弁理士になるには

弁理士の資格取得が第一歩

弁理士として働くには、まず国家資格である弁理士の資格を得る必要があります。資格取得にはいくつかの方法がありますが、ほとんどの人は毎年行われる弁理士試験を受験し、合格することで資格を得ています。

この試験の受験資格は特に設けられていないため、学歴や年齢を問わず誰でも受験することができます。しかし、弁理士試験は司法試験に次いで難易度の高い試験と言われています。

合格率は毎年10%に満たない難関の試験であり、何年も勉強を続けてようやく合格する人も少なくありません。

試験は三次試験まであり、短答式筆記試験、論文式筆記試験、口述試験のそれぞれに合格しなければなりません。独学は難しく、予備校に通うのが一般的です。

まずは特許事務所に見習いとして勤務しながら業務経験を積み、平日の夜や休日などを使って勉強を続け、資格取得を目指す人もいます。

弁理士試験の難易度、合格率

弁理士試験以外で資格を取得する方法

なお、弁理士の資格を取得するには、弁理士試験を受験する以外に2通りの方法があります。1つは、司法試験に合格して弁護士登録し、弁理士として登録を行う方法。

もう1つは、弁理士の仕事と関わりの深い特許庁の審査官または審判官として通算7年以上の経験を積むことで、弁理士になる方法です。

登録弁理士のうち、10%程度の人が特許庁出身者と発表されています。特許庁には特許権や実用新案権、意匠権、商標権を審査する各部門がありますが、入庁のためには国家公務員採用試験を受けて合格し、採用される必要があります。

審査官になる前には審査官補として4年の経験が必要なため、弁理士資格を得るには最短でも11年ほどかかるとされています。

以上のことからも、弁理士を目指すのであれば、やはり弁理士の国家試験を受ける方法が一般的といえます。

理工系学部出身者が多い

弁理士試験を受けるために学歴は問われないものの、ほとんどの人は大学や大学院を出ています。試験内容は法律に関するものが中心ですが、工業特許関連の業務がメインとなるため、理系出身者が多いのが特徴です。

試験の合格者の内訳では、例年理工系出身者が80%以上を占めています。

しかし、業務では法律の知識や語学力、文章表現力も求められるため、知的財産に関することが学べる法学部や語学系学部の文系出身者にも利点はあります。

ただし、弁理士資格合格に向けては学校の勉強だけでは事足りず、専門学校やスクールに通う人がほとんどです。どの学部に進んだとしても最終的には本人の熱意と努力次第で、この難関試験を突破することは充分可能だといえます。

なお、弁理士試験に合格後は、特許事務所に勤務するのが一般的です。特許事務所で実務経験を重ね、自ら独立開業を目指す人が数多くいます。

弁理士に求められる能力

弁理士は難易度の高い仕事です。法律の知識、技術を理解する能力、文書を作成する能力など多様なスキルが必要となります。法律の改正や技術の進歩をキャッチアップしていかなければいけないため、日々の勉強も欠かせません。

海外へ特許を申請する場合には、高い語学力も必要となります。

弁理士の今後の見通し

国の方針により、弁理士の試験が改正され、若干合格者が増えてきていますが、まだまだ弁理士の人数が足りない状況です。経済のグローバル化が進む中で、知的財産権の確保は企業の競争力を左右すると言われています。

特許の獲得は企業の重要な戦略の一つであり、それを担う弁理士の重要性は今後ますます高まっていくと考えられます。

弁理士数の推移

弁理士の人数は年々増加を続けています。平成24年10月時点での弁理士の人数は9,651人となりました。