情報工学とは? 大学で学ぶことや就職先は?
情報工学の概要・理念
情報工学は、情報科学の研究を通じて得られた理論をもとに、その応用研究を行う学問です。
広義には情報理論や情報処理、情報通信機器に関する工業技術を研究する分野全般を指しますが、一般的には情報科学を実用的に応用するための研究のことを表しています。
コンピュータはもともと計算機として開発されましたが、その後目覚ましい発展を遂げ、現代においては私たちの日常生活の中で欠かせない技術の1つとなりつつあります。
コンピュータを構成するハードウェアやソフトウェアの基礎に始まり、電子回路を実際に作ったりプログラムを組んだりすることを通じて実践的な知識や技能を身につけていきます。
近年ではドローンやロボットの制御、VRによる体験型コンテンツ開発、人工知能の活用といったように、最先端の研究も行われています。
このように、情報工学は私たちの暮らしを支える最新技術を学ぶことに適した学問であり、今後ますます期待が寄せられる分野であるといえるでしょう。
情報工学で学ぶこと
コンピュータや情報処理に関わることは幅広く研究対象となり得ます。
コンピュータそのものの設計やシステム設計について研究する計算工学、アプリケーションやデータベースを扱うプログラムを組むソフトウェア分野、コンピュータと数学を駆使して現実の複雑な問題を検証する数理情報工学といったように、多彩な研究分野が存在します。
大学の講義においては、数学や物理学の基礎はもちろんのこと、プログラミングやコンピュータの基本的な知識を学びます。
その後、より専門性の高い分野へと進み、課題解決のためのアプリケーションを制作したり、アルゴリズムによって現実の問題を検証した結果をまとめたりするなどして、卒業研究としてまとめます。
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情報工学の大学での授業科目の例
計算機工学
計算機科学と電子工学を組み合わせた学問で、ハードウェアやソフトウェアの基本的な構成を学びます。
プログラミング基礎
C言語やJAVAといったプログラミング言語を学びます。
情報理論
大量のデータを媒体に格納したり通信路で送ったりする際に必要な、データの定量化について研究します。
情報数学
複素解析や数理統計学といった、数学を駆使して情報を解析するための方法論を学びます。
数理情報工学
数学、情報科学、情報工学を組み合わせ、現象の本質を見極め定式化するための方法論を探求します。
情報工学のレポート・テーマの例
情報工学のレポートは、その多くが実際にプログラムを組むなどした演習・実験の経過と結果を報告するために作成されます。
- ・組み込みシステム向けGarbage Collectionの設計と実装
- ・仮想サーバ管理者支援システムの構築
- ・劣化画像の色調補正
- ・ニューラルモデルと翻訳メモリを併用した機械翻訳
- ・C言語初学者向けビジュアルプログラミング環境の試作
情報工学と関連する学問
情報工学はもともと情報科学の応用研究という位置づけでしたが、情報科学もほぼ同義の学問として扱われることもあります。
情報工学には情報数学や数理情報工学が含まれていることからも分かる通り、情報工学は数学と関連性の高い学問です。
情報の解析やプログラミングに携わる上で、数学は基礎となる学問の1つと考えておくべきでしょう。
また、近年では情報を扱う者として必要なモラルが厳しく問われていることから、倫理学についても情報工学を学ぶ上で欠かせない素養とされることがあります。
情報工学を学んで就職に有利な業界・仕事
現在、情報処理やプログラミングに関する専門知識・技能を持つ人材が不足しており、将来的にはさらに人材不足に拍車がかかるといわれています。
そのため、IT技術者の道を選ぶのであれば、情報工学で学んだ知識を活かせる就職先は数多くあります。
一例としては、電気・機械・通信系のメーカーやソフトウェア業界、インターネット業界などが挙げられます。
もちろん、これ以外の業界においてもIT技術者として活躍できるフィールドはたくさんありますので、情報工学は就職に強い学問と考えて差し支えないでしょう。
現在、日本は人工知能の基礎研究において他の先進国よりも遅れを取っているのが実情です。
AIを扱うことのできる技術者には高額な報酬を惜しまない企業も増えていますので、就職する上で有利なケースは今後ますます多くなっていくものと思われます。
また、機械学習で必要となるビッグデータの解析を行うデータサイエンティストに関しては、大学で学ぶ情報工学レベルの知識が必要であり、専門性の高さが求められる職業です。
情報工学で最先端の技術を学ぶことによって、こうした希少なスキルを持った人材として活躍する道も開けるのです。
情報工学の知識は人生でどう役立つ?
現在、AIやRPAに代表されるように、これまで人がこなしてきた仕事を機械が代替する動きが加速しています。
AIに仕事を奪われてしまうのではないか、と懸念する声も聞かれますが、AIは万能ではなく人間のほうが得意な思考も存在します。
情報工学を学び、知識を得ることによって、こうした新しい技術に触れた際に「何ができる・できない」を技術的な面から判断することができるようになります。
そのため、必要以上にAIを恐れることもなければ、人間がAIよりも得意な仕事が見分けられないといったこともないでしょう。
技術の進歩が加速していくこれからの時代を生きていく上で、正確な判断のもと適切な選択をしていくためにも、情報工学の知識を存分に役立てていくことができるはずです。
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