看護師の1日のスケジュール・勤務時間や夜勤、休日についても解説
看護師の業務スケジュール
看護師の1日のスケジュールは、勤務先や配属、担当業務などによって大きく異なります。
病院の場合、入院患者さんを受けもつ病棟では24時間体制で動いています。
看護師はシフト制勤務となり、他の看護師と交替で勤務し、日によっては夜勤が入ります。
ただ、すべての看護師が夜勤をしているわけではありません。
病院勤務の場合でも、外来のみを担当する看護師は日勤で働きますし、地域の小さな診療所の診察時間は一般的に朝から夕方であるため、夜勤をすることはまずありません。
さらに、看護師の勤務先は医療機関以外にも、介護保険施設や訪問看護ステーション、地域の保育所・保健センター、一般企業など多岐にわたります。
勤務先によって業務スケジュールや仕事の進め方は異なります。
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外来で働く看護師の1日
病院の「外来」では、病気や怪我をしている患者さん、健康に関する不安を抱いている患者さんの診察をし、必要な検査や処置を行います。
ここでは診療所の外来で働く看護師の1日を紹介します。
病棟で働く看護師の1日
病院の「病棟」では、入院中の患者さんの身の回りのお世話や、検査の介助、日常的な検温・投薬・点滴などを行います。
病棟では24時間体制で患者さんをケアすることから、複数の看護師が交替制で勤務しています。
ここでは例として、「日勤・準夜勤・深夜勤」の3交替制をとっている職場での、深夜勤で働く看護師の1日の流れを紹介します。
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看護師の勤務時間・休日・夜勤や残業は多い?
勤務体系の種類
看護師の勤務体系は、大きく「日勤のみ」と「交代制勤務」の2種類に分かれます。
日勤のみの場合は、8~17時くらいの間で働くのが一般的です。
地域の診療所や病院の外来、企業、デイサービス、保育園などに勤務する場合は、日勤のみの勤務体系となっている場合が多くあります。
一方、24時間体制で入院患者さんに医療・看護を提供する病院や、老人保健介護施設などでは交代制勤務が取られる場合が多いです。
交代制勤務は、職場によって「2交代制」の場合と「3交代制」の場合があり、それぞれで勤務時間が変わってきます。
ここからは、看護師の勤務時間をさらに詳しく紹介します。
看護師の勤務時間
日勤
日勤の職場では、8:00~17:00、もしくは8:30~17:30くらいの勤務時間となるのが一般的です。
入院患者さんの看護をしない診療所では日勤になるケースが多く、毎日決まった時間帯で働くため、生活リズムを整えやすいことが特徴です。
2交代制
2交代制をとっている職場では、
- 朝~夕方(8:00~17:00)までの勤務:日勤
- 夕方~翌朝(16:30~9:00)までの勤務:夜勤
となるのが一般的です。
夜勤の日は、入院患者さんからのナースコールや救急車の受け入れがなければ勤務時間内で数時間の休憩や仮眠をとれますが、その分、1回の勤務時間は長めです。
忙しい病院ではほとんど休憩をとれない場合もあります。
勤務シフトが2種類のため、3交代制よりは生活パターンを作りやすいと感じる人が多いようです。
3交代制
3交代制とは、1日を3つの勤務時間に分けたものです。
よく見られるケースは、
- 朝~夕方(8:00~17:00)までの勤務:日勤
- 夕方~夜中(16:30~0:30)までの勤務:準夜勤
- 夜中~朝(0:00~8:30)までの勤務:深夜勤
です。
勤務時間は病院によって異なるものの、たいていはこのようなシフトで働きます。
準夜勤や深夜勤は、両方を合わせて月に9~10日ほどに設定される職場が多いです。
その他
2交代制や3交代制のほかにも、看護業務に合わせ、補助的に変則な勤務時間を設ける病院もあります。
準夜勤帯は病棟に勤務する看護師は昼間と比べて少なくなります。
しかし就寝時間までは食事介助や投薬など、しなくてはいけないことは多くあり、準夜勤看護師だけでは手が回りません。
同じことは、早朝、患者さんが目覚めてから朝食を食べるまでの時間にもいえます。
このような状況を改善するため、夜勤看護師をサポートする「早朝出勤」、あるいは「午後出勤」という勤務体制をとる病院もあります。
看護師の休日
看護師の休日のとり方も、勤務先によって異なります。
病院や有料老人ホームなど24時間シフトで看護師が勤務する場合、曜日固定の休みはなく、シフトに沿って交代で休日をとるのが一般的です。
病院では4週8休になることが多く、1ヵ月で8日ほど休めます。
地域に根差した個人経営の診療所では、週1~2日ほどの休診日が設けられている施設が多いため、その日は休みになります。
半日診療の日があれば、その日も診療時間が終われば実質的に休みです。
夏休みや冬休みに関しては、診療所であれば診療所自体が数日間の休診日を設けるところが多く、連休がとりやすいです。
一方、大きな病院では病院自体の休みはなく、交代で連休を取得したり、有給を多めに使って休んだりするケースが多いです。
希望休を取得することも可能ですが、同じ日に他の看護師も休みをとりたいと考えていた場合には、必ずしも希望が通るとは限りません。
夜勤をした場合には、翌日の勤務終了後は「仕事明け」で勤務がありません。
ですから体力があれば、そのまま出かけたり、家の用事ができます。
平日に日勤ばかりしていると、郵便局や銀行に行くこともできませんし、子どもの授業参観などの学校行事にも、休みを取らないと出席できません。
しかし、夜勤明けが入れば休みでなくても、日中に自由な時間をとることができます。
看護師の残業時間
看護師は「残業が多い」という人と、「残業はほとんどない」という人に分かれがちです。
診療所のように診療時間が明確に定められている医療施設、もしくは回復期リハビリテーション病院やデイサービスといった施設では、決まった業務時間の中で業務量をある程度予測して動けるため、残業は少なめです。
一方、1日に数百人もの患者さんが訪れる外来病棟や、入退院が多い一般病棟、あるいはオペ室勤務などの場合には、業務量が把握しにくかったり突発的な案件の対応が求められたりするため、残業が発生しやすい傾向にあります。
とくに残業につながりやすい業務が、看護記録の作成です。
勤務時間中には患者さんの対応で落ち着いて記録をつける余裕がなく、上がりの時間になってから作業する看護師は多くいます。
また職場によっては、研修や勉強会などが就業時間外で行われることもあり、そういった時間が増えてくると看護師の負担になりがちです。
看護師に夜勤はある?
夜勤が入る2交代制、もしくは3交代制をとる病院等で働く看護師の数は多いです。
夜勤が入ると生活のリズムがつかみにくく、肉体的な負担もありますが、24時間看護を必要とする病院においては不可欠な勤務体制です。
夜勤が看護師の負担になっていることは、管理する側(病院や看護師長)も十分理解しています。
近年は看護師の離職率を下げるため、多くの病院が休日のバランスに気を配り、規則的な夜勤配置を行うなど、看護師の肉体的負担の軽減に配慮しています。
看護師は忙しい? 激務?
看護師は心身ともにハードな職業だといえるでしょう。
勤務先によっては人の生死の瞬間に立ち合うこともあり、神経を高ぶらせることも多くあります。
立ち仕事であることや長時間労働などの肉体的疲労もありますし、患者さんのニーズに十分に応えなくてはならないというプレッシャーも感じます。
普段はきちんと休みをとれますが、誰かがまとまった休暇をとると、その分勤務可能な人にしわ寄せがきてしまい、特定の人だけ激務になることもあります。
看護師の休日の過ごし方
看護師は四六時中緊迫した現場で働くため、オフの時間は病院とは関係のないことをして過ごしたいと考える人が多いです。
24時間交代勤務をしている看護師にとって、休日は自分のために時間を使える非常に貴重なものです。
交代勤務の看護師は2〜3日出勤した後に2連休があったり、たまに5日間働いた後に1日の休日があったりと、さまざまです。
新人時代は仕事に慣れていないため疲れやすく、休日は寝て終わりという人もいます。
しかし仕事に慣れてくると、趣味や友人・家族との時間など、自分がいかに楽しく過ごすかを考える看護師が多いです。
5~7年目あたりからは仕事内容にも金銭的にも余裕ができるようになってくるため、自分の趣味にかけるお金も増やせます。
結婚をして家族との時間を大事にする人も出てきます。
勤務表と向き合い、自分の体調管理をしっかり行いながら自分なりに私生活を楽しむ方法を見つけることが、よりよい看護師生活を送ることにつながるでしょう。
その他の看護師の1日
ここで紹介した看護師のほか、「オペ室看護師」や「ICU看護師」として働く人もいます。
それぞれの仕事の流れや特徴は、以下のページで紹介しています。