経験を積んで店長やマネージャーになるなど、後輩の指導・育成やマネジメント業務にまで携わることで収入が上がっていきます。
また、独立してフリーランスになったり、自分のサロンを立ち上げたりすることで、高収入を実現する人もいます。
賃金構造基本統計調査
厚生労働省の令和5年度賃金構造基本統計調査によると、ネイリストの平均年収は、34歳で321万円ほどとなっています。
・平均年齢:34歳
・勤続年数:5.7年
・労働時間/月: 169時間/月
・超過労働:6時間/月
・月額給与:255,300円
・年間賞与:142,300円
・平均年収:3,205,900円
出典:厚生労働省「令和5年度 賃金構造基本統計調査」
※平均年収は、きまって支給する現金給与額×12ヶ月+年間賞与その他特別給与額にて計算。
※本統計はサンプル数が少ないため、必ずしも実態を反映しているとは限りません。
ネイリストの平均年収・月収・ボーナス
統計などを見ると、ネイリストの平均年収は230万円~360万円ほどがボリュームゾーンと考えられ、一般的な会社員の平均年収と比較するとやや低めといえます。
ただし、ネイリストは正社員だけでなく、派遣社員、アルバイト・パート、フリーランスなどさまざまな働き方をする人がいるため、そういった点が収入の低さにつながっているとも考えられます。
またネイリストの多くは女性であることから、もともとフルタイムで働いていた人が、結婚・出産をきっかけにパートなどの短時間勤務に変更するようなケースも多く見られます。
こうした事情が、ネイリストの年収の幅の広さにつながっていると考えられます。
ネイリストの手取りの平均月収・年収・ボーナスは
正社員のネイリストとして大手企業が運営するサロンに勤務する場合は、毎月決まった給料が支払われるほか、年に1~2回ほどボーナスが支給されることが多いです。
仮に年収350万円(ボーナスが年間30万円)とすると、社会保険料や税金などを差し引いた手取り月収は21万円ほどと考えられます。
ただし、ネイリストが勤めるサロンのなかには、給料の一部だけを固定の基本給とし、あとは施術数に応じた歩合給とするところも少なくありません。
その場合、歩合給の割合が大きければ大きいほど、その月の施術数によって収入が変動します。
完全歩合給のサロンに勤務する場合は、人気と実力を兼ね備えて多くの指名を集められれば、手取り30万円~50万円以上を実現することも不可能ではありません。
ネイリストの初任給はどれくらい?
ネイリストは、特別な学校に通ったり、資格・免許をとったりしなくても働き始めることができる職業です。
したがって、ひとくちに「新人ネイリスト」といっても、専門学校・スクールなどでネイルの基礎を学んでからサロンで現場に出ている人もいれば、ネイルのことをまったく知らないに等しい状態で現場に入って修業する人もいます。
そうした新人ネイリストの初任給は、各サロンの規定や考え方、また求めるレベルなどよってさまざまですが、新人は「アシスタント」としてキャリアを歩みだすことが多く、決してよい給料がもらえるとは限りません。
正社員であれば月給15万円~18万円程度からスタートする人が多いようですが、スクール等で学んでいないまったくの未経験者は、そもそもアルバイトや契約社員からのスタートになることもあります。
一人前と認められるまでは、あまり余裕のある暮らしはできないかもしれません。
ネイリストの勤務先の規模別の年収(令和5年度)
ネイリストの平均年収は、1000人以上の事業所に勤務する人が最も高く345万円となっています。10人以上規模の平均年収は321万円、10〜99人規模は292万円、100〜999人規模は336万円となっています。
上記グラフの基タイトルは「美容サービス・浴場従事者(美容師を除く)」でエステティシャンなど他職業を含むデータです。
※賃金構造基本統計調査より作成。本統計は調査の母数が少ないため、必ずしも実態を反映していない可能性があります。
ネイリストの勤務先の年齢別の年収(令和5年度)
ネイリストの年収を年齢別に見ると、あまり年収の上昇が見られません。最も年収が高い世代は、50~54歳の396万円です。
全年代の平均年収は321万円となっています。
上記グラフの基タイトルは「美容サービス・浴場従事者(美容師を除く)」でエステティシャンなど他職業を含むデータです。
ネイリストの福利厚生の特徴は?
ネイリストの福利厚生は、勤務先となるサロンによって異なります。
大手企業が運営するサロンで正社員として働く場合には、社会保険完備、交通費支給、資格手当などがあるところが多いです。
そのほか、ネイリストならではの福利厚生として、将来的に独立を目指す際の独立支援制度やフランチャイズ応援制度、またネイル材料の割引購入制度などが用意されていることもあります。
ネイリストは、日々技術力を高める練習をするために数々のネイル用品を用意しなくてはならないため、サロン側でそういった部分のサポートがあるとないとでは、費用面の負担もだいぶ変わってくるでしょう。
なお、個人店のような小さなサロンでは福利厚生がほとんどなく、社会保険も整っていないことがあるため、事前に確認しておくことが必要です。
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ネイリストの給料・年収の特徴
ネイルサロンの給与システム
ネイルサロンは、大きく3つの給与システムがあります。
- 固定給
- 完全歩合制
- 一部歩合制
固定給は、一般的な企業と同じように毎月決まった金額が支払われます。
完全歩合制は、固定給は一切なく、施術数に応じてその月の給料が決定するしくみ、一部歩合制は、一定の固定給にインセンティブが上乗せされるしくみです。
歩合制が導入されている場合は、個々のネイリストが、お客さまからの指名を受けて施術を行うことによって、その人にインセンティブが付き、一人当たりいくら、と決められた額が支払われます。
お客さまを獲得し施術した分だけ収入が増えるので、年収をアップさせたい人には成果が認められやすいしくみです。
一方で、歩合の割合が大きいと、お客さまを獲得できなければ一気に収入が減るというリスクもあります。
また、習得していく技術によってランクが分かれており、それにともなって給与が上がっていくシステムを採用しているお店もあります。
こういったケースでは、人気ネイリストになったり、スキルアップして社内独自の試験などに合格したりすることで収入アップします。
店長やマネージャークラスになれば、基本給アップとともに役職手当や管理職手当がつく職場もあり、収入を上げやすくなります。
新人のうちは給料が低め
ネイリストの代表的な勤務先はネイルサロンですが、ひとことで「サロン」といっても大手企業が運営するチェーン店から、個人経営の小さな店まで規模はまちまちです。
給料水準・待遇は店舗によって異なりますし、さらに正社員で働くか、あるいはアルバイト・パートなど正社員以外の形で働くかによっても、給料は変わってきます。
また、ネイリストは個人の技術力が重視される職業であるため、現場に出たばかりの新人スタッフと、長年活躍しているベテランスタッフとでは、給料に大きな差がつくことが多いです。
正社員としてサロンで働く場合には、経験を積んで副店長、店長などへステップアップし、後輩の指導・育成やマネジメント業務にまで携わることで収入が上がっていきます。
ベテランネイリストになってからは、そのまま店舗に所属して働き続ける人もいますし、独立して自分のサロンを立ち上げたり、フリーランスとして幅広く活動したりする人もいます。
年齢によって年収は変わる?
ネイリストの多くは、30代をピークに収入が下がることが多いようです。
これは、30代になり、結婚や出産などライフスタイルの変化で、これまでフルタイムで働いていた人が短時間勤務に変えるなど、働き方を変えている人が多くいることが関係していると考えられます。
また、ネイリストは若い人の方が好まれる傾向にあるため、40代を超えると独立・開業して経営する側に回ったり、店長やマネージャーになったりすることが多いです。
30代はこうしたキャリアアップの時期でもあり、収入が大きく変化することが多いようです。
ネイリストの勤務先別の給料・年収
大手サロンの場合
一般的には大手サロンの方が給料が高く、研修や福利厚生などの体制が整っている傾向があります。
とくに都市部の大手サロンでは月給20~30万円ほどとなることが多いようです。
まったくの未経験から確実に技術を身に着け、一人前のネイリストになりたいという人には安定した環境です。
ただし、大手サロンは人気が高く、採用倍率が高かったり、アシスタントとしてアルバイト採用からという現状もあるようです。
また、大手サロンではメニューや作業手順などがあらかじめ決められており、自由度が少ないため、自分のオリジナリティを出したいと独立・開業する人は少なくありません。
都市部と地方で年収に違いはある?
地域別にみると、都市部と地方では年収が大きく違い、最も平均年収が高くなるのは東京など関東です。
これは都市部に顧客が集中するからと考えられます。
一方、地方では都市部に比べると月収で数万円、年収で比較すると数十万円低くなることもあります。
そもそも地方ではネイリストやサロンの求人が少ないため、自分で知識や技術を身に着けて独立開業する人が多いようです。
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ネイリストの正社員以外の給料・年収
派遣社員のネイリスト
ネイリストは、正社員以外に派遣社員として働くことも可能です。
美容領域を専門とする派遣会社や、ネイリストを対象とする派遣会社に登録をしておくことで、派遣のネイリストとして勤務できる先を紹介してもらえます。
派遣社員を求めるサロンは基本的に人手を欲しており、即戦力として活躍できる人を求めています。
ある程度の経験・スキルがないと派遣としては働けない場合もありますが、その分、アルバイト・パートに比べると時給が高めで、1,500円~2,000円以上になることもあります。
アルバイト・パートのネイリスト
アルバイト・パートのネイリストの給料は、地域や経験によって差が出ますが、基本的には地方よりも都心部のほうが給料や時給が高い傾向があります。
時給は900円~1,200円程度が相場といわれます。
アシスタントとして働く場合は「下積み期間」という考え方がなされることが多く、勤務先によってはかなり給料が安くなることもあります。
また週に2~3日程度、1日に3~4時間ほどしか働けないことがあるため、なかには他のアルバイトを掛け持ちして、生活できるだけの収入を確保する人もいます。
一方、すでに経験を積んできたネイリストが出産後などにパートへ働き方を変えることもあります。
その場合、即戦力としてスキルを発揮できることから、下積みのアルバイトよりも高時給で働けることもあります。
フリーランスのネイリスト
サロンに所属せず、独立したフリーランスのネイリストは、一般的に「面貸し」といわれる方法で働きます。
面貸しとは、ネイルサロンの一角を間借りして施術を行うことで、ネイリストは自分の売上から「場所代」のような形で何割かの費用を支払います。
この契約においては、ネイリストはサロンの従業員ではなく、あくまでも独立した個人です。
したがって、勤務する日や時間は場所を借りるサロンと交渉のうえ、自分で決められます。
施術料金も自分で決められるため、安定して集客できれば高収入が望めます。
独立・開業の前の準備期間として、フリーランスになるネイリストもいます。
独立・開業のネイリスト
独立し、自分のサロンを立ち上げて働くネイリストもいます。
物件を借りて一から店舗をつくっていくこともできますし、自宅の一部をサロンにする自宅兼店舗として働く人もいます。
ネイルの施術では、さほど大がかりな施設・設備が必要ないことから、小さなスペースでも開業することは可能です。
独立・開業した場合、サロンに雇われるのとは異なり経営者としての役割も担わなくてはならないため、成功すれば高収入が見込める一方、赤字になって経営が厳しくなってしまうリスクもあります。
独立や開業を目指す場合は、固定客がつくように他の店舗と差別化をはかったり、オリジナリティのあるデザインを考えたりするなど、努力も必要です。
ネイリストが独立・開業したときの年収は?
独立、開業した場合の年収はネイリストの実力やキャリアによって大きく変わります。
基本的に、独立開業すると売り上げのほとんどが収入になるため、企業に勤めていたときよりも収入自体はアップすることが多いです。
しかし、お客さんが来なければ売上がなくなってしまうリスクもありますし、必要経費もかかってしまうため、必ずしも独立開業したネイリストのほうが、収入が多いというわけではありません。
一方で、働く時間を増やしたり、お客さまの心を掴んだりすることができれば、売り上げは全部自分のものになります。
働けば働いた分だけ収入に直結するので、企業に勤めていた時よりもやりがいを感じている人が多いようです。
個人サロン・自宅サロンの場合
個人サロンや自宅サロンを開業する場合、一般的なほかの仕事に比べると、開業資金は少なくて済みます。
おおまかに、開業資金として5~30万円あれば充分といわれており、美容師などと比べると必要なスペースや道具も限られているため、気軽に始めやすいというメリットがあります。
個人サロンや自宅サロンでの年収は数十万円~数百万円と人によってさまざまです。
これは予約がとれないほど人気のネイリストがいる一方で、家事や育児などの空いた時間にネイルの仕事をしている人もいるためです。
ネイルは諸経費が安く抑えられるものの、一日に施術できる人数が決められているため、自分がどの程度稼ぎたいかというビジョンをしっかりと考えておくことが大切です。
ネイル講師になった場合の年収は?
ネイルスクールの講師になった場合、基本給が約25万~30万、時給1500~3500円ほどになるようです。
これは一般的なネイリストよりも高い傾向にあります。
ただし、ネイル講師になるためには資格取得が必要で、ネイリストになってすぐ嚆矢になることはできません。
基本的にはネイリスト技能検定1級以上、またJNA認定講師の資格があることが条件となっていることが多いです。
こうした資格取得によって資格手当がプラスされるサロンもあるため、積極的に資格取得を目指すと、年収アップにもつながるでしょう。
店長・サロンオーナーになった場合の年収は?
ネイリストの仕事は、実力が給料に直結しやすいため、たくさんのお客さまから指名をもらったり、施術数が増えたりすれば、短期間で昇給することも可能です。
早ければ2~3年で店長になったり、サロンオーナーになったりできる可能性があります。
店長クラスになると30万円~50万円と給料は大幅にアップしますが、ネイルの仕事だけではなく、経営面の仕事も増えるため、いつまでもネイリストとして現役で働きたい、という人も少なくないようです。
ネイリストは稼げる職業? 生活できる?
正社員のネイリストとして勤める場合、一定の給料が見込めるため安定した生活を送ることができます。
ただし、アルバイトなどの身分で一人前のネイリストを目指している間は、給料が低く生活が苦しいと感じることもあるかもしれません。
ネイリストに限らず美容業界全般にいえることですが、下積み時代の仕事量や収入に満足できず、志半ばで辞めてしまう人が非常に多いのが現状です。
安定した立場を目指すのであれば、まずはしっかりと経験を積み、正社員を目指しましょう。
ネイリストは実力とともに収入をアップさせられるため、徐々に達成感を感じることも増えてきます。
生活と両立させるためには、長期的なキャリアプランを立てることが大切だといえるでしょう。
ネイリストが収入を上げるためには?
指名を増やす
ネイリストとして収入アップを目指すのであれば、まずはお客さまからの指名を増やし、売上を伸ばしていくことが一番の近道です。
技術を向上させたり、センスを磨いたりする努力をして、常連のお客さまにも満足してもらえるように心がけましょう。
また、ネイルの施術を行うときは、お客さまとマンツーマンで1時間ほど対峙している状態です。
会話をはずませてコミュニケーションをとったり、後日お客さまに感謝の気持ちをこめたダイレクトメールを送ったりと、ちょっとした心遣いをすることもポイントです。
そういった地道な努力を積み重ねていくことと、絶えず技術を磨き続けていくことに力を注げば、少しずつでも稼いでいけるようになるはずです。
自分に自信がついたら、よりよい給料・待遇のネイルサロンへの転職もしやすくなります。
資格を取得する
ネイリストになるのに特別な資格は必要ありません。
しかし、お客の立場としては、しっかりとした技術をもったネイリストの方が信頼できるでしょう。
実際に多くのネイルサロンでは、採用条件に検定2級程度としています。
さらにネイルに関する上級の資格を持っていれば、キャリアアップや収入アップの助けとなります。
独立開業する
ネイリストは、フリーランスになって個人でお客さまを増やしていくことも可能ですし、ネイルサロンを開業して経営者として働くこともできます。
ネイリストとして有名になり、幅広く活躍していけば、高収入といわれる年収1000万円以上を得ることもできるでしょう。
ネイリストは簡単に一人前になれるわけではありませんが、自分の腕で食べていくことができ、努力した分だけ収入アップにつながる可能性を秘めた職業です。
より条件のよいネイルサロンへ転職する
ネイリストとして勤務してきた経験を生かし、よりよい条件のネイルサロンに転職するという方法もあります。
とくに都市部であれば多くのネイルサロンがありますし、求人も多く出されているため、キャリアアップを目指す人向けのサロンを探すとよいでしょう。
実際にお客として足を運び、ネイルサロンやネイリストの雰囲気を見て転職を決める人も多いようです。
また、経験を長く積んでいた人であれば、ネイリストだけではなく、ネイルのインストラクターや認定講師として働く道もあります。
ネイリストの仕事と並行してネイルの技術を指導することで、さらに収入アップにつながる可能性もあります。
ネイリストの年収・給料のまとめ
ネイリストの給料・年収は、他の職業と比べると決して高いとはいえません。
ただし、実力によってアップを目指しやすい給与体系であるのがおおきな特徴です。
経験を積んで、店長やサロンオーナーになったり、自宅でサロンを開くなど独立開業する人も多く見られます。
キャリアアップしてお客さまを多く獲得し、人気店になれば高収入を目指すことも可能です。