女性の弁理士のキャリアパス・結婚後の生活

女性の弁理士の現状

女性の弁理士は、全体の約15%ほどであり、ほかの多くの職業と同様、女性より男性のほうがかなり多くなっています。

これは、弁理士には化学や工学などの理系知識が求められますが、進路選択において理系を選択する女性がかなり少ないということが大きな要因として挙げられます。

しかし、直近10年ほどでみれば、男性より女性弁理士のほうが2倍近い勢いで増加しており、昨今では理系女性を意味する「リケジョ」という言葉もよく聞かれるようになっています。

今後、女性の社会進出がより積極的になるにつれて、弁理士の男女差も徐々に縮まってくるものと思われます。

弁理士は、書類作成などのデスクワークが大半であり、業務に男女間の有利不利はまったくありませんので、女性でも弁理士として活躍することは十分に可能です。

女性の弁理士の強み・弱み

ひとつの知的財産権を取得するまでには、数か月~数年間におよぶ長い期間を要しますので、弁理士はその間、発明者と密に連絡を取り合い、二人三脚で権利化を目指していかなければなりません。

発明者が女性であったり、あるいは発明品が女性用下着や女性用化粧品などである場合、依頼者からすると、男性より女性のほうがコミュニケーションを取りやすく、気軽に相談しやすいといえます。

また、特許事務所で働く事務スタッフは大半が女性ですので、同性のほうが人間関係を構築しやすいという強みもあります。

反対に、女性弁理士の弱みとしては、男性よりどうしても体力的に無理が効きにくいという点が挙げられます。

弁理士は、一般的に業務量の多い部類に入る職業であり、職場によって差があるものの、残業時間がかさみやすい傾向にあります。

とくに案件の締め切り前については、深夜まで作業に追われたり、休日出勤を強いられるケースもありますので、体力面での負担は重くなりがちです。

結婚後の働き方

弁理士の仕事は、単独で進めることのできる書類作成作業がほとんどを占めます。

このため、各作業には明確な期限が設定されているものの、日々の仕事量自体は自分で細かく調整することができ、自分の手際次第では、家事などと仕事を両立させることも不可能ではないでしょう。

ただし、事務職などのように、毎日定時で帰宅できるというわけではなく、残業があまりないという職場はまれですので、配偶者の理解と協力は不可欠といえます。

もしも家事などを優先させるなら、正社員ではなく、基本的に残業のない契約社員や派遣社員として働くという選択肢もあります。

弁理士資格や実務経験があれば、一般的な仕事よりもはるかに高時給で効率よく稼ぐことができるでしょう。

弁理士は子育てしながら働ける?

弁理士の産休・育休の取得状況については、勤め先によってかなり差があります。

大手のメーカーや、中規模以上の特許事務所では、ほかの弁理士で代替が効くため、ほぼ問題なく制度を利用できる一方、所員が10人以下の事務所では、人員の調整が難しく、取得できないケースが目立ちます。

将来的に、出産や育児をしつつ、継続して働くことを視野に入れているなら、できる限り大きな特許事務所に就職したほうが無難かもしれません。

ただ、弁理士は一人でできる仕事が多いため、フレックスタイム制を導入している事務所も珍しくなく、また急に子どもが熱を出した場合などでも、スケジュールに都合をつけることはさほど難しくありません。

さらに、仕事を持ち帰り、在宅で作業することも可能ですので、ほかの職業と比較すれば、弁理士は子育てしながらでも続けやすい仕事といえるでしょう。

弁理士は女性が一生働ける仕事?

弁理士は非常に取得難易度の高い資格であり、資格保有者は全国で1万人程度しかいません。

このため、結婚や出産、育児など、ライフイベントが多く、キャリアを中断しやすい女性であっても、資格さえあれば復職することは容易であり、弁理士は一生を通して続けやすい仕事といえます。

また、家族や周囲の手助けがあれば、フレックスタイム制度や在宅勤務制度を利用したりして、子育てしながら第一線で活躍し続けることも決して不可能ではないでしょう。

もしもサポートが望めない環境にあるなら、思い切って独立開業して、自分の自宅を事務所にするという手段もあります。

弁理士は、性別による有利不利も年功序列もなく、純粋に実力だけがものをいう世界ですので、自分の力を試してみたいという女性にとっては、おすすめの職業といえるでしょう。