板前の独立・開業

まずは店を任されるようになってから

板前の多くが店で修行した後、そのまま修行した店に入るか、他店へ転職をします。

この時点ではまだ板前になったばかりで独立は難しいでしょう。

ある程度経験を重ねて板場を任されるまでになれば現場が見えてきますし、自分が店主になったときにどのように切り盛りしていけばよいかが、なんとなくシミュレートできるようになります。

とはいえ、雇われている間は「雇い主」である経営側の視点を得ることは難しいでしょう。

独立するということは単純に料理の味がよいということだけではなく、店主として店を続けていくための経営のセンスが問われるのです。

独立のノウハウ・資格を取得する

独立する前に知っておきたいのが、開業時に必要になる資格です。

「食品衛生責任者」は食品の製造、加工、調理、販売を行う者や企業が必要とする資格で、飲食店や特定の食品の製造業など営業の許可が必要な施設は取得が義務付けられています。

取得するには講習を受講し修了証を交付してもらいます。試験はありませんので受講すればほぼ取得できますが、講習時期は地方によって異なりますので、お住まいの役所に問い合わせしましょう。

なお調理師免許は保有していなくても料理を提供することはできます(調理師免許を所持していないにも関わらず調理師と名乗ることは違法です)。

ただ、持っていれば飲食店の採用時に有利になり、信頼感を与えることはできます。

また調理師免許を持っていれば、先述の受講をすることなく食品衛生責任者になることができるのです。

大変なのは独立後

経験と開業に必要な資格、そして資金が確保できれば独立できます。

ただし、本当に大変なのは開店後です。飲食店の出店開業・運営支援会社シンクロ・フードの調査によると、1年未満で閉店した割合が開店した店舗全体の約3割にものぼるという結果が出ています。

オープン時は新店で珍しいこともあり、興味で来店するお客さまが多いですが、新しくなくなれば他店と同じです。

味に自信があるのは当たり前として、店主として店を運営していくには経営に関する知識が必要です。

店を持つということは料理が好きに作れるというメリットはありますが、いかに利益を出していくかが最も大切なのです。

修行する店によっては独立支援制度でしっかりサポートしてくれるところもあるので、将来を見据えて修行先を選ぶということも肝要でしょう。