弁理士への転職・未経験からなるには?

弁理士への転職状況は?

弁理士は、ほかの一般的な職業とは異なり、業界全体で新卒採用が少ないという特徴があります。

とくに特許事務所の場合、その傾向はより顕著となり、事務所によってはまったく新卒者を雇用しないというところもあります。

これは、弁理士試験が数年間におよぶ長い勉強が必要になる難関であり、学生時代の間に資格を取得できる人はまれであるという事情が大きく影響しています。

弁理士試験の合格者統計をみても、合格者の平均年齢は例年30代後半となっており、合格者の50%ほどを既に企業に勤める会社員が占める一方、学生は毎年わずか1%ほどにすぎません。

これらのことから、弁理士になる人は、社会人として何らかの前歴を持った転職者であるケースが非常に多いといえます。

弁理士は、他業界から転身しやすい職業であり、たとえ実務未経験であっても、それまでのキャリアや熱意次第で、大きなチャンスがあるでしょう。

特許庁 平成30年度弁理士試験最終合格者統計

弁理士への転職の志望動機で多いものは?

弁理士は、特許法をはじめとした法律知識をはじめ、それぞれの特許に用いられている最新技術などを、生涯にわたって勉強し続けなければならない職業です。

また、権利化の成功・失敗という、非常にわかりやすい形で、自身の実力が問われる職業でもあります。

このような業務特性は、人によって向き不向きがはっきり分かれやすいといえるものの、自分の知識を増やしていくことが何より楽しいという人や、言い訳の効かない世界で自分の力を試したいという人もいます。

企業で働くサラリーマンのなかには、自分の努力に見合った評価がなされていないと感じたり、各人の成果や責任の所在があいまいであることに不満を感じるケースも少なくありません。

弁理士への転職を志望するのは、現在の職場にそうした不満を抱いている人が多く、活躍できるかは自分の腕次第という弁理士の職業特徴に魅力を感じて、他業界から飛び込んでくる人が目立ちます。

とくに理系出身のサラリーマンについては、学生時代の研究などを通して専門知識を備えているうえ、自己研鑽に喜びを感じるタイプの人も珍しくないため、弁理士を目指しやすいようです。

弁理士の志望動機と例文・面接で気をつけるべきことは?

未経験・社会人から弁理士になるには

未経験・社会人から弁理士になるには、大きく分けて3通りの方法が考えられます。

ひとつめは現在の職場を退職し、試験勉強だけを行う「専業」で資格取得を目指す道です。

弁理士試験の難易度を勘案すれば、勉強に集中できる環境に身を置くことが望ましいのは間違いありませんが、最低でも丸1年は無収入で過ごさなければならず、経済的負担はかなり重くなります。

ふたつめは、仕事を続けながら「兼業」で資格取得を目指す道です。

仕事と勉強を両立させるには強い自制心が必要であり、期間もおよそ2年以上かかる点がネックですが、生活上のリスクを考慮すれば、専業よりも現実的な選択肢といえるかもしれません。

そして最後の3つ目は、資格未取得のまま特許事務所などに転職し、実務経験を積みつつ試験勉強に励む道です。

特許事務所のなかには、熱意やスキル次第では資格未取得でも採用するというところも珍しくありません。

事務所によっては、試験勉強に支障がないよう、仕事量などを配慮してくれるケースもありますので、希望する事務所などに一度問い合わせてみるのもよいでしょう。

弁理士への転職に必要な資格・有利な資格

特許事務所や企業などに転職する時点で、既に弁理士資格を保有しているに越したことはありませんが、就職先によっては、資格を取得する意思さえあれば採用するというところもあります。

従って、弁理士に転職するにあたって、国家資格が絶対に必要になるというわけではありません。

知的財産管理技能検定
ビジネス著作権検定

それ以外に有利となる資格としては、知的財産管理技能検定やビジネス著作権検定など、知財関連の知識を証明するものが代表的です。

また、近年は国際出願業務の需要が高まっていることから、TOEICのハイスコアや英検など、語学力に関する資格があると、どこの事務所でも優遇されるようです。

さらに、取得難易度としてはかなり高くなりますが、技術士資格や行政書士資格など、弁理士試験の科目免除対象となっている国家資格があると、有利な条件で転職できるでしょう。

弁理士への転職に役立つ職務経験は?

弁理士への転職に役立つキャリアとしては、製造業などの一般企業において、知的財産部門で働いた経験がまず第一に挙げられます。

知財部門での仕事は、自社で保有する特許の管理や出願申請など、弁理士業務と大きな共通性があるうえ、企業によっては弁理士資格の取得を支援してくれるケースもあります。

しかし、大半の企業は「総合職」として学生を一括採用するため、たとえ知財部門を志望して就職しても、望む通りに配属されるわけではないという点には、あらかじめ注意が必要です。

それ以外に役立つ職務経験としては、メーカーなどの研究職や技術開発職、法律系事務所の事務職としてのキャリアなどがあります。

また、弁理士はコミュニケーション能力・顧客獲得のための営業力が問われる職業でもありますので、一般企業の営業職としての成果があると、評価されるかもしれません。

弁理士への転職面接で気をつけるべきことは?

弁理士は、学生時代や社会人時代を通じ、自身がこれまで培ってきたスキルによって、できることとできないことや、将来的なキャリアの方向性などが定まります。

このため、転職面接においては、大学・大学院での研究内容や、前職での業務内容、保有知識・スキル・資格などのなかから、弁理士に役立ちそうなものを積極的にアピールすることが大切です。

その際は、たとえ研究テーマなどがかなり専門的であっても、表現方法などを工夫し、誰にでもわかる説明になるように気をつけることが大切です。

また、昨今は技術の細分化・高度化がめざましいため、たとえ就職先の取り扱い業務に近しい分野でのキャリアがあっても、評価につながらないという可能性もあります。

その場合は、あらかじめ技術の共通性などについて事前に調査しておき、知識やスキルを応用して対応可能であることを面接官に示す必要があるでしょう。

弁理士に転職可能な年齢は何歳くらいまで?

弁理士の求人情報をみれば、資格未取得者については35歳未満を条件としているところが目立ちます。

弁理士の業務は非常に専門性が高く、一人前になるには数年間の修行が必要とされていますので、どんなに遅くとも40歳までに一通りの実務をこなせるようになるには、35歳がひとつの上限となるようです。

ただ、それ以上の年齢であっても、特許事務所での実務経験や、特定分野に関する研究歴・専門知識などがあれば、転職することは不可能ではありません。

企業に所属する研究者として長年勤めた後、国家試験に合格して40代・50代で弁理士になるという人も一定数います。

なお、まったくの未経験から弁理士を志す人で、35歳までに試験に合格することが厳しいと判断される場合、先に特許事務所に就職して、実務経験を積みながら資格取得を目指すという方法も考えられます。

未経験から弁理士に転職する際の志望動機

弁理士は、資格さえ取得できればすぐ食べていけるというタイプの職業ではなく、長い時間をかけて自身の専門性を養っていくことが必要です。

さらに、昨今は弁理士資格登録者が増加し、弁理士間の競争が激化している影響もあって、生き残っていくためには、他者との差別化を図っていくことがより重要になっています。

従って、未経験から弁理士に転職するなら、その志望動機については、長い下積み期間に耐えつつ、地道な努力を続けていくに足るだけの、断固たる決意が感じられる内容にするべきです。

どの程度の熱意をもって弁理士になろうとしているのか、具体的なエピソードや自分の考え方などを交えながら、理由や動機をスムーズに語れるように準備しておきましょう。

併せて、弁理士となった後の将来のビジョンについても、できる限り具体的にしておくと、説得力が増すでしょう。