板前になるには? 必要な資格は?

板前になるまでの道のり

板前は一人前になるまで長い修業時間が必要ですが、学歴はほとんど重視されません。

板前を目指すルートはいくつかのパターンがあり、たとえば中学校や高校を卒業後、すぐに日本料理店などで修業を始めることができます。

修業は最低でも2年〜3年程度から、長ければ10年をこえますが、若いうちに修業を積めばそれだけ早く一人前になれる可能性が高まるのが魅力です。

または高校卒業後に調理の専門学校へ進学し、調理の基本を学び調理師免許を取得した上で、日本料理店などに就職して修業を始める人も多くいます。

しかしまれにもっと年齢を重ねてから板前を目指す人もいるため、絶対的に正解な道のりはありません。

何歳から修業を始めたとしても、あきらめずに頑張り続けた人だけが一人前の板前になることができます。

「専門学校で調理を学んだものの精神的に弱い人」よりも、「ゼロの状態だけど努力と根性は人一倍の人」の方が先輩にたくさんのことを教えてもらうことができ、成功できる可能性も高いでしょう。

板前の資格・難易度

調理師免許があると有利

板前として働くのに、資格は必要ありません。

調理師免許がなくても調理をすることができるため、働きながら取得する人もいれば、ずっと免許がないまま続ける人もいます。

しかし実際に板前として働く場合は、調理師免許を持っている方が有利でしょう。

正規雇用される場合に求められることもありますし、調理師免許があると「技術手当」などの名目で月に1万円〜2万円の手当てがついたり、出世のペースが早いなど優遇措置が取られる企業もあるのです。

免許を取得するには指定の学校を卒業する方法と、2年以上の実務経験を積んだあとに試験に合格する2つの方法があります。

試験は実技ではなくマークシート式で行われますが、合格率は60%前後なので、しっかりと勉強しておく必要があるでしょう。

公益社団法人調理技術技能センター 調理師試験

ふぐ調理師になるには別の申請も必要

扱う食材によっては調理師免許以外の免許が必要で、たとえばふぐは「ふぐ調理師免許」を取得しなければ調理をすることができません。

各都道府県で試験が行われているため、基準や呼称は都道府県によって違いますが、多くの場合は受験資格に調理師免許を持っていることが求められます。

東京都福祉保健局 ふぐ調理師免許と試験

板前になるための学校の種類

板前になるための学校は、大学、短期大学、専門学校がありますが、専門学校を選ぶ人が大半です。

学費は大学や短大の初年度が122万円〜137万円、専門学校の初年度が62万円〜217万円ほどとなります。

調理師専門学校によって学科の名前は異なりますが、和食関連のコースや日本料理科で、調理技術や栄養学、衛生学、食品学などの食関連の分野について学べることが特徴です。

昼間のコースのほかに、転職やスキルアップを目指す人のために夜間コースを開設している学校もあり、多くは1年〜1年半で卒業できます。

専門学校の中で厚生労働大臣が指定した調理師養成施設を卒業すると、試験を受けることなく調理師免許を取得することができるので、学校選びのひとつの基準にするとよいでしょう。

ほかにも各地のスクールで開催されている、新しい調理技術や食材について学べる講習会で学ぶこともできます。

板前に向いている人

板前に向いている人の第一条件は、料理が好きなことです。

1日中料理に携わり、朝から晩まで体を酷使して修業に打ち込むには、そもそも「料理が好き」という気持ちがなければ挫折してしまうでしょう。

料理への情熱が身を助け、夢の実現へと導いてくれます。

板前になるには最低でも10年かかる上、職場での人間関係や技術の体得など一筋縄ではいかないことがたくさんあるため、あきらめない意志を持ち続けることも大切です。

ほかにも何をどのように組み合わせればおいしい味が生まれるのかという好奇心、探究心がある人も板前に向いています。

板前に向いている人・適性・必要なスキル

板前のキャリアプラン・キャリアパス

一人前になるまでの就職先

板前を目指す人の就職先(修業先)は、料亭や日本料理専門店、ホテルや旅館の調理場などさまざまですが、日本料理全般の知識を学び、目指すスキルを身につけられる店舗選びが大切です。

板前は典型的な技術職のひとつであるため、確かな技術を持つ親方のもとで修行することが成長への近道になります。

店舗規模の大きな日本料理や、有名店で学ぶこともできますが、修行期間を短くしたい人は、一流店で修行後に独立した人が開業した店を選択するのもひとつの方法でしょう。

従業員数が少ないため下準備だけといった役割分担はなく、人件費削減のために早く一人前になれるよう、技術をおしみなく教えてくれます。

一人前になると板前として、お客さまの前で調理することが許されます。

板前のキャリアプラン

板前のキャリアプランは、スキルを武器にして、幅広い夢を描くことが可能です。

その店のトップの板長(いたちょう)として活躍するだけでなく、独立開業して自分の店を持ち、人気店として年収1,000万円を達成する人も少なくありません。

また和食ブームとなっていることから、海外で活躍する板前も多いです。

板前を目指せる年齢は?

板前を目指せる年齢に制限はないため、40代や50代でも目指すことができます。

料理への熱意があり、やる気と根性があり、朝から晩まで働ける体力がある人ならば問題ないでしょう。

ただし20代前後から板前の修業を始めた人は、見習い期間が終わり一人前として活躍し、30歳前後で料理長になります。

たとえば40代から見習いを始めた場合は、20代後半から30代前半の料理長から厳しい修業を10年近く受けなければいけないので、人間関係で難しく感じてしまう人も多いようです。

過酷な修業を何年も経験しなければならず、細やかな手先の感覚や正しい味覚を必要とするため、できるだけ若いうちにスタートした方がよいという声もあります。

板前は高卒から目指せる?

板前は高卒から目指すことができます。

むしろ中学卒業、もしくは高校卒業後すぐに修業に入る人も多いです。

経験や知識がゼロの状態で修業に入るよりも、まずは知識や技術を学びたい場合は専門学校を目指しましょう。

専門学校を卒業してから正社員として修業を始める人も多くいますし、学校卒業時に就職時に有利になる調理師免許を取得できる学校もあるので、見習い時や板前になってからも役立つはずです。

板前は女性でもなれる?

板前は男性のイメージが強いですが、性別は関係ない仕事のため、女性でもなることが可能です。

実際、女性が板前や料理長として活躍するお店はいくつもあり、年配者や家族づれのお客さまから「入りやすい」という声が上がるなど、女性の料理への細やかな心配りやお客さまへの気づかいは強みとなっています。

板前の仕事は長時間勤務で休みが不規則なため、プライベートを犠牲にしてでも努力したいという思いがなければ、続けることが難しいかもしれません。

ただしこれは男性でも同じで、本当にやりたい気持ちがあれば女性でも板前として活躍することができるでしょう。

女性の板前のキャリアパス・結婚後の生活