女性の板前のキャリアパス・結婚後の生活

女性の板前の現状

板前は職人気質で仕事熱心な男性のイメージが強い職業ですが、最近は女性の板前も増えてきました。

板前に男性が多い理由にはさまざまですが、過酷な修業と労働環境が大きな要因でしょう。

板前になるまでには何年もの修行期間を必要とし、とくに最初の数年間は早朝から深夜まで先輩の下で雑用をこなさなければならず、多大な精神力と体力を要します。

修行中は住み込みで生活することもあるほか、飲食の仕事は勤務時間が不規則で休みも少ないため、「おしゃれやデートを楽しみたい」という若い女性の願望はなかなかかなわないことが多いのです。

しかし最近では、男性の板前が育たず人手不足が課題となっていることから、女性の受け入れも寛容になってきました。

男女問わず、長く働きやすく育児休暇などを整える会社も増えてきていますし、女性の板前だけで営業する店舗も話題を集めています。

女性の板前の強み・弱み

女性の板前の強みは、女性がカウンターにいることで若者やおひとりさま、年配者、家族連れのお客さまから「入りやすい」という印象を持ってもらえることです。

男性の板前に比べて気が利いたり、コミュニケーション能力が高い人が多いので「女性の板前の方がいい」というお客さまもいますし、子どもの扱いに慣れている女性はファミリー層からも支持されています。

また細やかな味付けや盛り付けが必要な日本料理は、手先が器用な女性も向いているといわれるので、性別差は関係ないでしょう。

一方女性だから苦労するところは、体格差や体力の差があげられます。

また年配の男性のお客さまの中には「女性が握る寿司は食べられない」といわれてしまうこともあるようです。

板前の結婚後の働き方・雇用形態

板前の結婚後の働き方は、パートナーの理解が何よりも必要でしょう。

板前の仕事は12時間以上の長時間労働が一般的となるため、定時で働ける一般企業に勤める人と比べると、仕事と家事の両立は難しい環境といえます。

飲食業界は休暇が少なく、産休・育休などの休業制度が整えられていない企業や店舗が多いのが現状です。

とくに板前が職場とする店舗は個人経営のお店も多いので、理解が得られなければ、妊娠または出産のタイミングで退職を選択しなければいけない女性もいます。

ただし正社員として働くのが難しい場合は、アルバイト・パートと雇用形態を切り替えて板前の仕事を続けることも働くことも可能です。

最近では結婚・出産後も長く働けるように休暇・休業制度を整える企業や店舗も増えてきたので、できるだけ長く正社員として活躍したい人は、福利厚生が整った企業を選ぶことをおすすめします。

板前は子育てしながら働ける?

子育てしながら板前を続けることは、店舗によっては残念ながら難しいでしょう。

ランチと夜営業を行う店舗では、早朝から夜遅くまでが定時となるため、ほとんど家にいることはできません。

もともと男性しかいなかった職場では、育休などの休暇制度や時短勤務などの事例がない場合もあるでしょう。

しかし中には、一度退職してパートタイムに切り替えて板前として勤務したり、自分のお店を開業して、無理のない範囲で続ける人など、子育てしながら活躍する女性の板前もいます。

現状を見てみると育児休暇取得実績がある店舗や、休暇・休業制度を利用して復職した女性の板前はあまり多くありません。

だからこそ、お店と相談して退職せずに続けられる道を探るのもよいでしょう。

また経験者は年齢不問で歓迎されることも多いので、子育てがひと段落してから、正社員として働く道もあります。

板前は女性が一生働ける仕事?

板前は、女性が一生働ける仕事です。

厳しい修業を経験して身につけた日本料理の技術やスキルは、一生いかすことができます。

ただし産前休暇や育児休暇、時短勤務などを採用している企業や店舗が少ないため、結婚や出産などのライフステージに合わせて、キャリアを考えなければいけません。

退職せずに正社員として長く働くには、就職時に福利厚生が整っている企業や店舗を選んだり、正社員として働き続けられるように職場に相談することが大切です。

また雇用形態を変えてパートタイムで働くこともできますし、子育てがひと段落してから正社員に戻ることもできます。

板前としての日本料理の腕がある人はどこにいっても重宝されるため、希望に合わせた働き方で仕事ができるでしょう。