看護師資格は養護教諭(保健室の先生)に必要?
看護師資格は養護教諭に必要?
養護教諭になるために必要な資格
「保健室の先生」と呼ばれる養護教諭になるために、看護師資格は必須ではありません。
養護教諭になるには、「養護教諭免許状」の取得が必要です。
養護教諭免許状は大きく3つに分けられ、それぞれ修得する科目内容や科目数が異なります。
(1)大学を卒業して取得する「一種免許状」
(2)短大・専門学校を卒業して取得する「二種免許状」
(3)大学院を修了して取得する「専修免許状」
この養護教諭免許状を取得後、教員採用試験を受けて合格すれば養護教諭になれます。
看護師資格をもつ養護教諭が求められている
上記のように、養護教諭になるために看護師資格は必須ではありませんが、昨今の学校現場では、看護師の資格をもった養護教諭が求めれています。
養護教諭に大切なことは、児童・生徒に保健に関する正しい知識を普及させること、また学校生活において、身体面・精神面の悩みをもつ子どものよき相談相手・理解者であることです。
しかしながら実際には、けがや病気の手当という「看護面」の仕事も多くあり、大きなけがや重病の場合には、病院に連れて行くことになります。
看護師の資格を有する養護教諭は、医療や看護の知識が豊富で、的確な判断力が期待できるため、生徒だけではなく、教職員や保護者にとっても心強い存在です。
看護師の有資格者は教員採用試験で優遇される
看護師の資格をもった養護教諭はその専門性が高く評価されており、養護教諭の採用試験において、看護師資格所持者が優遇される場合はあります。
たとえば大阪府では、看護師資格をもつ人は1次選考において10点の加点があり、2次選考では、その加点された1次選考の点数と2次選考の点数の合計得点で評価されます。
とくに私立学校では、看護師の有資格者が優先的に養護教諭として採用されるケースがあります。
就職先の選択肢を広げておきたい人は、まず看護師資格を取ってから養護教諭への転身を目指すのもひとつの方法です。
20代で正社員への就職・転職
看護師から養護教諭になるには
看護師は人気の高い仕事ですが、勤務先によっては夜勤が続いたり、多忙を極めて体調を崩してしまったりと、労働条件としては厳しいケースも多々あります。
とくに女性の場合は結婚や育児などでハードな勤務ができなくなることもあるため、看護師をしている間に身につけた知識や経験も生かせる第二の職として、養護教諭を目指す人は少なくありません。
看護師から養護教諭に転職する場合も、養護教諭の免許状を取得し、教員採用試験を受ける必要があります。
看護師の資格をもっている人は、文部科学大臣が認定する「指定教員養成機関」で所定の単位を取って卒業すると、「1種免許状」が取得できます。
その場合、「養護教諭特別別科」といわれる養成機関に1年以上在籍し、教育学や心理学、学校保健関連の単位を修得します。
また看護師としての経験があっても、あらためて大学の教育学部などに入り直し、養護教諭になるための勉強を一からしていく人もいます。
4年制大学の養護教諭養成課程に通えば養護教諭の一種免許状が取得でき、さらに専門性を高めていきたいようであれば大学院に行って専修免許状を取得することも可能です。
保健室で勤務するには学校保健師という道も
一般的に「保健室の先生」とは養護教諭のことを指しますが、教育機関の保健室で勤務するには、養護教諭のほかに「学校保健師」の選択肢もあります。
養護教諭も学校保健師も、生徒や教職員の健康管理をする仕事という点では同じです。
ただし養護教諭は教員免許をもつ学校の「教員」であるのに対し、学校保健師は保健師免許をもち病気やけがの予防などを行う「保健師」の扱いになります。
公立学校では養護教諭の設置が義務付けられていますが、私立系の教育機関では養護教諭の設置義務はありません。
私立の小学校・中学校・高校、もしくは大学・専門学校では、養護教諭免許がなくても、保健師の免許があれば学校保健師として勤務ができます。
なお保健師免許を取得するためには、看護師免許を持っていることが必須条件です。