ネイリストのつらいこと・大変なこと
接客業としてお客様と接する難しさ
ネイリストは技術職であると同時に接客業でもあります。
施術時間はデザインやアートにもよりますが、平均して1時間~1時間半程度です。
お客様に居心地がよいサロンと感じてもらえるように、お客様にあった会話を心がけなくてはなりません。
なかには気難しいお客様もいて、高い集中力を保ち施術を行いながら、会話の内容に気を配る必要があります。
さらに施術カウンセリングの中で、お客様のニーズや好みを引き出し、デザインに反映させることは、とても難しいことでもあります。
なかには「お任せで」とデザインをネイリストに委ねるお客様もいて、気に入ってもらえるか施術の最後までハラハラします。
お客様に満足してもらう為には、高い技術力だけでなく、コミュニケーション能力が求められます。
努力をし続ける苦労
ネイルサロンに勤務しても、最初は雑用、先輩ネイリストの補助などアシスタント・見習いとしてスタートすることも多いです。
一人前になるための道のりは長く、練習でプライベートな時間がなくなる、収入が低いという悩みも抱えます。
さらに、一人前のネイリストになっても、ライバルのネイリストは多くいます。
お客様の指名を得る、独立開業するためには、継続した努力が求められます。
技術を磨くだけでなく、リピーター客獲得のために接客を頑張ったり、新しいスキルを習得したりと、ライバルの中で勝ち抜くためには、いろいろな工夫が必要となり、大変と感じることもあります。
ネイルサロン内の人間関係
ネイルサロンは比較的、小規模なところが多く、雇用されるネイリストやスタッフの数も多くありません。
またネイリストは女性が多く、女性特有の陰口や噂話があるサロンもあります。
合わない人や職場環境がよくないなか、働くことは想像以上のストレスとなり、仕事に行くことが辛くなることもあります。
立地や待遇面だけで働き先を選ぶのではなく、自分と合ったサロンを見つけるように心がけたほうがよいでしょう。
ネイリストの悩み
肩こり・腰痛などの職業病に悩む
ネイリストは、仕事中、お客様と向き合い、椅子に座って施術をする時間が長いです。
その時間はフルで働くネイリストの場合、1日8時間以上になることもあります。
施術は前屈み姿勢で行うため、腰痛や肩こりに慢性的に悩まされます。
細やかなデザイン作業で目も酷使するため、眼精疲労も溜まります。
プライベート時間は、マッサージや整体に通いながら、自分の体を労わり、仕事に備えるネイリストも多いです。
アレルギー発症や手荒れに悩む
ネイル施術には「アクリルリキッド」「ポリッシュリムーバー」などの薬品を使用します。
少量であれば、人体に影響を与えるものではなく、安全なものです。
しかし、日々仕事でそれらの薬品に触れるネイリストは、健康に影響を受けるリスクが高まります。
全く症状がでないという人もいる一方、アレルギーを発症し、手に水疱や蕁麻疹が現れることもあります。
アレルギー程酷くなくても、手荒れに苦しみ、皮膚科に通院して、薬を塗りながら、仕事を続けるネイリストも多いものです。
お客様の手や爪先を美しくしたいという気持ちでネイリストという職業を選んだ人にとって、施術する側の自分の手が荒れていることに心理的ストレスを覚える人もいます。
ネイリストを辞める理由で多いものは?
激務なのに給料が低いという現実
ネイリストの仕事は正社員であれば、月収15~20万からスタートします。
最初はアシスタント、見習いとしての位置づけのため、指名客による歩合や昇給を見込めません。
さらに練習用の資材を自費で負担する必要もあり、自由に使えるお金が少なく、金銭的に厳しいという現実があります。
もちろん、技術を積み、経験を積むことで、年収アップのチャンスはありますが、新人時代は勤務後の雑用、練習など職場に拘束される時間も長くなります。
「こんなにキツイ仕事なのに、給料が低い」という現実に心が折れ、辞めてしまう人も多いです。
体力面、精神的にハード
ネイリストには華やかでお洒落というイメージがありますが、実は体力的にとてもハードな仕事です。
開店準備で朝早く出社し、お客様の施術や予約によっては昼ご飯を食べることなく働き、勤務後は技術を磨くために練習という日々を送ることもあります。
お客様は非日常感を求め、高いお金を払い、ネイリストの施術を受けるため、ネイリストは疲れた顔を見せてはいけません。
自分が体調不良の時でも、プロ意識をもち、常にお客様に笑顔を向け、コミュニケーションをとる必要があります。
常に笑顔と一言でいうと簡単に感じますが、精神面できついと感じ、挫折して辞めてしまうネイリストもいます。
少人数の職場というデメリット
多くのネイルサロンは小規模で、働くネイリストの数は少なく、限られた人間関係になりがちです。
勤務先の雰囲気が良い場合は、濃い人間関係を築くことができます。
しかし、合わない人がいたり、職場の雰囲気が合わなかったりする場合、少人数ゆえに疎外感を感じやすくなります。